犬のしこり
「しこり」とは皮膚や筋肉などの一部が盛り上がった状態の事で、腫れたり、硬くなっている状態の事です。
皮膚の内側に膿や血液が溜まる為に起こる症状で、しこりには老化によるものや良性と悪性の腫瘍などの種類があります。
犬のしこりが特徴的な病気には皮膚腫瘍、肛門周囲腺腫、クリプトコッカスなどがあります。
皮膚腫瘍
犬の腫瘍の中で最も高い発生率があるのがこの「皮膚腫瘍」です。良性のものから悪性で転移しやすいものまで多種多様存在します。
まず、皮膚は外界と直接接する表皮と真皮、脂肪組織からなり、皮膚には毛包や脂腺、汗腺といった器官が存在します。
皮膚腫瘍の中には、表皮を形成する上皮細胞系の腫瘍として「乳頭腫」、「扁平上皮癌」、「基底細胞腫」、「各種の腺癌」などがあります。
その他には真皮や脂肪組織等の非上皮系の腫瘍として「線維腫」、「肥満細胞腫」、「繊維肉腫」、「脂肪腫」などがあります。
皮膚腫瘍の発生頻度は年齢と共に増加する傾向があり、8~10歳齢に好発傾向にあるといわれます。
皮膚腫瘍ができやすい犬種として、ボクサー、スコティッシュ・テリア、ボストン・テリア、ブルドッグ、バセットハウンド、ビーグルなどで発生が多く、ペキニーズ、ポメラニアン、チワワでは少ないといわれています。
また、犬の皮膚腫瘍はウイルス感染や日光の紫外線に起因して発生する事が知られています。
肛門周囲腺腫
肛門周囲腺腫は犬特有の腫瘍で肛門周囲や尾の付け根、包皮の外側の皮下に散在する肛門周囲腺の腫瘍で、硬いしたしこりとして認められます。
良性の肛門周囲腺腫は雄に多く認められ、その発生率はメスに比べて10倍ほど多いといわれています。なおメスの場合、発見された場合は悪性の肛門周囲腺腫になっている事がほとんどです。
この腫瘍は男性ホルモンが関与している為に去勢手術をした犬での発症はほとんど認められていません。
また、良性であっても、ある程度成長すると腫瘍の表面に潰瘍が形成されて出血や化膿、排便障害を起こし、経過と共に悪性に変化する事があり、摘出手術後の再発率も高い腫瘍なので、注意が必要です。
悪性の場合は周囲のリンパ節や臓器、脊椎などに転移して重篤な症状を現す事もあります。
クリプトコッカス症
クリプトコッカス症はクリプトコッカスという真菌に感染して起こる病気です。なお、健康な状態では殆ど発症する事はなく、免疫力が低下している時や、別の病気にかかっている時などに発症しやすい傾向があります。
クリプトコッカスは空気中や土壌中などに存在する菌ですが、特にハトなどのウンチの中に存在する事が多い為、広い場所に飛散されやすい真菌です。これに感染するとくしゃみや鼻水などの症状が現れ、鼻に潰瘍ができる事もあります。
一見、風邪と変わらない症状のようですが、重症化すると肺炎を起こし、呼吸困難になる事もあるので注意が必要な病気です。
その他の症状としては、失明、痙攣、麻痺、運動障害などがあります。
鼻にしこりができた場合はクリプトコッカスが疑われますが、しこりができない場合もあり、症状も犬風邪のような症状なので見落とさないようにしましょう。
まとめ
腫瘍は良性であっても、悪性であっても素人で判断する事は危険なので、動物病院で病気を確定してしっかりと治療を行いましょう。
しこりを確認した場合は、すぐに動物病院で病気なのか、病気であればどういった病気なのか、治療はどういったものがあるのかをしっかりと理解して愛犬に無駄な負担をかけないようにします。
しこりは小さいうちは問題ないと思って見落としやすいですが、愛犬の健康を守る事ができるのは飼い主や家族だけなので、毎日のコミュニケーションの中で愛犬に異常がないかどうかを観察していきましょう。
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ユーザーのコメント
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ですが10歳を越えてきてようやく犬の健康診断の大切さにも、気が付きました。健康診断にもお金はかかりますが年に一度は人間同様にしても良いと思います。やはり病気は早く知れれば知れるほど治すのも楽ですし、結果的に金銭面でも安く済みます。しこりもその時に見付けてもらえますし、我が家の愛犬も健康診断をしていく中で色んなアドバイスを獣医師の方からもらえて助かっています。