1.塩分過剰
人間の食べ物は、しょっぱい味付けをされているものが多いですよね。人間にとって塩味を感じるものをわんこに与えると、塩分のとり過ぎになってしまいます。これは、人間とわんこでは塩分の必要量がそもそも違うから。
私たち人間は体温調節をするために汗を掻き、汗と一緒に塩分を排出していますから、真夏の暑い時期などに水分だけ摂って塩分を摂らないと、かえって身体に害を及ぼしてしまうことがあります。
ところが、わんこは基本的に肉球の裏など、わずかな部位からわずかな汗しか掻きません。そのため、体外に塩分を多く排出しないので、あまり多くの塩分は必要でないのです。塩分を摂りすぎると、心臓や腎臓などの臓器に大きな負担をかけることになってしまいます。
2.中毒
最も怖いのは、中毒です。人間が何の問題もなく、おいしく食べているものでも、わんこの身体にとっては毒になる食材があります。代表的なものとして知られているのは、タマネギやチョコレート、ブドウ、ネギ類などです。その知識がなく、何でもわんこにおすそ分けしてしまっていると、愛犬の健康を害するのみでなく、最悪の場合は死に至らしめてしまう可能性すらあります。
例えば、小型犬が板チョコ1枚を食べてしまい、中毒死してしまった事故も報告されています。また、その食材そのものに害はなくても、例えば、玉ねぎと一緒に煮込んだものには、玉ねぎの有害な成分が染み込んでしまっていることが考えられます。食材に注意するだけでなく、その調理方法にも注意しなければなりません。
3.肥満
人間の食事は、加工が行われていたり、油が多く使われていたりして、わんこにとっては高カロリー。継続して与えていると、必然的にカロリーオーバーになってしまいがちです。また、わんこが1日に必要な栄養素とカロリーは、総合栄養食と呼ばれるフードを規定通りに与えていれば、基本的には十分です。
食べ物そのもののカロリーが高すぎなかったとしても、愛犬におすそ分けを与えること自体が、主食以外のおやつをたくさん与えていることになり、カロリーオーバーになって肥満のもとになってしまいます。肥満がさまざまな病気を招くのは、人間もわんこも同じです。
4.わがままになる
愛犬のおねだりに応えてしまう生活を続けていると、愛犬は「おねだりすればもらえるんだ!」と認識してしまいます。その結果、飼い主さんたちが何か食べているとすぐにおねだりするようになり、貰えないと要求吠えをしたり、問題行動が増えていってしまう可能性があります。愛犬をわがまま犬にしてしまうかどうかは、飼い主さんの行動1つにかかっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?愛犬の要求に応えておすそ分けをしてあげれば、その場では愛犬も喜び、飼い主さんも嬉しい気持ちになるかもしれません。ですが、愛犬とのその後の暮らしを長い目で見たとき、それは決してハッピーな結末をもたらすとは言えないのです。とはいえ、「美味しい!」という気持ちを、かわいい愛犬と共にしたい気持ちは悪いことではありません。おすそ分けをする際には、その食材や調理法がわんこにとって有害でないことをしっかり確認したうえで、適切な量を与えることが大切です。
ユーザーのコメント
50代以上 男性 ソルティドッグ
NRC(全米研究評議会)2006のペットフードについてのガイドラインによると、
食事中のナトリウム量について、安全性が確認された上限量は、1.5g / 400kcal まで
のようです。
(この値は、ロイヤルカナンのサイト「犬と猫の栄養成分辞典」でも紹介されています)
そこで、この立場から、ナトリウム量→塩分量の換算をすると 1.5g → 3.8g (=1.5g×2.54)
例えば、体重5~6kgの犬に毎日400kcalの食事を与えているケースを考えると、
塩分の上限量は、1日3.8gほどになるようです。
ちなみに、日本の成人の1日の食事に含まれる平均的な塩分とカロリーの量は、
10g / 2000kcal くらいのようです。(国民健康・栄養調査)
ということは、毎日400kcalの食事を与えている体重5~6kgの犬のケースで、
その食事全部をまるまる平均的な人間の食事と同じメニューにしてみたら、
その塩分量は・・・・・ 10g / 2000kcal → 2g / 400kcal
この計算でいくと、塩分量は2gとなり、上限量の3.8gは越えませんでしたが、
もし、人間の食事の中でも塩分の多いところを中心に犬に与えてしまうと、この計算通りにはならないでしょう。
日本人が塩分の摂取量を増やしている主な食品として、
カップ麺、インスタントラーメン、梅干し、漬物、キムチ、辛子明太子、たらこ、塩魚、塩昆布などがあるようです。
こうした食品を犬に与えることには、特に気を付けたいと思っています。