セラピードッグ 犬のお医者さんが人を治す!

セラピードッグ 犬のお医者さんが人を治す!

心に傷を負った方や、高齢者や精神病の患者さんに寄り添って、癒してあげたり元気を与えてくれるセラピードッグという存在について、その役割や実証について紹介させていただきます。

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ドッグセラピーとは

人に寄り添うワンコ

映画やドラマのワンシーンでも良く目にしたり、そして私自身も実際に体験をしましたが、酷く哀しんだり落ち込んだりしている人に対して、ワンコがそっと寄り添ってくれたり、また心配そうに顔を舐めてきてくれて、心が癒された事ってありませんか?

このように、ワンコが人に癒しを与えながら元気付けてくれる事を生業とするのが、ドッグセラピーと言う存在なんです。

ドッグセラピーの具体的な内容や実際の効果は?

ドッグセラピーは、患者さんが馬や鳥などの動物と触れあうという治療方法を総合的に行っているアニマルセラピーの中の一種なんです。

セラピードッグの主な役割は、高齢者の方や認知症、自閉症を患った方などといった様々な障害を持つ患者さんと触れあうことで、心と身体の両方に置いてのリハビリを目的としたプログラムを行う事です。

実際に特別養護老人ホームに入所されているアルツハイマー病の高齢者の患者さんに、特別に訓練されたセラピードッグを用いて毎週1回、毎回30分間とプログラムを試みた所、なんと驚く事に覚醒度、焦燥感、睡眠障害などの改善が見られたのだそうです!

そしてこれは障害者の方だけではなく、普通の人達でもワンコと戯れたり抱き締めてあげたりすることにより、精神的な疲れを癒して情緒的安定や身体的な運動機能回復効果が得られることが立証されているそうです。

私達が日々の疲れを愛犬と戯れる事で癒されるのは、こういう理由があったのですね♪

人だけではなく、同じ犬も癒します

向かい合う犬。遊んで癒すイメージ

更にドッグセラピーは、私達人間だけではなくて、虐待をされたり、飼い主の都合で捨てられたり等をされてしまい、強いストレスを受けて心身ともに大きな傷がついてしまったワンコに対しても行う場合もあります。

こうすることで、傷付いた犬が再び人間と共に生活を送れるように導いてあげるのだそうですよ。

セラピードッグとは

日本アニマルセラピー協会の画像

では次に、人やワンコに癒しを与えてくれるセラピードッグ自身についてお話しをしていきます。

どんなワンコが適正なの?

セラピードッグはNPO法人日本アニマルセラピー協会を始めとする各認定協会等によって認められたセラピー犬の事を言います。

そしてセラピードッグになれる条件は、いくつかありまして、

  • セラピーの対象者に、精神的及び肉体的害を与えないこと。
  • 服従訓練がマスターできており、攻撃性がなく人に対して従順であること。
  • どのような状況下においても、ワンコ自身の情緒が安定しており、いかなる状況に置いても冷静な行動をとることができること。
  • 人だけではなくて、ほかのワンコに対しても友好的であること。
  • 健康状態が保たれており、清潔であること。

といった厳しい項目があるんです。

そしてセラピードッグになる為の認定テストでは以下のような項目がチェックされます。

  • Heel つけ
    → リードあり及びなしの状態で。
  • Sit すわれ
    → 位置、指示の回数や反応速度
  • Down ふせ
    →上に同じ。
  • StayStand 立ってまて
    →1分間のStand、3分間のStay
  • Come 来い
    →脇にそれずに直線上で。
  • 誘惑の入るHeel
    →3頭のワンコや食べ物に対する反応 。
  • Waitでの誘惑
    →同じ位置で、同じ姿勢で10分間待つ 事ができるか。
  • SkinshipTest
    →騒音や車椅子などの介護器具、攻撃的な叫び声や足をつかまれたり、皮膚をひねられたり、身体を抱え込まれて自由を束縛されたり後ろからのぶつかられたり、更には大人数から撫でられたりハンドラーが姿を消す等といった試練にも耐えられるか。

このように、人間でも大変キツいテストを乗り越えなくてはセラピードッグにはなれないのだそうです。

どんなワンコが活躍してるの?

東日本大震災

先ほどにも述べたように、様々な厳しいテストや条件を乗り越える為のトレーニングを受けた一般のワンコはもちろんのこと、国際セラピードッグ協会では捨てられたワンコや東日本大震災により被災してしまい、行き場を失ったワンコ達を救助して心身共に健康を回復した後にトレーニングを始め、セラピードッグになれるように育成しているんです。

以前私はテレビで処分寸前だったワンコが引き取られ、やがて災害救助犬として活躍するまでに成長した話を見ましたが、こうやって人に捨てられ(被災犬は別として)たワンコが違う人に助けられ、そして人を癒す仕事をするなんて感慨深くなりますね。

因みにセラピードッグになる際には犬種はもちろんのこと、年齢も生後8ヶ月を過ぎていれば制限は問いません。

中には体に傷害があっても、それを克服して活躍しているワンコ達もいるんですよ!

セラピードッグになる為に学ぶ事は?

では実際に自分の愛犬をセラピードッグに育て上げたいと思った時、どうやったら良いのでしょうか?
ここでは、日本アニマルセラピー協会の基準に沿って進めていきますね。

まずは、基本的なしつけをしっかりと身に付けさせることから始めます。

基本ができないまま、いきなり訓練だけを行っても難しいからです。

覚える躾の内容は、活動場所が介護施設や病院のベットの上にまで及ぶので、

  • 最低限声を出さない
  • 触れられても嫌がらない
  • トイレのしつけ

といった基本的しつけを徹底して学ばせていきます。

そして躾ができたら服従のトレーニングに入ります。

ちゃんと人の言うことを聞かないワンコはセラピードッグとしての仕事が出来ないからです。

そして、そこまでの過程をクリアしてから改めてセラピードッグとしての専門的な訓練を行います。

因みにセラピードッグの認定試験については以下のようになります。

試験実施時間:約30分
主な費用(税抜):
  • 受験料5,000円(追試は1回8,000円)
  • 登録料25,000円(合計30,000円)
  • 認定犬用ドッグタグ(大型犬用4,500円、中小型犬用3,500円)
  • 認定証(認定書はNPO法人日本アニマルセラピー協会よりセラピードッグ認定書を発行されます)

日本アニマルセラピー協会は定期的に講習会等も開催していますので、詳しくは協会へ問い合せをしてみてはいかがでしょうか?

住所:神奈川県大和市中央4-6-27伴ビル1-A
電話:046-263-1782
メールアドレス:info@animal-t.or.jp

まとめ

私がドッグセラピーという言葉を知る前に、とあるインターネットの記事にこんなエピソードが掲載されてました。

筆者の近所に住まわれているお婆さんが、数年前に連れ合いを無くしてしまってからというもの、元気を無くしてしまって家に引きこもりがちになり、その内に買い物等の外出はおろか、掃除といった家事も怠りがちになり、見かねた筆者さん達が色々と助けてあげていました。

でもそんなある日、突然お婆さん宅の庭に1匹のヨレヨレの仔犬が迷い混んでいたのを発見して、成り行きで仔犬はそのままお婆さんの家の子になったのです。

すると驚く事に、そのお婆さんは仔犬と暮らすようになってから別人のように元気になり、仔犬のご飯の世話や毛繕い、一キロ先の距離まで楽しそうに散歩をするようになっていき、今では犬を通して出会った新たなシニアサークルで活動するようになったのだとか。

今思えばこのエピソードのワンコも立派なセラピードッグという仕事をこなしていたんだなと改めて思いました。

このようにドッグセラピーは、心を傷めて苦しんだり哀しんだり、あるいは無気力になってしまった人に寄り添い、元気を付けてくれたり癒しを与えてくれる、最高の犬のお医者さんなんです!

正にこれからの人間社会にはセラピードッグという存在が一番必要な存在なのかもしれませんね!

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    20代 女性 なっちゃん

    セラピードッグとは一度一緒にお仕事をしたことがあります。
    OFFの時は本当に人に懐っこくて、甘えん坊です。ただ仕事場にいけばしっかりセラピー犬として人を癒したり、指示もしっかり聞いてくれます。お利口さんです…本当に。

    私自身、引きこもりがちの時に突然家に帰ったら犬がいて…その子のおかげで引きこもりもなくなり今となっては動物看護師…本当に助けられました。感謝。犬の力、わんちゃんから得ることができる効果は絶大です!
  • 投稿者

    30代 女性 バッハママ

    セラピードックという言葉は聞いたことがありましたが、詳しいことは記事を読むまで知りませんでした。
    厳しいテストがあることも初めて知りました。合格した犬たちは、きっとどこかで心を病んでいる人たちのもとで活躍していることでしょう。

    でも、身近にいる犬たちもそっと飼い主に寄り添うことで癒しを与えてくれていると思います。
  • 投稿者

    30代 女性 AI

    我が家の愛犬も、記事にあるような本格的な<セラピードッグ>ではないのですが、地域のボランティアとしてお年寄りとのふれあい活動をしていました。今では高齢で体力的に犬を飼えないお年寄りも、少しの時間でもボランティア犬と触れ合う事によって、生き生きとした表情になっていきました。ただ、寄り添って撫ぜてもらうだけでしたが、それが大きな働きになっていたのだと思います。
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