犬は物を分類できるか?という研究ですごい結果を見せたボーダーコリー

犬は物を分類できるか?という研究ですごい結果を見せたボーダーコリー

犬はおもちゃなど物をカテゴリー別に分類できるか?という研究で、驚くべき結果を見せたボーダーコリーがいます。そのすごい内容をご紹介します。

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おもちゃの名前を覚えているだけじゃない犬の能力

ボーダーコリーとブタのおもちゃ

何十ものおもちゃの名前を覚えている犬が話題になることがありますね。今回ご紹介する、ノルウェー在住のボーダーコリーのウィスキーは、おもちゃの名前だけでなくロープ、ボール、フリスビー、リングなど、カテゴリー別に分類できることが報告されました。

ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学の動物行動学者がウィスキーをテストし、その結果を「家庭犬がカテゴリー別に分類する能力の深さと限界」というテーマで発表しました。

ウィスキーはこの研究のためのテスト以前に、すでに59のおもちゃの名前を覚えていました。飼い主の男性はプロのドッグトレーナーではないのですが、ウィスキーと遊ぶことに長い時間を費やし、その過程でたくさんのことを教えてきました。

飼い主は全てのおもちゃに「小さいフリスビー」「黄色いボール」というふうに形容詞と名詞の組合せで名前をつけていました。部屋におもちゃをたくさん並べておき、別の部屋でウィスキーに対して「赤いボールを持ってきて」と指示を出すと、ウィスキーは並べたおもちゃの中から正しいものを選んで持ってきます。

正しいおもちゃを持ってきたときにはそれで飼い主が一緒に遊びます。こんなふうに遊びながら、自然に59のおもちゃの名前を覚えたようです。素晴らしいですね。

おもちゃのカテゴリーの分類を理解している?

様々な種類の犬のおもちゃ

飼い主が決まったパターンでおもちゃに名前をつけていたことから、研究者はウィスキーが「ボール」「フリスビー」など、おもちゃのカテゴリーという概念を理解しているのかどうかをテストすることができました。

人間以外の動物が物をカテゴリー別に分類したり、カテゴリーという概念を理解したりする能力についての過去の研究では動物を訓練する必要がありました。ウィスキーの場合、カテゴリーという概念の理解を自然に習得したのかどうかが観察の焦点となりました。

ウィスキーの理解度を調べるため、研究者は新しい4つのおもちゃを用意しました。おもちゃはそれぞれ、ボール、ロープ、フリスビー、リングという別々のカテゴリーのものです。

テストは2種類実施されました。まずテスト1では、ウィスキーは並べられたおもちゃを自由にチェックすることができましたが、遊ぶことは許可されませんでした。その後「ボール」「リング」などとカテゴリーの名前で指示を出されたとき、正しいおもちゃを持ってきた正答率は39%でした。

もしウィスキーがランダムにおもちゃを選んだだけで正答が偶然の結果ならば、正答率は25%になることが予想されるので、ウィスキーはおもちゃのカテゴリーを理解していることが示されています。

テスト2ではおもちゃをチェックする他に、飼い主と一緒におもちゃで遊ぶ時間が与えられました。その後のテストでの正答率は55%と、はるかに優れたものになりました。おもちゃで遊んだ後に正答率が高くなったことは、ウィスキーがおもちゃのカテゴリーを外観だけでなく機能に基づいて理解していることも示しています。

2つのテストのどちらの場合も「リング」という指示を出されたときの正答率が目立って低いものでした。これはリング型のおもちゃはフリスビーのように投げたり、ロープのように綱引きをしたりと複数の機能を持つため、カテゴリーが曖昧にあるためではないかと予想されます。

この研究の結果が示すもの

ボールを咥えて飼い主に渡すボーダーコリー

以上のような結果から、研究者は「特定のトレーニングを受けていない犬の物を分類する能力の証拠を報告する」としています。

ここでちょっと疑問を感じる方もいるかもしれません。「それってこのウィスキーという犬がすごいのであって、犬全般に当てはめるのは無理があるんじゃないの?」と、私もそう思いました。

研究者はその点にも言及しています。研究の対象がたった1匹であるため、この結果が犬全般に拡張するべきではない、これほど多くの語彙を持つ犬は大変少ないため大きなサンプルに広げて考えることも不可能であると述べています。

しかし、このウィスキーの出した結果は特定のトレーニングを行わなくても自発的にものを分類するという能力が人間に特有の特徴ではないことを示しています。

研究者は今回の研究結果が、ウィスキーほどの知識をあらかじめ持っていない動物の、カテゴリーという概念や分類するという能力をテストする方法を考案するきっかけになればと希望しているそうです。

こちらは指示されたおもちゃを持ってくるウィスキーの動画です。

まとめ

前足をあげるボーダーコリー

59ものおもちゃの名前を覚えているだけでなく、おもちゃの機能によるカテゴリーを理解しているボーダーコリーの能力が報告された研究結果をご紹介しました。

犬と暮らす飼い主として注目したい点は、ウィスキーがおもちゃの名前を覚えることを訓練としてではなく楽しい遊びとして身につけたということです。

ウィスキーの飼い主さんほどにはじっくりと時間をかけられなくても、犬が正しい選択をしたときに楽しい遊びでそれを強化していくという方法が素晴らしい結果を作るということを知っておきたいですね。

《参考URL》
https://www.nature.com/articles/s41598-020-59965-6

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