犬に勘違いをさせてしまう飼主の行動

犬に勘違いをさせてしまう飼主の行動

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愛犬が言うことを聞いてくれない時や、犬が意に反した行動を取る時には理由があります。多くの場合で飼主の行動が引き金になっていることがあります。本稿では愛犬との間に誤解を与えない方法をご紹介します。

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【Healthy Dog Ownership 犬の行動心理カウンセリング ドッグビヘイビアリスト】DBCA認定ドッグビヘイビアリスト・JCSA認定ドッグトレーナー。 JDBA日本ドッグビヘイビアリスト協会理事長。ISAP国際アニマルプロフェッショナル協会正会員(MISAP)。心理学・動物行動学が専門。重度な問題行動のリハビリも行う。
《公式HP》Healthy Dog Ownership

真逆の意味に取られてしまう、飼主の行動

シェパード2

飼主の意に反して、愛犬が望ましくない行動を取る場合は、飼主と愛犬との間のコミュニケーションが問題となっていることが多くあります。犬と意思の疎通をうまく行なうためには、犬が理解できるコミュニケーションの方法をとる必要があります。

犬は我々の言葉を理解するわけではないので、我々が言葉を使って一生懸命に伝えたり、感情に任せて行動しても、犬には伝わりません。
それどころか、全く意に反する誤解を与えてしまうことのほうが多いものです。よく見られるものをいくつか上げてみましょう。

吠えている犬に、飼主が大きな声で「静かに!」と叫び叱る。すると犬は余計に吠える。

犬の吠え声は連鎖します。犬から見たらきっと「飼主も吠えている!もっと吠えなきゃ!」となるでしょう。隣の犬が吠え始めると、愛犬も吠えるという行動は世界中で起こることです。

散歩の時に犬が引っ張るので、飼主はリードを反対方向に引く。すると犬は余計に引っ張る。

犬が前方向に引っ張っている状態で、逆方向にリードを引けば、反射的に強く引っ張ります。たとえば、あなたが突然だれかに腕を掴まれて引っ張られたら、逆方向に引っ張り返すはずです。

それぞれの対処法

Dogs

まず、吠えている犬に対し飼主がイライラして、つい大きな声で叱る方法では上手くいくハズもありません。
仮にこれで吠えやんだとしても、それは叱りが強すぎたために犬が怯えている状態です。

ストレスを抱え込んだ犬は、更なる問題を引き起こすでしょう。
また、吠えている犬を抱きかかえたり、捕まえたり、撫でてなだめる事は、更なる悪循環を生みます

犬の視点に立てば、”吠えた→撫でられた(報酬)”と学習します。吠えれば褒めて貰えるので、より積極的に吠えるようになります。このような場合では、一先ず犬の気を逸らしてあげれば吠えることを止めるはずです。そして何が原因で犬が吠えたのかを検討します。その原因が判れば、原因そのものに対処することで吠える必要がないと教えることができます。

散歩の時に引っ張りが強い場合も、気を逸らす事で対処できます。前に出る犬を後方に引けば、当然ながら引っ張り返してきます。なので、すばやく方向転換をするや、Uターンをするなどで、前に行こうとする犬の意思を妨害します。
これらの方法でうまく対処ができないようなら、ドッグトレーナーやドッグビヘイビアリストに相談しましょう。きっと直ぐに解決策が見つかります。

意外とよくある勘違い行動

シェパード1

たとえば、シャンプーをするために犬を捕まえようとすると、犬は鬼ごっこでも始めるように逃げまわり、結局、遊びのようになってしまうことがあります。これは飼主が、逃げる犬を追うことで無意識に飼主から鬼ごっこを始めていることになります。

また別の例では、トイレ以外の場所で排泄をした犬を叱ると、犬は飼主の見ていない所で不適切な場所で排泄することがあります。これは、犬が「飼主がいる所で排泄すると叱られる」と学習したからです。なので見てない所でバレないように排泄をしようとするのです。

もっと悪いケースでは、犬が「排泄したら怒られた」と学習し、排泄することが怖くてできなくなることです。
これは膀胱炎などの病気に発展するので注意が必要です。また、トイレのトレーニングは、多くの飼主が勘違いをしているようです。
確かに、不適切な場所で排泄されと人はとても不愉快な気持ちになります。

ついついイライラして叱ってしまいがちですが、トイレの練習ごときで犬を叱るまでもありません。
犬にとって理解しやすい方法で教えれば直ぐに正しく学習できます。

それぞれの対処法

シャンプーをする時、お風呂場まで「オイデ」の指示で連れて行きます。この時に注意したい点は、犬が自分の足で歩いてお風呂場に行くことです。間違っても抱きかかえて連れて行かないことです。これでは逮捕、連行されてシャンプーという刑を受けるようなものです。

こうしてシャンプー嫌いになった犬は、飼主の「シャンプーだよ~」という声を刑の執行予告と捉えるようになり、「ならば捕まるものか!」といった具合に逃げ出すわけです。

大切なのは、犬が自分の意思で、自分の足で歩いてお風呂場に行くことです。ポジティブな感情でお風呂場まで行くことができれば、シャンプー嫌いにはなりません。
そしてお風呂場に到着したら次に「マテ」を指示します。上手くできたら褒めてから、シャンプーを始めれば良いのです。
指示に従って、そして褒められた愛犬はシャンプーを楽しいイベントとして捉えることができるようになります。

トイレのトレーニングでは叱る必要がないと先述しました。トイレの学習をスムーズにする秘訣は、褒めることにあります。
つまり、愛犬が排泄しそうになったら直ぐにトイレに連れて行き(またはトイレシートを用意する)、そこで排泄させます。上手く出来た時にしっかりと褒めます。

もし失敗しても落胆せずに、黙って片付けをします。そのうちに犬は褒められる方の場所で排泄をするようになります。もう1つの方法では、一部屋(またはトイレ専用のサークルなど)にトイレシートを敷き詰めておいて、食後や寝起きの排泄をするタイミングを狙って、その場所に連れて行きます。
そして排泄するまで待ちます。この場所で排泄をすれば、トイレシートの上で排泄することになります。

排泄が終わったら褒めます。そして徐々にトイレシートの枚数を減らしていきます。

途中段階で失敗しても先述のように黙って片付けをして、上手く行った時だけ褒めるようにします。
飛びきり上等なオヤツを与えても良いでしょう。
このケースでも犬は褒める場所で好んで排泄をするようになります。

まとめ

如何でしょうか。我々が無意識に取る行動は、得てして犬には理解のしがたいものです。
興奮している犬に飼主が興奮で返せば、犬の興奮はより激しくなるものです。犬が興奮している時こそ、飼主が落ち着いた態度で接すれば、犬も落ち着くことができます。

逃げ惑う犬を捕まえる事を考えるより、犬が自らの意思でこちらに来るようにすれば、愛犬はネガティブな感情を持たずにすみます。
犬を抱きかかえて移動することは、犬の意思に反した行動であることが多いのです。

トイレが上手くできないとしても、それは、あくまで人間の都合でしかありません。犬にとってのトイレは寝床以外の場所であり、リビングや廊下、玄関をトイレだと認識するのは動物として当たり前の事です。こういう場合は、犬が学習しやすい方法で教える必要があります。

そして何より、日頃から「オイデ」や「マテ」のトレーニングを行っておくことが大切です。これらのコマンドは犬の身を守るためにとても重要なものです。

突然、道路に飛び出したりした時も「オイデ」や「マテ」ができれば、車に轢かれずに済むかもしれません。こうしたトレーニングを日頃からゲーム感覚で行なうことで、愛犬とのコミュニケーションが取れるようになります。

また、愛犬とのコミュニケーションを通じて、飼主も犬が物事をどのように理解するかが判ってくるもです。愛犬の気持ちが判れば、犬に誤解を与えずにすみます。

こうしたことの積み重ねが、愛犬との関係をより良いものにするでしょう。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 男性 匿名

    犬をしつける時は飼い主の威厳を示す必要があります。叱るんじゃなくて、ダメなものはダメ!と明確に意思伝達をすることです。
    特に小型犬を飼う女性は苦手意識を持つので、犬との信頼関係の構築に失敗しがち。結局、「かわいそうだもん!」と自己解釈して、ただ甘やかし、飼い主の方が犬に媚びるんです。これで満足しちゃうから、日本人は犬のしつけが下手って言われるんです。
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