JKC(ジャパンケネルクラブ)の公認資格は?必要なことやメリット

JKC(ジャパンケネルクラブ)の公認資格は?必要なことやメリット

JKC(ジャパンケネルクラブ)では、犬に関係する仕事に役立つ資格をいくつか発行しています。犬に関係する仕事している方、これからそのような仕事につきたい方は、ぜひJKCの資格取得を目指してみてください。信頼性が高いので、役立ちますよ。この記事では、JKCの公認資格について説明します。

JKC(ジャパンケネルクラブ)公認資格とは?

トリミングを受けるトイプードル

JKC(ジャパンケネルクラブ)とは、純血種の犬の登録や血統書の発行をする団体です。犬種の維持のほか、動物愛護活動の一環として、犬に関する各種の資格がとれる講習会を開催しています。犬に関係する民間の資格の中では、信頼性の高い資格をとることができます。

JKC公認資格は、指定の講習会を受講して、試験を受けることで獲得できます。他の団体の試験より難易度が高いと言われていますが、その分しっかりした知識や技術を身につけられるので、仕事などに活かしたい方にはおすすめです。

JKCでは、さまざまな公認資格をとることができるので、その種類について説明します。

愛犬飼育管理士

JKC愛犬飼育管理士は、多くの自治体で動物取扱業の要件の1つとして認められています。ペットショップやペットホテル、犬を預かってトレーニングする訓練所など、動物に関する業種は、動物取扱業として自治体に届け出る必要があります。

そう聞くと何だか難しそうな資格に思えますが、愛犬飼育管理士はJKC公認資格の中で一番簡単にとれる資格です。最近は動物に関する仕事をしていない一般の飼い主も、愛犬を適切に飼育するための知識を得るために受講することがあります。JKC公認資格を取りたい方は、まず愛犬飼育管理士にチャレンジしてみるといいと思います。

受験資格

ここで学習スタイルや必要となるおおよその期間、難易度についても触れてください。

年齢などの要件は特にありません。JKCが開催する愛犬飼育管理士の講習会を受講し、その日のうちに筆記試験を受けます。テキスト代を含む受講料と試験料合わせて14,000円程度です。また、資格を得たあとは、JKCの会員になる必要があるので、登録料3,400円が別途かかります。

もしその日のうちに合格できなければ、後日改めて試験だけを受けることもできます。

活躍の場

JKC愛犬飼育管理士は、先述のとおり動物取扱業の要件の1つとして認められていますので、活躍の場はさまざまです。ドッグトレーナーとして開業したい方から、ペットホテルやトリミングサロンを開業したい方まで、多岐に渡る活躍が可能です。犬に関係する仕事がしたい方は、JKC公認の愛犬飼育管理士を取得しておくといいでしょう。

トリマー

犬の美容師であるトリマーにも、JKC公認資格があります。トリマーになるには、専門学校などで学ぶ方法もありますが、JKC公認資格をとっておくと信頼性が高まります。

JKC公認資格としてのトリマーには、C級から師範まで5段階の資格があります。まずはC級からチャレンジして、技術の向上に努め、ステップアップしてくといいですね。

受験資格

一般的には、JKC公認のトリマー養成学校に入り、そこで所定の科目を受講して、卒業試験に合格すればC級の資格がとれます。資格取得まで1年から2年が目安となります。

経済的な事情などで、トリマー養成学校に入るのが難しい場合、独学で資格取得を目指すことも可能です。2年以上のJKC会員歴が必要ですが、学科についてはJKCのテキストで学ぶことができます。トリミングの実技に関しては、どこかのサロンで働きながら、先輩トリマーから学ぶ必要があります。実技を身につけたら、C級の資格取得にトライすることになります。

いずれの場合も、年齢は18歳以上が要件となります。

活躍の場

犬のトリミングサロンはもちろん、動物病院で勤務するトリマーもいます。ペットショップやペットホテルに併設されたトリミングサロンで働くこともできます。もちろん個人でサロンを開業することも可能です。

あるいは、ある程度実務経験を積んだあと、トリマーの養成学校で教えることもできます。個人の適正によっては、教える側に回ったほうがスキルが活かせる場合もありますよ。

ハンドラー

ハンドラーとは、ドッグショーで出場する犬を連れて歩く人のことです。ただ犬と歩くだけではなく、その犬種の特徴をアピールするような見せ方をする技術が必要です。ハンドラーが上手だと、審査員に好印象を与えることができ、犬が賞をとれる確率も高まります。

ハンドラーは裏方に見えて、実はドッグショーを演出する重要な役割をもつのです。トリマーと同じく、C級から師範までの5段階の資格があります。

受験資格

JKCの会員歴が1年以上必要です。まずはC級から受験しなくてはならず、18歳以上の年齢要件があります。

C級の受験資格は、お住まいの地域を管轄するJKCのブロック協議会が認めた人ということになります。試験はモデル犬のハンドリングをする実技試験です。合格すれば、JKC公認のハンドラー資格を取得することができます。

C級に合格したあとは、2年以上経過してから、B級にトライすることができます。B級以上もC級と同じく、受験資格は各地のブロック協議会が認めた者となります。A級以上は実技のほかに、筆記試験もあります。

活躍の場

ハンドラーの活躍の場は、やはりドッグショーです。各地のJKCでハンドリング競技会も行われていますので、そこでハンドリング技術の向上を図ることができます。ドッグショーで受賞できれば、ブリーダーなどからショーでのハンドリングを依頼されることもあるでしょう。

訓練士

訓練士とは、その名の通り犬の訓練を行うための資格です。家庭犬のしつけはもちろん、災害救助犬などの仕事をする犬にとっても基礎になる訓練を行うことができます。

ドッグトレーナーの資格はさまざまありますが、JKC公認資格の訓練士は、普通の犬のしつけはもちろん、飼い主のマナーやモラルの向上や、ドッグスポーツのトレーニングまで、幅広く網羅しています。JKC公認資格の訓練士は、アジリティなどの競技会に積極的に参加して、技術の向上を目指しています。

JKC公認の訓練士資格には、訓練準備補から訓練範士まで5段階の資格があります。まずは訓練準備補から始めて、徐々にランクアップを目指していきます。

受験資格

一番初級の訓練準備補は、JKCの会員歴が2年以上必要です。その上で「指導手」として訓練した犬が1頭以上いることが条件です。訓練した犬は、JKCの訓練競技会で行われる試験をパスして登録されている必要があります。試験は筆記のみです。

その上の訓練士補は、JKCの公認するトリマー養成学校や研修期間で2年間の過程を修了した人が受験できます。試験内容は、筆記と実技です。

さらにその上の訓練練士となると、さまざまな要件を満たしている必要があります。この資格以上が、本格的な犬の訓練士となります。JKC公認の訓練練士はかなり信頼性の高い資格で、ここまでくると立派なプロフェッショナルと言えるでしょう。ただ、初級資格からスタートして4年以上の長期間にわたって勉強を続けることになります。

活躍の場

今では犬のしつけを専門家に相談する人も増えましたので、ドッグトレーナーとして活躍することができます。より専門性を高めて、セラピードッグや災害救助犬などのお仕事をする犬を育てることも目指せます。

ドッグトレーナーのほかにも、トリマーや動物病院の看護師として働く中で、犬のしつけについて相談に乗ることもできます。自分の仕事の付加価値を高めるスキルとして、JKC公認の訓練資格を取得するのもいいですね。

スチュワード

スチュワードとは、聞きなれない言葉だと思います。簡単に言うと、ドッグショーのスタッフです。出場する犬の確認や、審査会場への入退場をチェックする役割があります。また、審査結果の記録を作成するという重要な役目も担っています。

JKC公認資格のスチュワードには、サブスチュワード、スチュワード、チーフスチュワードの3段階があります。

受験資格

スチュワードは、ほかのJKC認定資格と違い、ドッグショーに関わる人を増やそうという主旨なので、特に試験はありません。

サブスチュワードは、18歳以上のJKC会員であれば、地域のブロックスチュワード委員会に登録を認めてもらうだけで資格が取得できます。その後、サブスチュワードとして経験を積み、研修を受けることでスチュワードの資格をとることができます。

活躍の場

活躍の場は主にドッグショーです。JKCが開催する地域ごとの品評会に、運営スタッフとして参加することになります。犬が大好き、自分と暮らしている犬種が大好きといった方なら、ドッグショーのスタッフも楽しめることと思います。

審査員

JKC公認審査員とは、ドッグショーでの審査を行うための資格です。ある特定の犬種だけを審査する場合と、たとえば使役犬といった犬種のグループ全般を審査する場合があります。

ドッグショーの審査員は、犬種の特性や外見などの特徴に精通している必要があります。

受験資格

JKC本部の学術教育課にお問い合わせください。資格取得後にも、定期的に講習を受けることが義務づけられています。

活躍の場

ドッグショーでの審査員はもちろん、トリマー養成学校やしつけ教室の講師としても活躍できます。犬種に関する豊富な知識を活用して、審査員のほかにも講師をしている方が多いようです。

アニマル衛生看護師

アニマル衛生看護師とは、動物病院の看護師のことです。動物病院で看護師さんを見たことがある人は多いと思います。受付から診察のサポート、手術の助手、カルテの記入、病院の清掃など、やることがたくさんあります。その分、知識もたくさん必要なので、勉強が必要です。

JKCでは動物病院の看護師の仕事を重視して、アニマル衛生看護師という資格を発行しています。

受験資格

JKCが公認するトリマー養成学校に入り、所定の課程を修了して、試験を受けることでアニマル衛生看護師の資格を取得できます。ただし、どのトリマー養成学校でもいいわけではなく、JKC公認の学校の中でも、アニマル衛生看護師の資格がとれる学校に入る必要があります。

活躍の場

動物病院での勤務が主になります。また、近年ではペットショップにも獣医師や看護師と連携することが法律で義務づけられているので、ペットショップ関連の仕事もあるようです。

災害救助犬(認定試験)

JKCは、災害救助犬の育成も行っています。災害救助犬とは、地震などの災害時、がれきの下に埋まって救助を待つ人を見つける犬のことをいいます。警察犬や麻薬探知犬と並ぶ、日本における使役犬の代表格です。その分、資格の取得も難しいです。

災害救助犬は、試験をクリアした犬に与えられるJKC公認資格なので、訓練する人はJKC公認などの訓練士です。訓練士の資格をとるのも難しいので、非常に専門的な認定資格と言えます。

受験資格

災害救助犬の育成は、専門の訓練所で行われています。半年の基礎訓練の間に、災害救助犬としての適性を見極めます。災害時の騒音や、足場の悪い場所での移動などに慣れることができれば、適正ありとして、その後1年~1年半ほどの訓練を行います。

訓練を終了した犬は、訓練士とともに災害救助犬の資格試験に挑みます。認定レベルをクリアすれば、JKC公認の災害救助犬となれます。

活躍の場

災害が発生したとき、ボランティアとして災害救助犬が出動することになります。地震などの災害は起こらないに越したことはありませんが、いざ災害となったときに、救助犬達が活躍します。

  • 一番取得しやすいのは愛犬飼育管理士
  • その他の資格は難易度が高い
  • JKC公認資格は信頼性が高いので仕事に活かせる

JKCの資格以外の役立つ資格

ペットフードの説明をする女性と台に座っている犬

JKC公認資格は敷居が高いと感じる方は、通信講座などで資格取得を目指すのもいいです。JKC以外にも、犬に関する資格を発行している団体などがありますので、ご自身に合ったものを選んで試験を受けてみてください。

特に、犬関係の仕事につきたいわけではないけれど、愛犬と暮らす上で役立つ勉強をしたい方は、ご自身のニーズに合った講座や資格を探して、受講・取得するといいと思います。たくさんある民間資格の中から、役立ちそうな資格をいくつか紹介します。

動物介護士

動物介護士は、特にシニア犬や病気の犬など、特別なケアが必要な犬の世話をするための資格です。仕事にも活かせますし、愛犬の世話をするのにも役立ちます。資格を取得するために、動物の病気や健康管理などについて学ぶことになります。

現在、いくつかの民間団体が、動物介護士の資格を発行しています。団体によって、「ペット介護士」「ドッグヘルパー」など呼び名が違うようですが、内容はシニア犬などの世話をするための資格です。通信講座で半年ほどで資格取得できる場合が多いようです。通信講座の費用は5万円~10万円程度です。

ペットシッター

ペットシッターは、飼い主が留守の間、自宅を訪問する形で犬や猫の世話をする仕事です。資格がなくてもペットシッターの仕事はできますが、必要な知識を学ぶ点で資格取得することには意味があります。

ペットシッターの民間資格には、代表的なものに「ペットシッター士」と「ドッグシッター」があります。ペットシッター士は、通学だと6日間で取得できます。講座を受講して、試験に合格すれば資格がとれます。費用は9万円程度です。通学が難しい場合や、費用を抑えたい場合は、通信講座も受講できます。費用は5万円程度と、通学よりお得です。ただ、通学には講師にその場で質問できるというメリットがあります。

ドッグシッターは、通信講座で取得できる資格で、4か月程度で資格がとれます。費用はライセンス交付料を含めると10万円程度です。

特にペットシッターとして仕事をする予定がない方でも、愛犬のお世話やしつけ全般を学ぶことができるので、興味があれば講座を受講するのもいいと思います。

栄養管理士

犬の栄養管理士とは、犬の食事に関する資格です。人間の栄養士と同じような内容です。ドッグフードの安全性や、手作りごはんの栄養バランスなどについて学びます。愛犬の食事が気になる方に、おすすめの資格です。

通信講座で学べるのは「犬の管理栄養士」という資格です。受講料は3万円と、かなりお得です。こちらの資格は、愛犬の食事に活かせるもので、仕事にするには少し不足かもしれません。

仕事に活かしたいのであれば、「ペット管理栄養士」という資格があります。こちらは難易度も高めで、所定の講座を修了する、大学で獣医学などの勉強をしたなど、受験資格のハードルが高いです。講習会の費用は、1回につき1万円程度です。全ての課程を修了するまでに、2年間かかります。

アロマテラピー

人間の世界では、かなり定着してきたアロマテラピーですが、ペットの世界ではまだまだ活用されていません。アロマオイルは犬や猫に有害だという噂を聞くこともありますが、きちんと使えば愛犬の心身の健康に役立ちます。そこで有効なのが、「ペットアロマカウンセラー」の資格です。

通信講座でアロマテラピーの基礎や、犬や猫の病気や対処法について学び、受講が終わったら4つの課題を提出することで認定試験となります。受講料は4万円程度です。資格取得まで5か月程度かかります。アロマテラピー好きの飼い主さんが、愛犬にオイルを使いたいのに役立ちます。

  • JKC以外にも犬関連の資格がたくさんある
  • 愛犬と暮らす上で役立つ勉強ができる
  • 仕事に活かすなら難易度の高い資格を

まとめ:愛犬のために役立つ資格もある!

愛犬を抱いてパソコン見る女性

JKC公認資格は、難易度が高いものが多いですが、その代わり信頼性も専門性も高いです。仕事に活かすなら、ぜひチャレンジしてみてください。

仕事に活かす予定はないけれど、何か愛犬に役立つ勉強がしたい方は、通信講座を利用して、自分のペースで受講するのがおすすめです。仕事などのため、学校に通うのが難しい方も、通信講座であれば資格取得を目指すのも可能です。

仕事にするのか、趣味として学ぶのかによって、ふさわしい資格が異なりますので、ご自身のニーズに合った資格を見つけてチャレンジしてみてくださいね。

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