1.悲しみを否定しない
ペットロスになるのは当たり前
家族の一員として共に暮らしてきたペットが亡くなることに、悲しまない人はほとんどおられないでしょう。「ペットロス」と聞くと大変な心の病のように感じますが、ペットを失って悲しむことは当たり前の感情です。
泣くことは自分自身を癒す行動でもある
大きな悲しみを受けると、嗚咽するほどに涙が出てしまうこともあります。周りから見るととても心配な状態なのですが、この悲しみを否定したり無理に抑えてはいけません。それは思い切り悲しむこと、気の済むまで泣くことは自身を癒すための行動でもあるからです。無理に元気なふりをしたり「悲しんではいけない」と思い込んでしまうと、自分自身を癒す手段がなくなってしまいます。
2.自分を責めない
ペットへの後悔に苦しむ
ペットロスに苦しむ飼い主さんに多いのが、亡くなったペットたちへの「後悔」です。「もっと散歩に行けばよかった」「もっと違う治療法にしていれば助かったのではないか」このように後悔して、ご自身を責めてしまう方がとても多くおられます。
生命には終わりがある
冷たく聞こえるかもしれませんが、生き物はいずれ死を迎えます。治療をして回復する可能性はありますが、いつかは終わりが来るというのは不変です。
どんな原因で最期を迎えたとしても、共に生きてきた時間がその原因に負けるはずがありません。獣医師をはじめ、人間は神様ではありません。「自分のせいで亡くなってしまった」と責める必要はないのです。
命のろうそくの長さはみんな違うから
ペットたちは人間よりも短い命のろうそくを持って生まれてきます。そのろうそくが灯る時間は人間より短いけれど、一生懸命に火を灯して飼い主さんの毎日を照らしていたはずです。燃え尽きたろうそくを惜しむより、懸命に灯してきたろうそくの一生を「素晴らしかった」と褒めてあげましょう。
3.無理ない程度の作業をする
何も手につかなくなってしまう時
ペットロスによって深い悲しみを感じると、何もしたくなくなってしまうことがあります。家事や仕事だけでなく、今まで「楽しい」と感じて行ってきた趣味にもやる気が湧かなくなってしまうこともあります。
人間の場合、古来から家族が亡くなると49日間は喪に服して静かに過ごすことが良いとされています。それは家族を失うことで心に空洞ができ活力が切れてしまうため、その状態で頑張ろうとしてしまうと無理が生じてしまうからという理由もあるでしょう。
ペットのための作業をしてみる
何もせずにいると、悲しみだけを強く感じる状態が続きます。悲しみを無理に抑えることは良くありませんが、何もしないより少し作業をしていた方が心の整理が付きやすくなります。そのため、旅立ったペットへの供養の作業をしてみるのも良い方法です。
- ペットの写真立てを作ってみる
- ペットの供養のスペースを作ってみる
- 思い出をブログに書いてみる
など、無理なくできる作業を少しずつ行ってみましょう。
写真を選んだり思い出を書いたりしていると、涙があふれてきてしまうかもしれません。この時も感情を抑え込まず、思い切り涙を流しましょう。
4.悲しみを共有する
他者と悲しみを分かち合う
少し心が落ち着いてきたら、他者と悲しみを共有してみるのも良い方法です。同じようにペットロスで悲しむ飼い主さんや、信頼できる知人、ペットロスカウンセラーなどに気持ちを打ち明けてみると心の整理がつくかもしれません。他者と共有するのは、亡くなったばかりの頃よりも少し心が落ち着いてからの方が良いでしょう。
言葉に出すことで気持ちの整理が付きやすくなる
言葉にして話すと、自分の声が耳からも聞こえてきます。より客観的に自分の気持ちを知ることでペットの死と向き合うことができ、心の整理がつくことがあります。そして、同じように悲しむ他の飼い主さんの悲しみに寄り添うことができるでしょう。
5.ペットとの関係性を考える
ペットと飼い主の関係性
ペットロスが重度になってしまう原因の1つには、ペットとの関係性が深すぎたということがあります。たとえば「ペット無しでは生きていけない」というように自分の身体の1部分のように強い関係を築いてしまうと、ペットとの別れは自分の1部が千切られて失われたかのように苦痛を伴います。
「家畜」ではなく「家族」になったからこそ
犬や猫など、ペットと呼ばれる動物は現在では「伴侶動物」とも呼ばれています。「伴侶」という言葉は配偶者のことを指す時にも用いられますので、ペットと飼い主の関係性が年々強まっていることを感じます。だからこそ、ペットと飼い主という関係について考えてみる必要があります。
お互いに自立した関係性を築く
ペット、配偶者、家族、恋人、友人…このような自分を取り巻く存在が「いないと生きていけない」状態になるマイナスの関係性よりも、「いてくれてさらに幸せになった」というプラスの関係性のほうがより良いものです。
大切な存在を失うことは悲しいものですが、どんな関係性であれお互いに自立していないとその幸せが破綻しやすくなります。愛情と依存は隣り合わせでありますので、ペットを迎える際に「プラスの関係性」を目指してみるとより良いと思います。
まとめ
「ペットロス」はすべての飼い主さんがいずれ受けるものです。しかし、ペットロスが深刻になり過ぎてしまい、日常生活がままならなくなってしまうこともあります。飼い主さんがまた笑顔を取り戻してくれるのを、ペットたちは虹の橋のたもとで願っているはずです。ペットを失った悲しみを否定せず受け入れて、少しずつ心を整理していきましょう。
ユーザーのコメント
50代以上 男性 もも父ちゃん
大切な子が亡くなるのです しかしその子はいつもそばにいるのです ふと気づくと
オモチャが転げている ファっと匂いがする 足音が聞こえる はいそばにいるのですよでも何時迄も悲しんでいたらそばからはなれます。
でもずるいですよね 相手からは此方が見えて此方からは見えない 本当ずるいです。