犬はびわを食べても大丈夫?効果効能や与える際の注意点

【獣医師監修】犬はびわを食べても大丈夫?効果効能や与える際の注意点

びわは江戸自体の頃から栽培が始まり、親しまれてきた卵型の丸いフォルムがかわいい果物です。甘くおいしいため、犬にとってもおいしく感じるのでは?とあげてみようかなと考えたことのある飼い主さんもいるのではないでしょうか?けれども、犬と人では体の仕組みに違いがあるため、食べて良いもの・ダメなものにも違いがありますよね。今回は犬にびわを与えても大丈夫なのかどうかをお話します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬にびわを食べさせても大丈夫!

嬉しそうにこちらを見上げる二匹の犬

びわはバラ科の植物で、りんごやいちご、桃などと親戚関係にあると言ってもいい果物です。濃い黄橙色が鮮やかで、優しい甘味が広がることから、今でも安定した人気があります。旬の時期は5~6月ごろで、市場に多く出回るようになります。

そんなびわという果物は、昔から様々な薬効で知られ、「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」という別名を持つほどです。古くは聖武天皇の后であった光明皇后が、自分が創設した治療院でびわの葉療法を採用していたという記録もあります。

そういった治療という部分をのぞいて、日常の食べ物としてびわの果肉を楽しむ分には犬も食べていい果物です。犬の味覚では甘味をおいしく感じるため、びわの優しい甘さを喜ぶ子も多いでしょう。びわの果肉に含まれる栄養素も、犬の体に良い影響を与えるものもあります。

しかし、びわは先ほどお話した通り治療にも使われてきた果物で、果肉以外の種や葉などを利用した製品には注意しなければいけない点もあります。

これから、びわを食べることによって愛犬にどんな効果があるのかを順にお話します。

犬にびわを与えることで期待できる効果効能

かごの上に乗ったびわ

β-カロテンで皮膚や粘膜を健康に

びわはβ-カロテンやβ-クリプトキサンチンが豊富な果物として知られています。

犬の体がこれらの成分を摂取すると、体内で酵素が働き必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは網膜にある細胞に含まれるロドプシンという物質の原料になり、物を見るときに必要な物質になります。他にも皮膚細胞の成長を助けたり、皮脂の分泌量を調節する役割も担っています。

ビタミンAは皮膚が健康にターンオーバーする(入れ替わる)ためには大切な栄養素で、ミネラルの中の亜鉛や、アミノ酸などと協力して役割を発揮してくれます。

また、β-カロテンを始めとするカロテノイドは、抗酸化作用を持つ成分としても知られ、人の分野では発癌予防研究が進められています。

クロロゲン酸で体の酸化を防止

クロロゲン酸はポリフェノールの1種です。ポリフェノールは、細胞膜やDNAを保護する役割を持ち、発癌予防物質としても期待される成分です。

そして、日々酸化(老化)してしまう体にかかるストレスを減らしてくれる効果もあります。シニア期にさしかかる犬や、病気を抱えている犬では酸化ストレスも大きくかかることが多いので、抗酸化成分は取っておいて損はありません。

たっぷり含まれる水分で脱水予防

びわは約90%が水分でできています。びわが出回る5~6月の時期にはだんだん気温も上がり始め、水分摂取量が増えてくる時期でもあります。

しかし、老犬などで脱水が心配な子がいるお家で、

  • 元々水をあまり飲みに行かない
  • 寝たきりや足腰の弱りで自分から動けない/動きづらい

といったなかなか飲水量を確保できない場合には、びわのおいしさを水分摂取のきっかけ作りに利用してみてもいいかもしれません。

びわそのものをあげるのでも水分摂取量を少しでも増やすことになります。また、少しつぶして水と混ぜてあげてみたり、果肉を切ったものを少なめに水を張ったお皿に入れてみて、飲水のきっかけにしてみましょう。

びわの医療的効果は?

びわの葉エキスやびわ茶を始めとして、果肉以外の葉の部分を使った療法が有名ですね。飲む以外にもびわの葉温灸といった、皮膚表面からアプローチする医療法も昔から行われてきました。

びわの葉を体に取り入れることでアミグダリンによる癌に対する効果がうたわれていますが、現在はまだ科学的根拠はなく、治療として動物病院で行われることはほぼありません。犬の癌に対する効果も判明していないため、気になる方は実体験ブログなどを探してみてもいいかもしれませんね。

犬にびわを与える際の注意点

飼い主の手から食べ物をもらう犬

びわの種や葉は避ける

先ほどびわの種や葉にはアミグダリンという成分が含まれ、薬効成分として使われてきたことをお話ししました。これは未成熟なびわにも含まれている成分です。

このアミグダリンで注意しなければいけないことは、動物の体内に入った時に、酵素の働きによってシアン化水素という青酸に変わり、中毒症状を引き起こすリスクを持っているということです。

これは植物が持つ自然毒として考えられ、健康に悪影響を与える危険があるとして、現在農林水産省から注意喚起が出ています。

また、種を丸飲みしてしまったときには、体格が小さい犬であるほど消化管に詰まるリスクもあります。

せっかくおいしいびわを食べるのに、体に被害が出ては飼い主さんもわんちゃんも悲しい結果になってしまいますよね。そのため、愛犬に与えるときには熟した食べ頃の果肉部分だけあげるようにしましょう。

体格に合わせてあげる量を調節

メインで食べているごはんが元々あるところに果物をあげる場合、おやつをあげることとほぼ同じ意味を持ちます。カロリーを追加で摂取することになるので、体格が小さい犬種やすでに肥満気味の犬種にとって、飼い主さんが思う以上のエネルギー供給になってしまうのです。

また、甘くておいしい果物は糖分も多くなりがちで、食べ過ぎるとこれもまた肥満の元です。

びわは1個(可食部35gとして)あたり14kcalです。
果物の中ではカロリーは控えめですが、たくさん食べることで水分量が増えすぎたり、食べなれないことから消化不良の下痢をすることもあるので、少しずつあげてみてください。

ちなみに、おやつ(果物も含む)の総量は、愛犬の普段とっているカロリーの10%程度に収まるように計算してみましょう。

アレルギーの交差性に要注意

花粉などの環境アレルゲンに過敏に反応するタイプの犬の場合、原因となるアレルゲンの構造が似ていることからアレルギー症状が出ることがあります。

人では口腔アレルギー症候群として知られていて、花粉を吸いこんだわけではないのに、果物を食べてのどがイガイガしたり、口周りの腫れやかゆみを引き起こします。

特にバラ科の果物で出ることが多く、びわもりんごやいちご、さくらんぼなどと同じバラ科の植物です。シラカバやハンノキなどのカバノキ科のアレルギーを持っている場合は、犬でも注意してあげたほうが良いでしょう。

びわは傷みやすい果物

びわはちょっとした衝撃が表面に加わると傷みやすいため、取り扱う時には爪を立てたり落とさないように注意しましょう。

傷んだ食べ物を体が頑張って消化しようとすると、愛犬の胃腸に負担をかけてしまいます。そのため、新鮮なものを選んで早く食べきることが大切です。

びわが新鮮かどうかを見るときには、

  • ヘタがしっかりしている
  • 表面にハリがあって卵型(型崩れしていない)
  • 見た目の全体が黄橙色(色ムラがない)
  • 表面に産毛がついていればなお良し(新鮮な証拠)

といった点をチェックしてみましょう。

そして保存するとしても。暖かい地域で育つびわにとって、低温になる長時間の冷蔵保存はびわへのダメージを促してしまう元になります。涼しく暗い場所で保管し、2日以内に食べきりましょう。冷やして食べたければ、食べる2時間ほど前に冷蔵庫に入れるとひんやりとした食感で食べられますよ。

愛犬と初夏の果物びわを楽しもう

外でごはんの器をくわえて座る犬

種や葉に気をつけて果肉を楽しむなら、びわは犬も人もおいしく楽しめる果物です。ドッグフードや栄養バランスが整った手作り食など、メインとなるべきごはんはありつつも、時には季節を感じる果物を愛犬と食べるのも毎日の暮らしの中でちょっとした楽しみになるでしょう。

愛犬の健康管理に気をつけながら、「おいしいね!」と楽しめる食事をすることは心の健康にもつながります。もしもお家で愛犬にびわをあげたいなと思ったら、与え方に注意して少しずつ楽しんでみてくださいね。

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