女王から独裁者まで!犬好きな歴史上の偉人達

女王から独裁者まで!犬好きな歴史上の偉人達

愛人に嫉妬されるほど愛犬を溺愛した独裁者から、行方不明だった愛犬を見つけてバスを停めさせてしまった文豪まで、犬好きが故に驚きのエピソードを残してしまった歴史上の有名人について紹介させて頂きます。

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アドルフ・ヒトラー

ナチス・ドイツ

犬を溺愛し過ぎて愛人に嫉妬された

ナチス・ドイツの悪名高き独裁者として、知らない人はいないとされるアドルフ・ヒトラーですが、それと同時に愛犬家としても知られています。
そんな彼の愛犬の名前は“ブロンディ”という雌のワンコでした。

ヒトラーはブロンディを大変溺愛していて、「一番好きなものは?」と質問されると、どんな人に対しても「愛犬のブロンディが世界で一番大好きだ」と答えていたほどだったそうです。
そんな様子を見ていたヒトラーの愛人(自殺の直前に妻になった)のエヴァ・ブラウンはブロンディに対して嫉妬していたのか、彼女の事を大変嫌っていたそうです。

愛され過ぎて本やプロマイドが出た

もちろん溺愛されているだけあり、ブロンディもヒトラーのことを大好きで、互いに心を許し合う相思相愛の仲でした。
休みの時には毎回二人は一緒に遊んだり楽しそうに散歩をして過ごしていたので、そんな様子を見たナチスの広報部は「ブロンディはヒトラーの動物の恋人」という記事を載せ、またナチスの宣伝用にブロンディの姿を描いた本や絵葉書が売り出されたこともあったそうです。

これだけ聞くと、とてもあの残酷な独裁政治を行なった人物だとは思えませんよね。

ヴィクトリア女王

ヴィクトリア女王の肖像画

ポメラニアンを広めた貢献者

犬好きが多い事で知られるイギリスのロイヤルファミリーですが、その中でもヴィクトリア女王は群を抜いていました。

特に有名なのが、あの愛らしいポメラニアンの虜となり、繁殖させた事で、そんな女王の行動がキッカケとなって、イギリスは一気にポメラニアンを世界に広めていったんです。

死んだ愛犬の為に庭園に専用墓地を設置した

そんなヴィクトリア女王が若い日に飼っていた愛犬がトイスパニルの“ダッシュ”でした。ダッシュは大変愛されていましたが、ヴィクトリア女王が1838年に戴冠してから数年経過したの1840年に亡くなってしまいました。愛犬の死を悲しんだ女王は、ダッシュを火葬した後にアデレイド・ロッジの庭園に造った墓地に埋葬しました。
そして墓碑には、こう刻まれています。

『女王陛下に愛されしスパニエルのダッシュ、ヴィクトリア女王が直属の騎士に建立させし祈念碑のここに眠る。12月20日死亡、享年9歳。
彼の篤き愛情は、わがままさを持たず。
彼の遊び戯れる姿は、邪心を持たず。
彼の忠誠は、偽りを持たず。
この緋を読みし汝、もしそなたが生きて敬愛されし者ならば、死しても深く悼まれるであろう、たとえばこのダッシュのように』

これを見るだけで、いかに女王が彼を深く愛していたか分かりますよね!

ジークムント・フロイト

フロイト

老体を押して愛犬に会いに行った

精神分析の権威とも言われるフロイトも犬好きでした。
ナチスに追われウィーンからロンドンに逃げた時、一緒に逃げたのはチャウチャウのリュンでした。

ロンドンに入国する際に、リュンが検疫のためにフロイトと隔離されてしまったのですが、到着してから5日後にフロイトは検疫所を訪れて愛犬リュンと再会し、リュンとフロイトが互いの無事を確かめ合うように喜ぶ様子を見た当時の検疫所所長は、
「あれほどの喜びと心を感じさせる犬は見たことがありません」
と後に語ったのだそうです。

フロイトはリュンに沢山話しかけるなどして可愛がってあげていました。
当時82歳という高齢だったフロイトにとって、検疫所は大変な距離でしたが、彼は愛犬のかわいさには勝てずに、老体を押して会いに行ったそうなのです。

犬好きが高じてセラピードッグの存在を最初に知った!

フロイトの娘で同じく精神分析家のアンナによると、生前フロイトは
「犬は友を愛し、敵をかむ。人間とは大違いだ。人は純粋に愛することもできず、 いつも愛憎織り交ぜた関係しか築けない。犬にそんなものはない」
と言っていたそうです。

ある日、彼はセラピー・セッションを行う際に、同席させていた愛犬が患者の気分に合わせて手が届く距離に座ったり、離れたりというように患者の心の動きを感じ取り、更に“犬は子供を始めとする患者の心を落ち着かせる力がある”ということに気付きました。後にこれが今で言うセラピードッグだったのです。

志賀直哉

バス

愛犬の為にバスを留めてしまった小説の神様

白樺派を代表し、かの芥川龍之介にも影響を与えた“小説の神様”と呼ばれる文豪、志賀直哉ですが、彼もまた自宅の大きな庭で常に数匹の犬を飼っていました。

そんな彼が大変可愛がっていた雑種の犬が、迷子になってしまい行方不明になっていたのですが、ある日自分が乗っているバスの中からその子を見つけた時に、何とそのバスを止めさせてしまったのだそうです!
そして彼は慌ててバスから飛び降りて、走って犬を追いかけたそうです。

フランクリン・デラノ・ルーズベルト

ルーズベルト大統領の銅像

専用の豪華なディナーとベッドが用意された

アメリカ合衆国第32代大統領で、アメリカ史上唯一4選された大統領であり、またアメリカ史上唯一の『重度の身体障害を持つ大統領』でもあるルーズベルト大統領の愛犬の名前は“ファラ”。

ファラは大統領のブレックファスト・トレイに毎朝ファラ用の骨が用意され、またディナータイムにも彼専用の特別ディナーが用意されていました。
しかも大統領が自ら彼に食事を食べさせて、当然寝るときも大統領のベッドの足元においた特別仕様の椅子の中で寝たそうなんです。

スピーチで愛犬の中傷に対する批判をした

1944年、ルーズベルト大統領は4期目の選挙に出馬した時期にアリューシャン列島を訪れたのですが、その際こんな噂が流れました。

「大統領のペットのファラをうっかり置いてきてしまい、彼を救うために多額の税金を使って捜索した」というものでした。
そんな中傷を受けたルーズベルトは、スピーチで、
「私には、私の愛する犬に対する中傷に対し異議を申し立てる権利がある。」
と批判をしたのだそうです。

まとめ

犬好きな歴史上の偉人達のお話、いかがでしたでしょうか?
このほかにもまだまだ、犬好きの偉人のお話はたくさんあるので、興味がある方は調べてみるのもいいかもしれません。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    30代 女性 fanta

    動物と過ごすことの素晴らしさを、歴史上の偉人たちも教えてくれているような気がしますね。
    以前『作家の犬』、『作家の猫』という書籍を読んだことがあります。
    作家たちが愛した犬や猫とのエピソードをまとめた本です。
    文豪や映画監督などの知らなかった一面がのぞけるおもしろい本でした。この人も犬好きだったんだ、となぜか親近感が湧いたり、だからあの作品には犬や猫が出てきたのか、なんて思いながら読みました。作家と犬、猫とが一緒に写っている写真からも、温かい空気を感じます。作家たちと犬・猫とのエピソードに笑って、少し切なくなり、ますますその作家さんが好きになりそうな本でした。
    私は犬を飼っているからか、犬を飼っている人に出会うと「いい人に違いない」と勝手に思い込んでしまいます。実際はさまざまなんでしょうが、歴史上の偉人や作家などの有名人のプライベートなペットとの話はおもしろいですよね。きっと好きになってしまいそうです
  • 投稿者

    30代 女性 のんのん

    歴史上の有名な方々やヒトラーまで、愛犬にはメロメロだったということに驚きと人間らしさを感じます。ヴィクトリア女王の愛犬のダッシュの墓碑の言葉、素敵な言葉です。犬の十戒を思い出しました。(『犬と私の10の約束』の映画にもでてきています。)何度呼んでも心に響きます。これから犬を飼う方にもぜひ一度読んでいただきたいです。
    歴史上の人物のお話を読んでいると、犬はいつから日本でペットとして飼われていたのか気になりました。昔は狩をするためのパートナーの役割もあったようですが、飛鳥時代の聖徳太子には愛犬として飼われていたようです。歴史の深さにびっくりします。飛鳥時代はどんなペットライフだったんでしょうね。さらに気になってきました。いろいろ調べてみるのも楽しいですね。
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