聴導犬 音のない世界に、音を運んでくれるわんちゃん達

聴導犬 音のない世界に、音を運んでくれるわんちゃん達

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「プルル、プルル。」電話だよ。「オギャー、オギャー。」赤ちゃんが泣いてるよ。飼い主の耳となり、生活の音を知らせてくれる聴導犬。オレンジ色のケープが目印です。

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テレビや映画で、盲導犬について知る機会は増えました。しかし、聴導犬について知る機会はまだまだ少ないように思います。私たちの暮らしを助ける、補助犬。その中でも聴導犬は、一体どのような働きをしているのでしょうか。

聴導犬とは?

聴導犬とは、耳の不自由な方の命と安全な生活を守るために、耳の代わりになって必要な情報を知らせる補助犬です。「聴導犬」と書かれたオレンジ色のケープを着用しています。

オレンジ色のケープを着用した聴導犬

家の中の音を知らせるだけでなく、外出先でもさまざまな働きをしてくれます。聴覚の障がいは見た目だけではわかりにくいので、外出先では聴導犬が目印となってくれます。音を知らせ、目印となってくれるのです!

聴導犬の歴史

盲導犬に遅れること150年。聴導犬は、1966年、アメリカのデトロイトで始まりました。
耳の不自由な娘を守るために両親が飼った犬は、自然と生活の音を娘に教えるようになりました。
このスキッピーこそ、世界初の聴導犬です!

日本で聴導犬の育成が開始されたのは、1981年のこと。これは、アメリカに続き世界で2番目でした。

現在、日本でお仕事をする盲導犬が984頭いるのに対し、聴導犬の数は61頭にとどまっています。
その理由は、訓練に時間がかかることと、訓練士の数が少ないこと。
当初は販売という形をとっていたため、聴導犬は高いと思っている方がまだまだいるということなどが挙げられます。
今は貸し出しになっているので、費用はかかりません。

聴導犬を待つ多くの方のもとに、一日でも早く、一頭でも多くの聴導犬が向かえますよう祈るばかりですが、実際には課題も多く残されています。

聴導犬に向く犬とは?

盲導犬は、ラブラドールレトリバーなどの大型犬が大半を占めています。しかし聴導犬は、小型犬を多く採用しています。家の大きさから、小型犬を希望される方が多いからだそうです。

聴導犬は、基本的には犬種は問いません。性格を重視します。
攻撃性がなく、音に対して興奮せずにいられることが必要です。

聴導犬の候補になるのは、

  • 動物愛護センターで保護された犬
  • 適性のある犬同士のカップルから産まれた犬
  • 耳の不自由な方が飼っているペットの犬

です。

10ヶ月~2年の訓練訓練の後、認定試験を合格した犬だけが、晴れて聴導犬となるのです。
10歳前後で引退すると、そのままユーザーさんが飼い続けるか、日本補助犬協会に返却するかを選びます。
聴導犬の寿命は、一般家庭で飼われるペットの小型犬と同じく、15~17歳がほとんどです。

聴導犬のお仕事

聴導犬のお仕事の内容を詳しく見ていきましょう。

家の中で

聴導犬が教えてくれる生活の音。家の中の場合は、このような音を知らせてくれます。

  • 玄関のチャイムの音
  • 電話の音
  • 目覚ましのアラーム
  • 赤ちゃんの泣き声
  • 料理のタイマーの音(洗濯機の終わる音、お風呂が沸いた音、電子レンジの音)
  • 煙探知機の音

これらの音源まで導くか、ユーザーさんの体にタッチすることで知らせます。
煙探知機が作動した際は、ユーザーさんが気づくまで伏せの姿勢で待ちます。

外出先で

  • 車のクラクションや車が近づく音
  • 自転車のベル
  • 鍵を落としたとき
  • 郵便局や病院で順番がきたとき
  • 煙探知機の音

郵便局や病院では、受付の人にあらかじめ呼び鈴を渡しておいて、順番がきたらその呼び鈴を鳴らしてもらいます。聴導犬はその音をユーザーさんに知らせます。

聴導犬をとりまく環境

2002年に「補助犬法」が施行され、公共施設や交通機関、飲食店などで補助犬の同伴を拒否することは禁止されました。2007年には都道府県に相談窓口が設置され、現在は医療機関向けのマニュアルも作成されています。

ほじょ犬マーク

この「ほじょ犬マーク」は、厚生労働省認定のマークで、補助犬である介助犬、盲導犬、聴導犬の施設への同伴を積極的に受け入れていることを示すものです。

これは日本聴導犬協会のマークです。

日本聴導犬協会のマーク

日本聴導犬協会は、寄付金によって聴導犬と介助犬の訓練を行っています。その後、それら補助犬の無料貸与とアフターケアを行います。

補助犬の社会参加の機会は確実に増えています。しかし、課題が多いことも事実です。

まず、補助犬法が施行された後でも、決して少なくない数の受け入れ拒否があるということ。
法の説明をしても、「知らない。」という言葉が返ってくるだけだそうです。

ただでさえ少ない聴導犬です。このような対応によって外出を控えるようになってしまったら、世間の認知は余計に低くなってしまうことでしょう。

そして、費用の問題。補助犬を一頭育成するには、300~500万円かかります。
そのほとんどが寄付金頼みという現状です。公的な支援は乏しく、進まない育成に、聴導犬を待つ方は増える一方です。

もしどこかで聴導犬を見かけたら、声をかけたり勝手に触ったりすることはNGです。お仕事の邪魔をしてはいけません。
こういった当たり前のことを理解することから、聴導犬をとりまく環境はより良くなっていくのではないかと思います。

最後に

音のない世界に、音を運んでくれる聴導犬。
一度は人に見放さたかもしれない。それでも、保護され、人を助けるために生きることを選んだ彼らのその小さな姿は、健気で尊いものです。

世界に溢れる素敵な音を、首を長くして待つ多くの人のところへ届けてね。

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