トイプードルブリーダーの選び方

良いトイプードルブリーダーの選び方について

ブリーダーってなんだろう？

犬や猫の生産者はブリーダーと呼ばれます。この場合の「生産」とは、繁殖のことを意味します。

犬や猫を繁殖させて子犬や子猫を増やし、それをオークションやペットショップ・通信販売などの小売、または直接消費者に売る業者のことです。

ブリーダーは動物愛護管理法上、「販売」の登録が義務付けられてはいますが、動物取扱業の登録をすれば、誰でも始めることができます。
（平成17年6月に「動物の愛護および管理に関する法律」が改正され、それまでは届出制だった動物取扱業が平成18年6月1日登録制になりました。この登録をしていない業者は違法となります。）

そして一口にブリーダーといっても、家庭的な販売者から、会社組織で大規模に事業として行っている販売者まで、様々な業者があるのです。

ブリーダーを選ぶ前に

本当に犬が好きで、犬のためを思っているブリーダーは、飼育設備やエサ代、ワクチン代にお金をかけることを惜しみませんし、その犬たちと過ごすために、たくさんの時間と愛情を注いでいます。
本当に良いブリーダーというのは、利益があまり期待できず、なかなか本業でのみ成り立つとはいえない状況のようです。
ですから、そのブリーダーが別に職をもっていたとしても、片手間でやっている訳ではなく、むしろそれだけ本気でその仕事をしていると言えます。

また、犬種標準（スタンダード）に沿って少数犬種だけに専念しているブリーダーが良いブリーダーである場合が多いようです。例えば、トイプードルのみを扱っている、といった具合に。
犬種標準とは、犬種ごとに定められた標準的な容姿についての決まりのことです。犬種標準は体の各部に至るまで細かく規定されています。
特にドックショーにでも出す予定のない、普通のペットとしてトイプードルを探している人にとっては、あまり関係のないように思えることでしょう。

確かに、犬種標準に対する意見には様々なものがありますが、犬種標準には、歯のかみ合わせや、筋肉のつき方など繁殖する際に重要な部分もあります。
これらの理想に近づけようと努力している点は、良し悪しを見分けるのが難しいブリーダー選びにおいて、重要な判断材料の一つになります。

それでは、良いブリーダーを選ぶ際の具体的なポイントをみてみましょう。

少数犬種だけに専念して長く繁殖しているか

悪徳なブリーダーは、流行りによって繁殖する犬種を変える傾向にあります。その犬種について、深い知識があるとは思えません。
トイプードルを探す場合には、トイプードルを専門にしているブリーダーを強くおすすめします。

施設を見学することが可能で、実際に子犬を抱かせてもらえるか

もし、こちらからではなくあちらから、ぜひ見学に来てほしい！といわれたら、良いブリーダーである可能性が高いです。
なぜなら、良い繁殖者は、その犬を我が子のように思っているはずだからです。その子の飼い主がどんな人たちか知りたいと思うのが当然なのです。

このような対応は、トイプードルの子犬の幸せな未来を願っているととらえることもできるので、優良と判断できる材料になるでしょう。

その他にも以下のような判断基準があげられます。
もしトイプードルブリーダーと連絡をとる予定があるのであれば、ここを参考にしながらチェックをし、適切な判断をされるのをおすすめします。

良いトイプードルブリーダーと判断する点

• 施設は清潔か
• 飼われているトイプードルが健康であるか。
• 感染症や遺伝病について詳しい知識を持っているか、そのうえで適切な繁殖しているか。
• 母犬の出産の間隔と出産回数に配慮しているか（「いつでも子犬がいます」と言わない）。
• 動物取扱業の登録と標識の掲示がされているか。
• トイプードルを売る相手を選んでいるかどうか。お金を払う人なら誰にでもという態度でないか。
• 引渡し時期が適当か（生まれて間もない場合の譲渡は非常に危険です！）
• 子犬に遺伝性の病気が見つかった場合には、適切な対応をしてくれるか。
• トイプードルの良い点だけでなく、悪い点もきちんと説明してくれるか。
• ブリーダーの家族と遊んだりして、ふれあう時間を持っているか。

良いブリーダーの探し方について

まずは、インターネットで検索することがあげられます。
（※ネットからは、たくさんのブリーダーの情報を得ることが可能ですが、そのブリーダーがネットショップだけで犬を販売しているとしたら要注意です！）

それから、犬の雑誌や、トイプードルの専門雑誌で探すのも良いでしょう。

飼い主仲間や、よく行くペットショップや動物病院で得られる、口コミ情報というのも大切です。
消費者の生の声はどこの参考書よりも役に立つことが多いので、トイプードルブリーダーの口コミなどは大いに参考にしましょう。

トイプードルをブリーダーから迎える利点

ペットショップなどとは違って、ブリーダーから直接購入する利点としてあげられるのが、健康で性格の良いトイプードルに出会うことができる、という点でしょう。その犬だけでなく、親についての情報も詳しく教えてもらえるので、成長したときの様子が想像しやすくなります。

また、良いブリーダーというのは、その犬が飼い主さんに出会う日まで、自分の家族同様に育てていますから、その犬は社会性も身に付き、ある程度のしつけもされて、育てやすい犬となるはずです。

さらに、購入後も、頻繁に連絡をとることが可能で、さまざまな相談にものってくれると思いますから、非常に心強い存在になるともいえるでしょう。

逆に、困った時などがあっても連絡を返してもらえない、対応が雑、犬に愛を感じられない場合は要注意。悪質なブリーダーである可能性が高いです。自分の手から離れたわが子に対する愛を持っていない証拠ともとらえることができますからね。

トイプードルをブリーダーから迎えるときの注意点

ペットとして飼おうと思っているのに、その犬の血筋の良さばかりを宣伝するブリーダーは気を付けるべきです。
血統は良くても、性格に問題があるのを隠しているのかもしれないのです。
また、良いブリーダーによって繁殖した場合は、健康であることが多いのですが、近親交配で生ませた可能性があり、その場合には遺伝病の発生確率が高まる危険性があることも事実です。
そのような病気（特に遺伝病）に関する知識を持ち、しつけもきちんと行って健全な子犬を提供しようという姿勢をもつブリーダーを選ぶ必要があります。

なかには、多くの犬種を、まるで工場で大量生産するかのように繁殖させる人たちがいますが、こういった人たちは「繁殖屋」、「パピーミル（子犬工場）」と呼び、「ブリーダー」とは区別してかまいません。
ただし、「自称ブリーダー」の中に、このような悪徳業者が潜んでいる可能性もありますので、ブリーダーを探す作業は慎重に行う必要があるのです。

では、なぜ「繁殖屋」や「パピーミル」で繁殖されたトイプードルは問題なのでしょう？
こういった場合、一般のブリーダーより安価で取引されるケースが多く、実際はいたって愛くるしいワンちゃんなので、別に気にする必要もないし、安く手に入ったほうが良いと考える人もいるかもしれません。
しかし、大量生産によって生まれた犬は遺伝的な病気について全く調べられず繁殖された可能性が大きいのです。それゆえ、体が弱かったり重大な病気になる危険性があるのです。
なにより、工場生産のような状態では「愛情」も全く受けることなくケージに入れられたまま飼育されることもあり、足が変形してしまったり、人間と暮らしていくための社会性を持つことができないトイプードルである可能性もあるのです。

そのような気の毒な犬たちを救ってあげたいと思う人もいるかもしれませんが、こんな悪徳業者が存在するのは実際に購入するお客がたくさんいるからなのです。
私たち購入する側が、正しい知識を身につけて、きちんと愛情を注いで、健康管理もきっちりとしているようなトイプードルブリーダーから購入するようになれば、これ以上悲しい思いをする犬を減らすことにもつながるでしょう。

トイプードルブリーダーの選び方に関するまとめ

たとえ、生い立ちがどのような状況であったとしても、生まれてきた犬に罪はありません。

悪徳ブリーダーによって生み出される、可愛そうな犬を減らすためには、
飼い主側が正しい知識を身に着けて、悪徳なトイプードルブリーダーから購入しないことが必要です。
すべての販売者が犬を物として扱うことなく、新たな飼い主の元で幸せに暮らせるようにと心から思ってもらえることを、私は願っています。

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