犬が銀杏を食べたら中毒に要注意!

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犬が銀杏を食べたら中毒に要注意!

そろそろ紅葉が始まる時期ですね。黄色く彩るイチョウから落ちた銀杏、もしそんな銀杏を愛犬が食べて中毒になってしまったら…。今回は銀杏による中毒の、症状や対処方法をご紹介していきます。

監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

銀杏の中毒症状

イチョウの木の写真

これからの季節、ようかんや茶わん蒸しに入れると美味しい銀杏ですが、人間でも大量に摂取すると危険な食品であることをご存知でしょうか。

小さい実からはなかなか想像できないと思いますが、小児で7粒以上、成人で40粒以上摂取すると中毒が起きてしまうとされています。しかし、この量の目安には個人差があり、特に小児の場合は数粒でも中毒症状を起こしたという事案もあるようです。

その為、子供でも1日4~5粒、大人であれば1日20粒程度に抑えた方が良いという報告がされています。

そこで、まずどんな症状があるのかご紹介します。

  • 循環器系…不整脈
  • 呼吸器系…呼吸困難・呼吸促迫(呼吸が荒い)
  • 神経系…けいれん・めまい・下肢の麻痺・意識混濁
  • 消化器系…消化不良・嘔吐・便秘・下痢
  • その他…発熱・ふらつき

などが挙げられます。

どの症状も個人差はありますが、食後1~12時間程で発症し24時間ほど症状が続くと言われており、悲しい事に中には死に至るケースもあります。

中毒症状を引き起こすのは、解毒能力がまだ発達していない小児が圧倒的に多いと言われています。
このように、犬などの小動物は人以上に解毒力が弱いので、高確率で中毒を引き起こしてしまう事は、お分かりいただけると思います。

中毒症状になってしまう原因は?

銀杏の実の写真

なぜ中毒症状になってしまうのか、その要因を調べてみました。

銀杏は古来より食用だけでなく、滋養強壮の薬として使用され、ぜんそくや咳止めに効果があるとされてきました。

また、銀杏には糖質とタンパク質が多く含まれ、カロチン・レシチン・エルゴステリン・ビタミンCなども多く、栄養豊富な食品であり、その独特な風味から、和食では料理に彩りを与えてくれる食材として重宝されています。
しかし、銀杏に含まれる【チルビリドキシ(MPN)】という物質が、ビタミンB6の欠乏を引き起こしてしまう為、食べ過ぎてしまうと神経伝達が抑制されず、中枢神経の異常興奮によりけいれんなどの症状を発症してしまうのです。

(ビタミンB6の働き…内でのタンパク質の分解・合成を助け、神経伝達物質の合成にも関わる為、精神状態の安定に役立ちます)

犬が食べてしまった場合の対処法

口にさせないことが一番ですが、散歩中に落ちていた銀杏を食べてしまった…、家庭で料理を作っている最中に銀杏を落としてしまい、愛犬がパクリ…など様々なケースが考えられます。そこで、万が一愛犬が銀杏を食べてしまった場合の対処法をお伝えしていきます。

  • 飲み込んでしまった場合は、たくさんの水を飲ませる。
  • なるべく落ち着かせて、興奮状態にならないようにする。騒がしい場所であれば、静かなところへ移動させる。
  • 空気が新鮮で過ごしやすい場所で休ませる。冷房や暖房などで寒すぎたり、暑すぎたりしないよう適温を保つようにする。
  • 食後2時間以内であれば飲み込んだ物を嘔吐させる。

嘔吐させるには…

豆類の写真

健康な犬であれば、体の大きさに応じて、スプーン1~7杯くらいの食塩を、舌の上にのせて飲ませるという方法があります。そうすることで、たくさん水を飲むので、その後、嘔吐することが期待できます。しかし、危険なやり方なのでお勧めしません。

誤って食べてしまった場合、一番の有効的な対処方法はやはり飲み込んだ物を吐き出せることですが、愛犬が自ら嘔吐して吐き出すこともあります。一度吐いてその後、苦しんだりする様子もなくケロッとしているのであれば、中毒になったとは考えにくいと思われます。

何度も嘔吐する、ぐったりしている、激しい下痢、呼吸が荒いなどの症状が出ている場合は、早急に動物病院へ連絡し、診てもらうことをおすすめします。

また、中毒症状が出ていなくても、「口に含んでしまったかもしれない…」と心当たりがあれば、かかりつけの獣医師へ連絡し、必要であれば病院へ連れて行きましょう。

病院へ連れて行く際は、食べてしまった物を持参する事を忘れずに、また①いつ②どのくらい食べたか③食べてからどのくらい時間が経ったか、など詳細も伝えてください。

※銀杏以外に、豆類でも下痢や嘔吐の症状を引き起こす事がありますので、誤って愛犬が食べてしまわないように、家庭内でも心がける必要があります。

まとめ

犬の写真

ペットショップなどの狭いケージの中から、自由な環境へ出る事が出来た愛犬たちにとっては、外の世界はキラキラしていて目新しいものばかりだと思います。色んな物を見て、楽しくなり、「これは食べられるかな」「これで遊んだら楽しそうだな」と好奇心旺盛な状態になるでしょう。

また、動物は成長する上でいろいろな物を口に含み、その後、お腹が痛くなったり具合が悪くなったりする事で、「これを食べたら痛い思いをするんだ」と学習していきます。その習性を、飼い主である私たちが理解し、また正しい知識を持つことが大切です。愛犬のいる場所は安全か、身の周りに危険な食べ物、飲み物はないかどうかを、一度考え直してみてください。

▼犬が食べてはいけないものについてもっと知りたい方はこちら
犬が食べてはいけないもの一覧

平松育子先生

記事の監修
  • 獣医師
  • 平松育子先生
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

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