①社会化をしないで育てる
犬は見知らぬものに対して不安や恐怖を感じた時に、自分から遠ざけるために吠えることがあります。だから、知らない人や犬に対して吠えたり、車やバイクなどに対して吠えたりすることがあるのです。
自然の中ではなく、人間社会の中で犬が安心して暮らしていくためには『社会化』をすることが大切だとされています。社会化とは、これから生きていく中で出会うであろう人や動物、物、音などあらゆる物(刺激)に慣れさせること。
さまざまなことを知っていて、あらゆる状況に慣れている犬は、精神的に安定しており不安感を感じにくく恐怖心から吠えることもあまりありません。自信があって気持ちが落ち着いた犬ほど吠えにくいとされているのです。
社会化を行うのは、子犬の時期、特に生後4か月前後の“社会化期”が最も適していると考えられています。その時期は、好奇心が旺盛で恐怖心を持ちにくいので、見知らぬものに対しても気後れせずに関わることが出来るので、さまざまなものを許容し、順応することが出来るのです。
もちろん、社会化期を逃しても社会化をすることは可能です。最適な時期に比べれば、多少時間がかかりますが、しっかりと関わりを持たせることで犬の社会性を育てることが出来ます。
②散歩や運動が足りない
家の中などで犬が吠える原因として多く見られるのが『ストレス』です。運動不足や欲求不満などからストレスが溜まり、その発散のために吠えという行動につながってしまうのです。
犬のストレスが溜まるのは、単純に運動不足で体力が有り余っている時や、飼い主さんとの遊びやコミュニケーションが十分ではなく精神的に満たされていない時。
また、留守番時間が長く寂しさを感じている犬もストレスを抱え込んでいることが多くあります。
状況に関わらず吠えることが多い場合や、生活環境が変わってから吠えが増えた場合などには、犬のストレスや精神面にも気を配ってあげるようにしましょう。
③犬の要求に応えることが多い
犬が吠える理由のひとつに『要求吠え』があります。自分の意思や要求を伝えるために、犬は吠えるという手段を使います。元々犬にとって吠えることは自然な行動ですし、コミュニケーション方法のひとつです。
また、犬同士とは異なり、飼い主さんにはボディランゲージやちょっとした表情の変化では気持ちが伝わらないこともあるでしょう。
特に、静かにしている時はなかなか飼い主さんの注意が犬に向けられないことも多いので、犬は自分の意思に気づいてもらうために吠えて騒ぐようになるのです。
何かして欲しいことなど要求がある時に吠えてアピールする犬に対して、「はいはい、わかったよ」と要求に応えてしまうと、吠えるという行動が定着してしまいます。
飼い主さんにそのつもりはなくても、「吠えれば要求を聞いてもらえる」ということを学習させてしまい、吠えることを助長するのです。
④窓から外を見えるようにしておく
犬が家の中にいる時に退屈しないようにと、カーテンを開けて窓から外が見えるようにしてあげる飼い主さんも少なくありません。確かに外の景色を眺めているだけでも、変化があって楽しめるとは思いますが、それが過剰な刺激になってしまうことも…。
特に元々見知らぬ人や来客に吠えるくせのある犬や、警戒心が強い犬の場合は自宅前を人が通るたびに吠えることもあります。
通行人は必ず自宅前を通り過ぎていきます。そのため、家の中から吠えている間にその人は視界からいなくなるはず。そうした経験をくり返すことで、犬は「知らない人や怖い人は吠えればいなくなるんだ」と学習し、ますます吠え癖が強くなってしまいます。
まとめ
犬が吠えることはとても自然な行動です。しかし、犬が少しでも吠えればうるさいと感じる人もいると思いますし、犬を飼っていない人や犬が苦手な人にとっては尚のことでしょう。
必要以上に犬を吠えさせると近所迷惑になったり、家庭の中でもトラブルのもとになることがあります。
そのため、犬を必要以上に吠えさせないようにすることは犬の飼い主として大切なしつけです。吠えの大きな原因となる社会化不足や運動不足にならないよう、適切な飼い方をして犬の不安やストレスを軽減してあげましょう。
また、要求吠えや警戒吠えなどを助長しないような環境整備と接し方も心がけるようにしてくださいね。
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