フレンチブルドッグの飼い方を学ぼう!
これからフレンチブルドッグを飼いたいと考えている場合、事前に性格や気質を把握しておくと、接し方やしつけのヒントになります。また、飼い方を学んでおくことで迎え入れた後に戸惑うことが少なくなるかもしれません。
以下でフレンチブルドッグの飼い方のポイントをチェックして、飼育環境や必要なグッズ、犬を迎える心構えの準備をしていきましょう。
フレンチブルドッグの主な性格や特徴
歴史
フレンチブルドッグの起源には諸説ありますが、イギリスからフランスに持ち込まれた「イングリッシュブルドッグ」に「パグ」や「テリア」などを交配して誕生したという説が有力です。フランスではベースとなった犬がイングリッシュブルドッグではなく、欧州南部に存在していたマスチフ系の闘犬であるという説が支持されているようです。
はじめは庶民の間でネズミ捕り用に飼育されていましたが、上流階級の女性の間で人気となったことから愛玩犬として飼われるようになりました。その後アメリカでも繁殖されるようになり、現在フレンチブルドッグには、アメリカタイプとヨーロッパタイプの2種類が存在しています。歴史を知ることができると、飼い方を考えるポイントにもなりますね。
性格
- 穏やか
- 甘えん坊
- 愛情深い
- 陽気
- 自由奔放
- 賢い
- 頑固
- 警戒心が強い
- 寂しがりや
見た目や名前から怖そうなイメージを抱く方もいるかもしれませんが、フレンチブルドッグは基本的に穏やかな性格をしています。戦闘犬や使役犬として活躍していた犬と優しい気質の犬を交配させたことで賢く頑固な一面を残しつつ、愛情深い朗らかな犬種になりました。陽気なところもあるので、行動やしぐさで飼い主を楽しませてくれることもあるでしょう。
あまり吠えることがなく家族や他の犬に対しては、優しく甘えん坊と言われていますが、知らない人には警戒心を抱くこともあります。特にオスはメスに比べて縄張り意識が強く、自分が上に立とうとするので、性別や性格に応じた飼い方をすることが大切です。
大きさ/体の特徴
体高 約26~31センチメートル
体重 約8~14キログラム
分類 中型犬
フレンチブルドッグの大きさは小型犬ほどですが、体重が重めなことから中型犬に分類されています。アメリカタイプとヨーロッパタイプによる差はあまりありませんが、アメリカタイプは胴が詰まったコンパクトな体型に大きな顔、ヨーロッパタイプはシャープで筋肉質な体とアメリカタイプよりも小さめな顔が印象的です。
総じて大きくコウモリのような耳に低い鼻、しわくちゃの顔に短いしっぽが特徴で、胴体や手足は短く、筋肉質でがっしりしています。特徴を把握し、その犬に合わせた飼い方や環境づくりをしましょう。
被毛
フレンチブルドッグの被毛は光沢のあるなめらかな短毛で、色は大きく分けて「フォーン」「ブリンドル」「クリーム」「パイド」の4種類です。
「フォーン」は茶色がベースとなった単色で、明るいライトブラウンからレッドまで色調や濃淡はさまざまです。「ブリンドル」は黒ベースの色に、褐色や白などの他の色の毛が均等に混ざった毛色を指します。「クリーム」はクリーム色の単色で、「パイド」は白地にフォーンやブリンドルのぶちが入った毛色です。
「クリーム」と「パイド」は人気の毛色で、入手が困難と言われています。白が極端に多いパイドは遺伝病が出やすいとされているので、飼い方には注意が必要です。
手入れの頻度
短毛のフレンチブルドッグは基本的にカットの必要がないため、飼い方が簡単で手入れがしやすい犬種です。普段から抜け毛が多い犬種なので、特に換毛期はこまめにブラッシングをしてあげましょう。皮膚炎になりやすいため、月に1回など定期的にシャンプーを行うことも大切です。
顔や口周りのしわは汚れが溜まりやすく、においや炎症のもとにもなるので、食事や散歩の後は綿棒などで丁寧に拭き取ってあげるとよいでしょう。
運動量
フレンチブルドッグは運動量を調整することも飼い方のポイントの1つです。鼻の低いフレンチブルドッグは激しい運動を行うと呼吸困難を引き起こす可能性があるため、散歩は気分転換と運動不足解消を目的として20~30分程度に留めます。暑さにも弱いので、気温の高い季節は散歩ではなく室内遊びを中心とした軽い運動を行って熱中症を予防するとよいでしょう。
フレンチブルドッグを飼う前に必要な準備
ケージやサークル
成長が早くジャンプ力もあるフレンチブルドッグを飼うためのケージやサークルは、大きめで、屋根つきか背の高いものを選びましょう。噛む力も強いため、素材はスチール製のものがおすすめです。
犬を購入する場所で、飼い方と一緒にケージ内に入れるトイレや給水トレー、寝床などの必要なグッズについて聞いてみるのもよいでしょう。
ハーネスや首輪
フレンチブルドッグは鼻が低く呼吸がしにくい犬種なので、散歩のときは首を圧迫しやすい首輪よりもハーネスの方が負担が少ないと言われています。首輪の方がしつけをしやすい場合もあるので、飼い方の状況や犬の様子によって使い分けましょう。
ドッグフード
飼い方では食事の内容も大切です。食欲旺盛で肥満になりやすい体質のフレンチブルドッグには、高たんぱくで低炭水化物のドッグフードを選ぶとよいでしょう。アレルギー性皮膚炎を起こしやすい犬種と言われているため、アレルギーの原因とされる穀物が使用されているものではなく、グレインフリー(穀物不使用)のものがおすすめです。
服
フレンチブルドッグは寒さに弱いので、寒い時期は服を着せて体温調節をしてあげます。夏でも服を着せることで紫外線や虫刺され、抜け毛の予防になるというメリットがあるので、季節や時間帯、飼い方によって素材を変えるとよいでしょう。ただし長時間着せておくと蒸れて皮膚にダメージを負ってしまうので注意してください。
フレンチブルドッグの子犬を室内で飼うコツ
体温調節がしにくいフレンチブルドッグは室内飼いが適しています。部屋の温度は20~26度、湿度は60パーセントを目安にし、猛暑日や寒さが厳しい日に留守番をさせるときは、エアコンをつけたままにすることが好ましいとされています。冬はケージ内に毛布やマットを敷いてください。
子犬にとって一番安心できる環境になるよう、ケージやサークルは人の出入り口や騒々しい場所を避けて設置し、普段はその内で過ごさせます。
奇心旺盛で特に子犬の頃は色々なものを口に入れてしまうため、床の上にはできるだけ物を置かないようにするか、犬が届かない位置に置くように気をつけます。フローリングの床は転びやすく股関節に疾患を起こすこともあるので、カーペットやマットなどを敷くなどして飼い方を工夫しましょう。
フレンチブルドッグに教えるべきしつけ
トイレ
トイレは犬の飼い方の中で重要なしつけです。室内犬として飼われることの多いフレンチブルドッグは、赤ちゃんの頃からトイレトレーニングを始める必要があります。まずはケージ内にペットシーツを敷き詰め、寝る前や食事後のタイミングでケージに誘導し、シーツの上で排泄をすることを覚えさせましょう。
シーツは排泄をするたびに取り替え、シーツの上で排泄ができたらしっかりと褒めてあげます。最初の内は失敗することもありますが、怒らずに根気強く続けてください。ケージ内のシーツを徐々に減らしていき、最終的に特定の場所でできるようにしつけます。
散歩
フレンチブルドッグは小さいながらもとても力がある犬種なので、散歩中に引っ張ったり人に飛びついたりすることがないような飼い方としつけをします。「リーダーウォーク」と呼ばれる、犬がリードを引っ張らず、飼い主の足元に寄り添って歩く状態を目指しましょう。
噛み癖
フレンチブルドッグの飼い方で悩むのは噛み癖です。成犬になるにつれ噛む力も強くなるので、噛まれて大怪我をしないように赤ちゃんの頃からしっかりしつけをしましょう。
噛む理由には遊びの延長、おやつやおもちゃを守るため(縄張り意識)、恐怖心などが考えられます。遊びの延長線で噛まれたら「痛い」と大声を出して遊びを中断し、噛むと遊んでもらえないと認識させてください。縄張り意識や恐怖心から噛んでくる場合は原因となるものを取り除いたり徐々に慣らしたりすることで不安や恐怖心を抑えていきます。
子犬の場合は歯が生え変わる際の痒みで噛むこともあるので、その時は噛んで遊ぶおもちゃやおやつを与えましょう。
留守番
フレンチブルドッグは寂しがり屋で、留守番中に不安を感じると無駄吠えや粗相、家具を引っかくなどの問題行動を起こすことがあります。よって、留守番のときには状況にあった飼い方をすることが大切です。
留守番をさせる際は部屋での放し飼いはせず、ケージやサークルなどの比較的安心できる場所に入れておくようにしてください。他には、留守番の時間を少しずつ伸ばして慣れさせるなどの方法があります。
老犬や持病がある犬の場合は留守番中にいきなり体調が悪くなることもあるので、長時間留守番をさせるのはできるだけ避けましょう。
フレンチブルドッグの飼い方が学べる本
フレンチブルドッグの飼い方、しつけ方
しつけや運動、食事まで、フレンチブルドッグの飼い方の基本が詰まった本です。基本事項だけでなくおでかけ場所別のマナー、首輪やおしゃれウエアの紹介もされているので、フレンチブルドッグとの生活がより楽しみになります。写真やイラストがついていて読みやすいところもおすすめです。
薬いらずのフレンチブルドッグ暮らし
この本ではブルドックを病気にさせないための飼い方が紹介されてされています。ハーブやアロマテラピー、薬膳食事法など、普段の生活で取り入れられる知恵や工夫が具体的に示されているので、取り掛かりやすいものから実践してみるとよいかもしれません。
もっと楽しい フレンチブルドッグライフ
フレンチブルドッグの飼い方を初心者向けにわかりやすく紹介している本です。子犬を迎えるための心構えや必要なトレーニングに始まり、成犬との暮らしや食事のポイント、かかりやすい病気や予防までが丁寧に記載されています。フレンチブルドッグの購入前から購入後まで長く使用できる一冊です。
まとめ
愛情深く温厚な性格のフレンチブルドッグは、飼い方がそれほど難しくありません。ただし室内の環境やしつけ、病気などには注意すべきこともあるので、事前にフレンチブルドッグの特徴や育て方を理解し、安心して迎えられるように準備しておきましょう。陽気でかわいいフレンチブルドッグの姿は、きっと飼い主の心を癒してくれますよ。