日本で働く犬たち
みなさんが「働く犬」といわれたら何を思い浮かべますか?
盲導犬や警察犬や災害救助犬などを挙げる方が多いと思いますが、実は日本にはたくさんの働く犬たちがいます。
今回はそんな私たちの生活を支えてくれている、彼ら「働く犬」をご紹介していきたいと思います。
働く犬の種類
盲導犬
目の不自由な人・目に障害を抱えている人が、自由に出かけたい時に出かけられるように、障害物を避けたり、段差や角を教えたり、安全にそして安心して歩けるようにサポートをしてくれます。
道路交通法や身体障害者補助犬法という法律でも認められている通り、目の不自由は人と一緒にバスや電車などの公共機関を利用したり、お店に入ることができます。
警察犬
犯罪の手掛かりを探す犬の鋭い嗅覚や、時には命を張って犯人を追ったり、警察官の身を守るボディガードのような仕事をこなします。そして日ごろの訓練により、能力をさらに研ぎ澄ますことで、警察の捜査をお手伝いしています。
警察犬は主に3つの仕事に分かれて活躍しています。
跡追及犬
現場に残された犯人の遺留品の匂いなどから、足取りを追ったり、行方不明の人を探し出す仕事です。地方によっては、登山中や雪の影響で遭難した人を探し出す救助犬としての仕事も任せられることがあります。
気選別犬
事件や事故の現場に残された遺留品の匂いと、容疑者が一致するかを調べることを仕事としています。この判断結果が後の重要な証拠となるため、裁判でもその能力が認められている程です。
戒警犬
パトロールや監視、護送などの仕事をしています。いざという時は、不審者を足止めして必要であれば攻撃を加えることもあります。
これらは、1頭が全ての仕事を行うのではなく、それぞれの得意分野を活かし能力に合わせて仕事が与えられます。
災害救助犬
地震や土砂崩れなどの自然災害で、倒壊した家屋や土砂などに埋もれて身動きが取れない人を、迅速に発見しその救助活動を助けるために活躍しています。
災害救助犬の中にも、地震などによる家屋倒壊現場で活躍する「地震救助犬」、山や雪山での遭難者や行方不明者を救助する「山岳救助犬」、海や川、湖で溺れてしまった人などを助ける「水難救助犬」の3種類に分かれています。
麻薬探知犬
税関などで、麻薬の匂いを嗅ぎ分け、それを見つけ出す仕事をしています。麻薬探知犬には、麻薬の匂いがする貨物を足で引っ掻いて知らせるアグレッシブドッグと、麻薬のある場所をしゃがんで知らせるパッシブドッグの2種類があります。
ガン探知犬
ガン細胞が発する匂いを嗅ぎ取り、ガンの早期発見に貢献してます。
ガン患者の体内にある「何らかの化学物質」を嗅ぎ当てているといわれていますが、まだ明確な答えが出ておらず、現在も研究が進められています。
日本だけでなく世界中でも、ガン細胞を嗅ぎ分けて発見することができたという報告がいくつも挙げられています。
聴導犬
耳の不自由な人へ、生活する上で必要な音をタッチなどの動作で知らせる役目をしています。また、音を知らせるだけでなく、その音源まで誘導したりと、耳の不自由な人の生活を快適かつ安全におくれるようお手伝いをしています。
セラピー犬(セラピードッグ)
人とのふれあいや交流を通じて、病人やケガ人、または心に深い傷を負った人の体や心を癒し、気力を高める仕事をしています。
ただしセラピードッグとして活躍するためには、病院内や施設内での立ち振る舞いや、病人やケガ人との接し方など、約10個もの難関な試験をクリアしなければなりません。
アラート犬
てんかん患者や糖尿病患者、心臓病患者などに、症状の発作が起きる前に予知して知らせる役割をしています。
万が一患者が倒れてしまった場合でも、助けを呼ぶことも大事な仕事の一部です。
ソリ犬
馬などが生息できない極寒の地で、荷物や人をソリに乗せて運ぶ仕事をしています。
アクティング犬(アクティングドッグ)
テレビや映画、CMへの出演やポスターなどの写真撮影のモデルとして活躍しています。
世界の「働く犬」たち
日本だけでなく世界にはもっとたくさんの働く犬たちが活躍しています。
また日本にはないユニークな仕事をしている犬が多く存在しているので、ここでご紹介したいと思います。
裁判所で働く犬
裁判所の法廷では、小さな子供でも自身に起きた暴力や性的虐待などの辛い話を自らしなければなりません。
大人の私たちでさえ話すまでに相当な時間を費やさなければ、安易に話すことはできないでしょう。
裁判所で働く犬はそんな子供たちを落ち着かせることで、ストレスや不安を取り除き、少しずつ話ができるようにお手伝いをしています。
なお、この裁判所犬になるためには、厳しいトレーニングを積まなければならず、その中でも3割の犬しか裁判所で働くことができないほど大変な仕事なのです。
法廷では付いた人の横にじっと伏せ、どんな状況になっても微動だにせず、その場の雰囲気を乱すことも許されていません。
ウミガメ保護をする犬
アメリカでは、絶滅のおそれがあるケンプヒメウミガメを保護するため、産卵場所を嗅ぎ当てるように訓練されている「リドリー・レンジャー」という犬がいます。このおかげで、92匹のウミガメの赤ちゃんが無事海に放流することができました。
少しでも多くのケンプヒメウミガメが生存することで、絶滅危惧種のリストから外れるようにこの活動を続けているそうです。
ヘビ狩りをする犬
同じくアメリカでは「パイソン・ピート」という犬が、フロリダ州にあるエバーグレーズ国立公園をパトロールし、公園内に潜んでいるニシキヘビを見つけ出して、捕まえる仕事をしています。
ニシキヘビは人にも危害を加えるおそれがありとても危険なため、このように捕まえる必要がありますが、実はこの公園内にいるニシキヘのほとんどが、元々ペットで飼われていたものだそうなんです。
飼い主の勝手な判断によって、捨てられ、住む場所を探すためさまよっているのでしょう。
考古学犬
オーストラリアには、「ミガルー」という肉片のついていない人骨を嗅ぎ当てることができる犬がいます。
広大な敷地の中から、約600年ほど前の人骨を嗅ぎ当てることができる、世界初の考古学犬だそうです。
まとめ
いかがでしたか?
もし気になる働く犬がいたら、皆さん自身で詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
優れた嗅覚や聴覚を持つ犬ならではの仕事内容や、その忠誠心から厳しい訓練を乗り越えた犬たちが残した素晴らしい結果など、驚かされること間違いないでしょう。
また、中には人間に酷い仕打ちを受けて捨てられた犬が、現在では災害救助犬になったという実話もあります。
命の危険を伴いながら、災害に遭った人たちを必死に救助をしているその姿には胸を打たれました。
私たちの生活を支えてくれている犬たちの働きを、ぜひ数多くの人に知ってほしいと強く思いました。
この記事を読んだ皆さんにも、身近な人にこういう仕事をしている犬がいるんだよと教えてもらえると嬉しいです。
ユーザーのコメント
10代 女性 のんのん
30代 女性 まろんママ
30代 女性 ケープ
20代 女性 スー
しかし、最近盲導犬に対し心ない仕打ちをする人間が増えています。私は懸命に働いている犬に対してそういったことをする人間が許せません。
30代 女性 チャッキー
特にお年寄りは、昔犬を飼っていたけれど今は事情で飼えず、この触れ合いの機会が本当に楽しみと言って涙ぐんでくれたりします。地域でのそういった活動には犬の資質を見る審査会など各団体で告知していると思いますので、うちの子にも出来そうという方は是非応募していただきたいです!
40代 女性 ぱん
海外イギリスにも働く犬がいます。
依頼者から連絡があり、ネズミを捕まえに行く害虫駆除のお仕事です。
The Rat Pack(ザ・ラットパック)という兄弟2人と犬1匹で行っていて、今ではドキュメンタリー番組もあり少し有名です。
犬種はジャックラッセルなのですが、もともと牧師がキツネ狩りのために地中に潜り込める小さな白いテリアを作りだしたのがこの犬種のはじまりというこですから、藪の中や穴の中で作業も得意なようです。すごい勢いで次から次へとネズミを見つけてはくわえて戻ってきます。
その本来の役割や気質を生かして捕まることができるのでしょうね。
本当のところは分かりませんが、ロンドンには人よりネズミの数の方が多いそうです。
犬もあちこちで頑張って働いてくれてます。
普段の生活のなかで、こんなにも犬に助けられているのですから、私たちも犬に出来るだけ心地よい環境を与え、お互いに助け合って生きていきたいですね。
10代 女性 照り焼き
40代 女性 キウイ
はるか昔、日本だと縄文時代から人間と生活を共にしていたなんて言われていますから、犬と人間の繋がりは不思議でいて確固たるものなのでしょう。
人間と一緒に、それも人間のために働いてくれるなんて、犬という存在がより神秘的、神々しく感じました。
我々人間は見返りに何をしてあげられるのでしょう、愛情だけで満足してくれるの?なんて思ってしまいます。
考えてみれば、家庭でペットとして飼育されている犬だって、家族を癒す仕事を担ってくれているようなものですね。
以前震災の際に、保護犬出身の救助犬が一生懸命働いているというニュースを見て、人間に裏切られてもなお、人間のために働いてくれる犬の懐の深さに感慨深い思いをしたのを思い出しました。
女性 コロ
特にセラピードッグは精神に語りかける仕事だと思うので、人間には難しい目に見えない分野だけにすごいと思います。ガン探知犬やアラート犬も、鋭い感覚を使っていると思うので人間にはできないことですね。これから更なる活躍を期待したい分野です。
日本でも海外のように職場に犬を連れて行ってもOKになればいい癒しになりますね。
30代 女性 ハッピー
女性 ゴン吉
これからもっと増えてほしいと思うのがガン探知犬のように、何らかの病を察知できる犬でしょうか。低血糖の状態を嗅ぎ分けることができる犬もいるとテレビで見たことがあります。これは飼い主さんの危機だからわかったのかもしれませんが、犬にしかできないこと、犬にしかない優れた能力もまだまだたくさんあると思います。可能性を秘めたすごい動物だなと思います。
20代 女性 まろん