愛犬との同伴避難の実情としておくべき準備

愛犬との同伴避難の実情としておくべき準備

今年の秋は強力な台風がいくつも発生し、日本列島で災害が多発した年でした。日本は台風に限らず災害が多く、一度災害が起こると避難を余儀なくされる可能性が高い国です。その際もちろんペットも避難が必要なのですが、現在日本ではペットの避難はどのように設定されているのでしょうか。

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同行避難と同伴避難の違い

黄色いレインコートを着た犬

過去の災害や避難所運営の反省などから、各都道府県や市町村などの自治体では、ペットを連れて避難できるような場所も設置されるようになりました。しかし現在のところ、その多くは同行避難ができる避難所です。

同行避難

車の窓から雨の降る外を見る犬

近年ではペットを飼育する人が増え、そのため環境省では「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を示しており、災害が起こったときにはペットと一緒に避難することが望ましいとされています。

しかし、ここでいう「一緒に避難」とは「同行避難」ということです。つまり、避難所までは一緒に避難し、ペットたちはその避難所における「ペットスペース」にケージなどを持ち込んでそこに置いておくというものです。

避難所の多くは小中学校の体育館や、公民館などの施設ですが、ペットスぺ―スはその敷地の中の屋外(あるいは屋外に設置されたテントなど)であることが多く、ペットたちには慣れない環境と避難のストレスが強くかかるものと思われます。

同伴避難

同伴避難とは、同行したペットと人が同じスペースに避難できることを指します。現在の日本では、ほとんどの避難施設でこの同伴避難は認められていません。

避難所という非日常の生活を行うスペースでは、人同士でも大きなストレスがかかります。そこには動物好きな人たちだけではなく、動物アレルギーがある人、単に動物が嫌いな人、好きでも嫌いでもないけれど毛やにおい、吠え声などが気になる人など、様々な人が集まっています。

ただでさえストレスがかかっているところに、ふだん接する機会がない動物が近くにいたりすることで体の具合が悪くなってしまう人もいるかもしれません。そのため、なるべく多くの人の命を守るために、人と動物のスペースを分けている場合がほとんどなのです。

避難の前に行う準備

非常持ち出し袋

地域の避難情報を確認しておく

同行避難であれ同伴避難であれ、まずは自分が住んでいる地域の避難所が動物と一緒に避難できるところかどうかを確認しましょう。その際には、ペットと一緒に避難できるところがあるかどうか、あった場合そこが同行避難が可能なのか同伴避難が可能なのか、ペットの避難場所は屋外のスペースになるのかどうか、フードやトイレ用品などはあるかどうか、ひと家族で何頭の動物を連れて行っていいかなどを確認します。

また、小型犬はいいけれど大型犬はダメ、という可能性もあるので大型犬を飼っている人はそこも確認ポイントです。万が一自治体の避難所が動物の受入れをしていなかった場合、県の動物愛護センターなどに問合せをしてみてもいいでしょう。

動物用避難袋を用意する

犬用の缶詰

避難所が開設され、同行避難などが可能な施設には動物愛護センターなどから備蓄されたペットグッズが配られます。しかし、これも数が限られていますし、自分の避難所にいつ物資が来るかわからない状態になることがほとんどですので、最低限は各自で備蓄しておくことが重要でしょう。

避難袋にはペットの大きさや体重にもよりますが、水(4~7ℓ)、1週間分のフード、ペットシーツ1パック、ペットシーツ用ごみ袋、食器、ワクチン証明書などを準備します。そのほか、避難所で犬を寝かせておくために使い慣れたケージ(クレート・バリケン)、タオル等は必要です。万が一迷子になったときのことを考え、狂犬病の鑑札、迷子札、マイクロチップの埋め込みなどの準備もあるといいですね。

また、実際に避難すると動物が苦手な人というのが実はたくさんいるのだということがよくわかります。ふだんは何ともないのに、においや抜け毛などに過剰に反応する人も多く、飼い主さんは十分な配慮をする必要があります。

そのため、ニオイ対策のためのウエットティッシュや専用のうんち処理袋(においが出ない)などの準備をしたり、抜け毛対策に長袖のペット用衣服を準備したりしておくとよいでしょう。

まとめ

車の荷台におかれたゲージに入る犬

ペットを飼っている人にとって、災害が起こった際の避難とはもっとも気掛かりなことの一つです。ペットを連れていけないから逃げない、という選択をして命を危険にさらす人が1人でも減るように、日頃から情報を収集して早めに行動することが大切ですね。

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