片目の犬「うみ」との出会い
住宅街を放浪しているところを保護
住宅街で1匹の雑種の犬が数日前から放浪していたと通報があり、暫くしてからセンターに収容されました。
野犬の子供なのか、飼い犬の子供で捨てられてしまったのかは定かではありませんが、保護する時には少し大変だったそうです。でも攻撃性は全くなく、ケージに入れられるとすぐに大人しくなったとの事でした。
放浪中、時々庭先にいる犬のご飯を食べたりもしていたそうで、おかげで(?)身体はそれ程痩せてはいませんでした。
保護してすぐに健康診断や栄養状態などの検査をうけました。すると、健康には問題なかったのですが、片方の目が小眼球症であることが判明。生まれた時から眼球が小さい病気で、瞼がつぶれているように見えました。ただそれでも日常生活には支障はありませんでした。
譲渡先からの脱走
幸い里親さんが見つかり受け出されたのですが、なんと数日で庭先からいなくなってしまいました。
たくさんのボランティアさんたちが、情報を元に連日捜し歩き、1月以上経ってやっと、無事に発見されました。
当然、元の譲渡先には返せないのでまた同じ保護センターへ出戻ってしまいました。
外で飼育するには向かない犬でしたし、おそらく小さい時から人とはあまり接していないと思われるようで、なかなか人を信用しないような顔つきで上目遣いで人を見ているのが印象的でした。
ちょうど次の子を探していたわが家
当時わが家には、センターから受け出した犬1匹と小型の先住犬がいました。
受け出して2~3ヵ月ほど経ち、3匹目を考えていました。同じように保護センターからと思ってホームページを見ていたとき、ちょうど譲渡先から逃げ出して探されているところだったのです。
それまでの経緯を知ってとても気になっていたので、センター出戻り後にどうせなら我が家でと引き取りました。
センターでの顔見知り犬と再会!
もちろんすぐに正式譲渡ではなく、2週間のトライアルが始まりました。
先住犬2匹との相性や、家の中での生活が合っているかどうかなど、一緒に暮らしてみないと分からない事がたくさんあります。
家に連れて帰ると、最初はケージの中で家族の様子をジッと見ていました。けれどもすぐに、センターから引き出したほうの先住犬が傍に寄ってきて匂いを嗅ぎだしてお互いに顔を近づけたのです。唸ったり吠えたりも一切しませんでした。
ケージから出さずにしばらく様子を見たところ大丈夫そうだったので、部屋の中でフリーにすると、なんと一緒に遊び始めたのです。
そう言えば同じ保護センターにいた時期が重なっていました。顔見知りの仲間だったのですね。安心したのかもしれません。
名前は「うみちゃん」とつけて、それから3匹での生活が始まりました。
それから7年位経ちましたがお互い仲良く、また新しい別の預かり犬とも上手に生活しています。
ただ、シニアの年齢なので去年の健康診断で少し心臓に異常が見つかり、今では毎日の投薬は欠かせません。そんな毎日でも、元気に散歩して遊んで、食欲も落ちることなく元気に過ごしています。
保護犬を迎えると言う事
全国には保護センターやボランティア団体が保護している犬や猫がたくさんいます。家族に迎えたいと思ったら、まずは近くにある保護施設や譲渡会などに出向いてみてはいかがでしょうか。
それぞれの家庭で飼うには様々な条件がありますし、案外ペットショップでは見つからないような、その条件に合った保護犬達と出会えるかもしれません。
成犬から飼育するのは難しいと思う方もいるかもしれませんが、すでに性格が出来上がっていますし、体格もそれ程変化はしません。もちろん、家族に慣れるまでは時間がかかる犬もいるかもしれませんが、それも良しとして時間をかけて少しずつ保護犬と関係を築いていけばいいと思います。