犬の人気ランキング
ここ数年、どんな番組を観ても、どんな雑誌を見ても、どんなサイトでも「犬の人気ランキング」に大きな違いはないように思います。
それぞれの団体、会社によって、集計方法が違うので、どこまで信憑性があるものかはわかりませんが、どのランキングも多少の順位の変動はありますが、大体同じ犬種が名を連ねています。
ではなぜ「人気ランキング」は必要なのでしょうか。
恐らくは売り手側は人気犬種を知ることで、その犬種を多く繁殖し販売するためで、買い手側はどんな犬種が人気なのかを知り、自分が飼う時の参考にするためと言ったところでしょうか。
最近の「犬の人気ランキング」では以下のようになっています。
1位 トイプードル
2位 チワワ
3位MIX犬(体重10kg未満)
4位ミニチュアダックスフンド
5位柴犬
6位ポメラニアン
7位ヨークシャーテリア
8位ミニチュアシュナウザー
9位 シーズー
10位マルチーズ
これを見てもわかるように、日本ではやはり大型犬より小型犬の方が人気のようです。
それは恐らく住宅事情と犬に対する認識の低さから来るのではないかと思っています。
あくまで「今は」小型犬が主流なだけで、流行り廃りに敏感な日本では、また何かの拍子(テレビで見た、芸能人が飼っているなど……erc)に大型犬ブームの再来があるかもしれません。
過去にある漫画がきっかけでシベリアンハスキーがブームになりました。
しかし、実際に飼ってみると予想外の飼い難さに、一気に手放す飼い主が増え、保健所は一時期シベリアン・ハスキーだらけだったと言う話を一体どれくらいの人が知っているのでしょうか。
では次に「小型犬の人気ランキング」を見てみましょう。
小型犬の人気ランキング
1位トイプードル
2位チワワ
3位パグ
4位マルチーズ
5位ミニチュアダックスフント
6位パピヨン
7位シーズー
8位ヨークシャーテリア
9位フレンチブルドック
10位キャバリア・キングチャールズスパニエル
「小型犬の人気ランキング」になると中型犬に分類される柴犬が姿を消します。
多少順位は変動しますが、10犬種中6犬種は「犬の人気ランキング」と変わらない顔ぶれが揃っています。
これから見てもわかるように、今の日本での犬の人気はほぼ小型犬が占めています。
日本では住宅事情にくわえ、核家族が増えています。
犬は家族の一員として、大きな役割を担うようになりました。
一人暮らしの女性やお年寄りが扱いやすいと言った意味でも、小型犬の人気が主流となっているのかもしれません。
では「飼いやすい小型犬ランキング」はどうなっているのでしょうか。
飼いやすい小型犬ランキング
1位シーズー
2位トイプードル
3位ヨークシャーテリア
4位ミニチュアダックスフント
5位チワワ
6位マルチーズ
7位パピヨン
8位キャバリア・キングチャールズスパニエル
9位フレンチブルドック
10位パグ
「小型犬の人気ランキング」と順位が違うだけで、全く同じ顔ぶれが揃っています。
「人気」=「飼いやすさ」なのがよくわかる結果です。
飼いやすさのポイントとして「大きさが室内向き」、「性格が温厚」、「賢い」、「抜け毛が少ない」、「寒暖差に強い」、「流通が多い」、「先天性の病気がない」などが上げられると思います。
次に「大型犬の人気ランキング」を見てみましょう。
大型犬の人気ランキング
1位ゴールデン・レトリバー
2位ラブラドール・レトリバー
3位バーニーズ・マウンテンドッグ
4位シベリアン・ハスキー
5位ドーベルマン
6位ダルメシアン
7位ボルゾイ
8位ロットワイラー
9位ジャーマン・シェパード
10位グレート・デーン
1位のゴールデン・レトリバー、2位のラブラドール・レトリバーは時折見掛けますが、動物病院などでも大型犬は殆ど見かけません。
やはり小型犬に比べると、何でも2倍、3倍、お金も手間も掛かるイメージがあるのかもしれません。
食事代、病院代、トリミング代、散歩の時間など。
大型犬はしつけが大変だと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、犬種にも寄りますが、小型犬より大人しい種類の大型犬はたくさんいます。
ただ寿命に関して言えば、大型犬より小型犬の方が2〜3年長いと言われています。
飼いやすい大型犬ランキング
1位ゴールデン・レトリーバー
2位ラブラドール・レトリーバー
3位ボクサー
4位ジャーマン・シェパード
5位ドーベルマン
6位ボルゾイ
7位ボーダー・コリー
8位イタリアン・グレーハウンド
9位ブルドック
10位スタンダード・プードル
大型犬の方は「人気ランキング」と「飼いやすいランキング」で多少顔ぶれが違って来ますが、「知能が高い」、「人間と触れ合えることに喜びを感じる」、「自分のしたことが、飼い主に喜ばれるのか怒られるのかを判断できる」犬種がランクインしているようです。
小型犬同様、「飼いやすさ」=「人気」の傾向にあるように思われます。
では「アメリの犬人気ランキング」を見てみましょう。
アメリカの犬人気ランキング
1位ラブラドール・レトリバー
2位ジャーマン・シェパード
3位ゴールデン・レトリバー
4位ビーグル
5位ブルドック
6位ヨークシャテリア
7位ボクサー
8位プードル
9位ロットワイラー
10位ダックスフント
アメリカでは大型犬が根強い人気のようです。
家も庭も広い住宅事情が関係してるのかもしれません。
それと裁判の国アメリカでは賑やかしい小型犬より、穏やかで頭の良い大型犬の方が好まれると言う傾向にもあります。
犬に対する認識の違いもあるでしょう。
はっきり言って、日本では犬だけではなくペットに対する認識が低いと言っても過言ではありません。
アメリカに限らず海外では「コンパニオン・アニマル(伴侶動物)」として犬は愛されてきましたが、日本では未だにアクセサリー感覚の飼い主が多いので、その犬種の特徴も知らずに、ただ「かわいいから」と言って浅はかな考えで家族の一員として迎えるのです。
犬に求めていることも国によって違うのでしょう。
番犬としての愛犬、パートナーとしての愛犬、アクセサリーとしての愛犬。
日本は愛玩犬と言うくらいなので、アクセサリーとしての愛犬に癒しを求める人が多いのでしょう。
まとめ
犬を飼う前に、どうして犬が欲しいのか今一度考えてみましょう。
飼うなら最後まで看取る覚悟でお願いします。
その覚悟がないのなら、犬を飼うことは速やかに諦めて下さい。
お金、手間、時間、その何もかもを承知の上でそれでも飼いたいのなら、今度は飼いたい犬種について勉強しましょう。
どのような特徴があり、どれくらいの大きさになり、どんな病気に気をつけ、どれだけの散歩が必要なのか。
一度飼ったら「こんなはずじゃなかった」は通用しません。
そうならないためにも「人気ランキング」などを参考に、「飼いたい犬」が「飼える犬」と一致するか見極めましょう。
必ずしも一致しない場合は、ご自分の住環境に合わせた愛犬選びをなさって下さい。
里親サイトを活用するのも手だと思います。
「引っ越し先がペット禁止なので」、「子供が生まれたので」、ろくにしつけもしていないのに「手に負えない」と言う身勝手な理由で、飼い主に見捨てられた犬が保健所だけではなく、里親サイトにもたくさんいます。
犬は無条件に人間に癒しを与えてくれますが、人間側は本当にその気持ちに応えられているのでしょうか。
犬を「飼う」のではなく、犬の「命を預かる」と言う強い意識を持って下さい。
犬が幸せになれるかどうかはあなた次第です。
人間は「人気犬種ランキング」を見ながら犬を選ぶことが出来ますが、犬は飼い主を選ぶことは出来ないのです。
小型犬も大型犬もそれぞれ良いところがあり、悪いところもあります。
ですから、一人ひとりが犬と共存する意識をしっかり持つことが必要です。
これから新しい犬を迎える方々へ、愛犬家の一人として心よりお願いします。