コーカシアン・シェパード・ドッグとは
コーカシアンシェパードドッグはロシアのコーカサス地方原産の超大型犬です。古くから、家畜を守る牧羊犬や番犬などの護衛犬として活躍してきた犬種で、物応じせず勇敢に立ち向かう姿から「最強の護衛犬」とも呼ばれています。「コーカシアンシープドッグ」「コーカシアンオフチャルカ」と呼ばれることもあります。
FCI(国際畜犬連盟)に登録されたことをきっかけに世界的にも知られるようになり、アメリカなどへ輸出されるようになりました。大きな体つきと見栄えのよさからショードッグとして活躍の場を広げており、ペットとして家庭で飼育されているのはごくわずかなようです。
コーカシアン・シェパード・ドッグの性格
- 勇敢
- 用心深い(慎重)
- 積極的
- 意志が強い
- 穏やかである
- 独立心が強い
コーカシアンシェパードドッグは、何にでも立ち向かう勇敢さを持った犬種です。用心深さや積極性、物事を判断する意思の強さなど、護衛犬としての本能も兼ね備えています。反面、飼い主さんに対しては穏やかで従順な一面もあります。
忠誠心があるものの独立心も強いという点や、体が大きくてしつけに苦労するということなどから、初心者には飼うのが難しい犬種とされています。
コーカシアン・シェパード・ドッグの特徴
大きさ
体高
- オス・・・72cm~75cm
- メス・・・67cm~70cm
体重
- オス・・・50kg~70kg
- メス・・・45kg~70kg
コーカシアンシェパードドッグは、オスの方がメスよりも大きくなる傾向があります。ボリュームのある被毛に覆われているため、実際の体重や体高よりも大きいと感じるでしょう。大柄でどっしりとした体格なので力も強く、護衛犬にふさわしい犬種です。
被毛
コーカシアンシェパードドッグの被毛は、粗いロングコートとさらっとしたショートコートの2種類があります。どちらの毛質も二重構造になっていて、寒さに非常に強いことが特徴です。被毛は、1週間に1~2回程度のブラッシングが必要です。
毛色はジンジャー(ラスティ)、ホワイト、ストロー、レディッシュ・ブラウン、ブリンドルなどがあり、さまざまなシェード模様が出ることもあります。オスの場合、首周りにたてがみのような被毛が生えていて、その姿はライオンにも似ています。
体の特徴
コーカシアンシェパードドッグは顔や体のすべてにおいて、とにかく大きいです。顔の特徴は、小さなかわいい瞳と垂れ耳、マズルが短く額にはしわが寄っています。昔は狼に耳を噛まれないように外耳を断耳していたようですが、現在ではあまり行われていません。
コーカシアンシェパードドッグの体は骨太にくわえ筋肉質で、横から見ると四角形に近い形をしています。足もしっかりと太く、ふさふさした垂れ尾も印象的です。
コーカシアン・シェパード・ドッグの値段
コーカシアンシェパードドッグの値段は、日本国内ではほぼ流通していない犬種のため相場がありません。2018年の時点でJKC(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)への登録はなく、日本においては稀な犬種であると言えます。
同じシェパード系の子犬は約20~40万円で販売されていることが多いですが、コーカシアンシェパードドッグの場合、輸入販売が基本となるため、海外のブリーダーへの仲介料や輸入費などを含めると、価格はそれ以上になる可能性が高いでしょう。
日本にも、ロシアのブリーダーからコーカシアンシェパードドッグを輸入販売している会社があります。コーカシアンシェパードドッグを迎え入れようと考えている場合、このような会社とコンタクトを取って購入することになります。
コーカシアン・シェパード・ドッグの飼い方
食事
コーカシアンシェパードドッグは体格からもわかるように、食事の量はとても多くなることを覚えておきましょう。個々の犬の運動量にもよりますが、1日で約400g~600gを食べます。
食べる量が多いと、食費がかさんでしまうことが気になってしまうかもしれません。しかしコーカシアンシェパードドッグは、その大きな体を支えるために骨や関節を強くし、しっかりとした筋肉をつける必要があります。粗悪なドッグフードは避け、栄養バランスが整ったドッグフードを取り入れましょう。
運動
コーカシアンシェパードドッグは、あまり激しい運動を必要としません。1日30分から1時間程度の散歩をしてあげましょう。
散歩の際は頑丈なハーネスとリードを必ず装着するようにします。突然犬が他の人に飛びついたときには、飼い主さんでも制御できません。相手に大ケガを負わせてしまいトラブルに発展する場合もあります。早朝や夜間など、なるべく人のいない時間帯に散歩をすることをおすすめします。
コーカシアンシェパードドッグが他の人や犬に危害を加えてしまう可能性があることを心得て飼育しましょう。
しつけ
コーカシアンシェパードドッグのしつけは、子犬のうちから十分に行いましょう。しつけをする上では、信頼関係をしっかりと築くことも重要です。防衛本能や警戒心、攻撃性が高い性格に加え、体重70kgにもなる超大型犬であるため、万が一、人や他の犬にケガをさせてしまうようなことが起きてしまったら大変です。
コーカシアンシェパードドッグの性格や特徴をよく知って、毅然とした態度でしつけを行いましょう。初めて犬を飼う方や、小さな子どもがいる家庭にはおすすめできません。コーカシアンシェパードドッグは、経験豊富な上級者におすすめの犬種と言えるでしょう。
環境
コーカシアンシェパードドッグは、ロシア原産の非常に寒さに強い犬種であるため、基本的には外飼いをおすすめします。コーカシアンシェパードドッグは体が大きいので、狭い環境で育てているとストレスを溜めてしまいがちです。十分に走り回れる広い庭を確保し、合わせて頑丈な柵も設置します。近隣トラブルを回避するためにも、迎え入れる前にしっかりと準備をしましょう。
病気
コーカシアンシェパードドッグを飼育する際には、肥満、股関節形成不全症、心疾患などの大型犬がかかりやすい病気に注意しましょう。特に避妊手術や去勢手術をした犬は太りやすくなるため、ダイエット用のドッグフードを取り入れ、運動とあわせながら体調管理を行います。
コーカシアンシェパードドッグは暑さに弱い犬種なので、熱中症にも気をつけてください。夏場はトリミング、風通しのいい日陰を作る、新鮮な水を用意するなどの対策をしましょう。
コーカシアン・シェパード・ドッグにおすすめの首輪やハーネス
beanspet ベルトタイプ本革首輪
コーカシアンシェパードドッグにおすすめのおしゃれな首輪です。定番のベルトタイプですが、イタリア産の牛革とマイクロスエードを合わせた二層構造になっており、デザイン性と耐久性に優れた商品です。カラーは、オレンジ、グリーン、ブラウンの3色展開で、落ち着いた色合いが穏やかな大型犬に馴染むでしょう。金具は防サビ加工されていて、迷子札を装着できるようになっています。
Rabbitgoo 大型犬用ハーネス
Rabbitgooの大型犬用のハーネスは、引っ張り癖などをトレーニング中のコーカシアンシェパードドッグにおすすめの商品です。明るいオレンジ色に反射材の縁取りテープがついていて、日中だけでなく、暗い時間帯でも安全に散歩ができるでしょう。
内側はメッシュ素材が使われていて、通気性がよく、1日中付けっぱなしでも快適に過ごすことができます。胴回りに付いた2つのバックルを止めるだけなので装着が簡単です。
コーカシアン・シェパード・ドッグの寿命
コーカシアンシェパードドッグの寿命は大型犬にしては比較的長命で、10年~12年生きる個体も珍しくありません。
コーカシアンシェパードドッグの年齢や成長レベルに合ったドッグフードを取り入れて、毎日の運動でしっかりと健康管理をすることにより、多くの時間を一緒に過ごせるようになるでしょう。
コーカシアンシェパードドッグがシニア期に入る8歳くらいからは、定期的に健康診断を受診するなど犬の体調管理に気を配る必要があります。食欲や運動量、うんちの状態など、普段の様子をよく観察し、何か変化がある場合は早めに動物病院で診察してもらいましょう。
まとめ
コーカシアンシェパードドッグは、2018年時点でJKC(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)への登録がなく、日本での飼育においてはとても稀な犬種です。情報も他の犬種に比べて少なく、日本で飼うことは難しい犬種かもしれません。
コーカシアンシェパードドッグは体も大きく、食べる量も多いため、飼い主さんの体力的、経済的な負担は比較的大きいと考えられます。しかし、しっかりしつけができていれば、コーカシアンシェパードドッグは飼い主さんには従順で、強い忠誠心を見せてくれるでしょう。しっかりとした信頼関係を築き、大切に育ててください。