チワワの鳴き声の意味
小型犬の中でも小さく可愛らしいチワワですが、チワワを飼っている飼い主さんから「悲鳴のように高い鳴き声をよく出して困っている」や「うるさいから近所の人の目が気になる」などの声をよく聞きます。
チワワに限らず多くの犬は、鳴き声にも様々な種類があり、その鳴き声から犬が今どのような気持ちであるかなど、意味を知ることができます。
チワワの場合も小さい体で一生懸命自分の気持ちを飼い主さんに伝えようとしているでしょう。そこで、まずはチワワの鳴き声の種類をいくつか取上げ、それぞれの意味を解説していきます。チワワを飼っている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
1.クーン
チワワの鳴き声がクーンと切なそうに鳴く時は、不安や恐怖を感じていることを意味しています。この場合は非常に弱々しく、うるさいということはありません。チワワが悲しい表情で小さく「クーン」と鳴き声を上げているのであれば、まずは何が不安要素となっているのか原因を突き止めましょう。
何か見たことのない物が目の前にあり恐怖を感じていることや、体に違和感を感じて不安になり、前述したような鳴き声を出していることがあります。しばらく続くようであれば、一度獣医さんに診てもらいましょう。
そして「クーン」という同じ鳴き声であっても、非常に高い声であれば、飼い主に対して服従していることを意味します。自分のリーダーであることを認めている証です。
少し低めに感じる場合には、興奮していることを意味します。遊んでいる時や何か要求をしており興奮してしまっている時にも低めの「クーン」という鳴き声が出ることがあります。
2.キュンキュン
チワワがキュンキュンという可愛らしい声で鳴く時は、甘えたいという気持ちや構って欲しいなど、飼い主に対して甘えていることを意味しています。特に子犬の時期はたくさん甘えたいと思うことが多い時期ですので、キュンキュンという鳴き声を聞くことが多いでしょう。
具体的には頭を撫でて欲しい、一緒に遊んで欲しい、傍にいて欲しいなどの要求が「キュンキュン」という甘えたような声となって現れています。他にも要求として「おやつが欲しい」などの意味でもこの鳴き声を発することがあるでしょう。
基本的にはこのように甘えてくる場合は遊んであげたり、スキンシップをとってあげてください。しかし、四六時中「キュンキュン」という鳴き声と共に甘えてくるようであれば、分離不安症となってしまう可能性もありますので、適度なスキンシップが大切です。
3.ブヒブヒ
チワワの中にはブヒブヒとブタのような声を出すこともあり、これは「苦しい」という意味が込められています。これは「逆くしゃみ」という症状を起こしていることが原因です。
「逆くしゃみ」とは、鼻や口から一気に空気を吸い込みすぎてしまうことで苦しくなり、むせているような状態を表します。そのため、今まで元気そうに遊んでいたのに急に動きが停止し、「ブヒブヒ」とブタのような鳴き声を出してしまうのです。
チワワはこの逆くしゃみという症状が起こりやすいと言われています。多くの犬に見られる症状ではありますが、基本的にはすぐ元に戻りますので、その後普段通りに元気であれば心配する必要はありません。「気管虚脱」という症状と非常によく似ているため、頻繁に起こるようであれば一度検査してもらうと安心です。
4.キャン
チワワが高い声で「キャン」と悲鳴のような声を上げている時は、何か痛みを感じていることを意味しています。特にチワワは元々の声が高いため、この鳴き声を聞いてしまうと飼い主もびっくりし、「どうしたの!?」となってしまうことでしょう。
「キャン」と一度だけ鳴き声を上げ、その後普通に生活しているようであれば、「飼い主さんに足を踏まれてしまった」「足をぶつけてしまった」などの一時的な痛みです。心配なようであれば、一度獣医さんに相談しても良いでしょう。
しかしその後も「キャン」という鳴き声を出している場合は、足が骨折しているなどの怪我の恐れがあります。特にチワワは体が小さく、足も細いため怪我をしやすい犬種です。ソファーの上から飛び降りただけでも骨折してしまうことがあります。このように何度も「キャン」と鳴く場合は病院に連れて行き診察してもらいましょう。
チワワの鳴き声がうるさい時の理由や原因
チワワの鳴き声の意味を知ることで、今自分の愛犬がどのような気持ちでいるのか、何を訴えているのかがわかるため、少し安心できますよね。しかし、あまりにも鳴き声を頻繁に出すと「うるさい」などの近所迷惑になりかねません。
チワワがうるさいくらい鳴き声を出す場合、それには必ず理由があります。無闇に「うるさい!」と怒るのではなく、その理由を理解し、よりチワワの鳴き声を改善していけるよう努力する必要があります。では、チワワが頻繁に鳴き声を出す場合、どのような理由があるのでしょうか。
しつけ不足
チワワの鳴き声がうるさい原因の1つ目に挙げられる理由が、飼い主によるしつけ不足です。これにはチワワであることに特別理由があります。
チワワは体が小さく、子犬の時期は他の犬種と比べても鳴き声は非常に小さいです。そのため、他の犬種に比べて「鳴き声が小さいから、そこまで厳しくしつけなくても」という飼い主さんの気持ちから、子犬の時期からしっかりしつけられずに育ってしまう子が比較的多いです。
しかし、子犬の時期は比較的小さい鳴き声であっても、成長するに従って威嚇をし始めたりと大きな鳴き声や唸り声を出す機会が多くなってきます。
さらに他の犬種に比べて体が小さいチワワであっても成長はもちろんするため、それに伴い鳴き声もかわいらしさが残りながらも立派な鳴き声に成長します。すると、今までは「可愛い」で済んでいた鳴き声も「うるさい」鳴き声に変わってしまうのです。
興奮している
チワワが低めの声で「クーン」という鳴き声を出している時は、興奮を意味しているとお話ししました。そのため、チワワの鳴き声がうるさいと感じる際の理由として、興奮している状態であるという理由が挙げられます。
例えば、飼い主さんと遊んでいたら興奮してしまったり、おもちゃで一人遊びをしている最中に興奮してしまう場合もあります。興奮状態に入ってしまうと夢中になってしまい、チワワだけでなく全般の犬が飼い主の指示を聞きづらくなってしまいます。
興奮によって鳴き声がうるさい場合は、対策として単純に落ち着かせることで鳴き声を止めることができます。日頃から信頼関係を高め、撫でたり声をかけることで落ち着かせることができるようにしておきましょう。
警戒している
チワワの弱々しく小さい「クーン」という鳴き声は、不安や恐怖を意味しています。この状態がエスカレートしてしまうと、警戒状態に入り、威嚇としてうるさい鳴き声や唸り声をあげるチワワも珍しくありません。
もちろん、不安や恐怖を感じている対象や状況にもよりますが、不安や恐怖を感じている対象が家族以外の人や物であれば、やはり前述のような状態になってしまうことは考えられます。
この場合は先ほど1つ目の理由として挙げたように、人に対して鳴き声や唸り声を出してはいけないということをチワワが子犬の頃から学習させることが大切です。また落ち着かせるために、飼い主が冷静に撫でてあげたり、抱きしめてあげる、声をかけてあげるなどの行動を起こしましょう。
ストレスが溜まっている
チワワが何らかの理由でストレスが溜まっている場合も「クーン」という鳴き声や「キャンキャン」といった甲高い鳴き声を出すことがあります。ストレスとなる原因は様々な原因が挙げられますが、例えば家庭内の環境が変わってしまったり、十分な運動をさせていない、スキンシップが少ないなどの理由が挙げられます。
赤ちゃんや他の子犬など新しい家族が増えた場合、あるいは家族の誰かが引っ越しをし家から出て行ってしまった場合などの家庭内環境が変わるという状況は、チワワにとって非常に大きな不安であり、大きなストレスとなります。
またスキンシップが極端に少ないとチワワは安心感が得られないため、ストレスを溜めてしまうことが多く、運動量が極端に少ないと鳴き声を出し運動不足を解消しようとすることがあります。
何か要求がある
チワワの「キュンキュン」という鳴き声は「甘えたい」や何かして欲しい事がある際に出される鳴き声です。このように何らかの要求を飼い主に伝える場合も鳴き声を出します。
はじめは「キュンキュン」と愛らしい鳴き声で訴えかけてきますが、そのまま放置してしまったり、なんらかのアクションを起こさないと、より強い鳴き声で訴えかけてくることがあります。これがうるさい鳴き声の原因となり得るのです。
要求の内容によっては毎回応えてしまうとわがままになってしまうということもありますが、不安や恐怖を訴えかけるような要求であれば、すぐに対応してあげましょう。そうすることでチワワの鳴き声も止まりますし、チワワとの信頼関係を築くきっかけにもなります。
チワワの鳴き声がうるさい時の対処法
チワワの鳴き声がうるさい時の理由をいくつかご紹介し、簡易的な対策もご紹介しました。ここではより詳しく、チワワの鳴き声がうるさい時の対処法についてご紹介します。チワワが鳴き止まないという時にはぜひ試してみてください。
気を紛らわす
チワワの鳴き声がうるさい時は、まず気を紛らわせることを考えましょう。気を紛らわすことでチワワの注意が他の物へと移り、鳴き声を出さずにそちらに集中することがあります。
例えば、チワワの好きなおもちゃで「一緒に遊ぼう」と誘ってみるという方法です。飼い主が楽しそうにしていると、その姿につられて鳴き声を出している対象や原因ではなく、おもちゃに気を取られることがあります。
そのまま一緒に遊び、夢中になってくれれば鳴き声も止みますし、飼い主とチワワとのスキンシップの時間にもなり一石二鳥です。
他にもおやつで気を紛らわすという方法があります。しかし、「おやつあげるよー」と誘い、その場は収まったとしても、おやつを食べ終えた後に鳴き声が復活してしまったり、あるいは「鳴けばおやつをもらえる」と悪い方向へ学習してしまい、鳴き声を頻繁に出すようになる恐れがあるため推奨はできません。
たくさん運動させる
2つ目の対処法として、たくさん運動させるという方法があります。チワワが鳴き声を出し、なかなか止まらないようであれば、散歩に連れて行ったり、時間に余裕がある場合は車に乗せ、いつもとは違うルートを散歩させます。
運動をすることで気持ちの良い疲れがチワワを包み込みますので、疲れて眠ってしまうことが多いです。特にチワワの場合は多くの運動量を必要としないので、15~30分ほど散歩するだけでも疲れて眠ってしまうことが多いです。
疲れて眠ってしまえば、もちろん鳴き声も止みますので、鳴き声を止めたい時は散歩に連れ出すという方法も1つの対策として有効です。また一緒に散歩することで愛犬との時間も作れるので、スキンシップ時間も兼ねることができますよ!
おやつや構うのは鳴き止んだ後
チワワの鳴き声を止めさせる対処法として、おやつを与えてしまったり、とにかく甘えさせてあげるという方法をとる飼い主さんも多いです。しかし、この方法はあまり推奨できる対策ではありません。
なぜならば、一度、二度このように行ってしまうと、チワワは「鳴くとおやつがもらえる!構ってもらえる!」と勘違いし、間違って学習してしまいます。すると、その後は「おやつちょうだい!」「構って!」という理由で鳴き声をあげるようになってしまうのです。
おやつをあげるのであれば、チワワが鳴き止んだ後に与えるようにしましょう。これを繰り返すことで、「鳴くのをやめると褒めてもらえる」「おやつがもらえる」と学習し、無駄な鳴き声を出さなくなりますよ!
チワワの鳴き声がおかしい時に考えられる事
自分の飼っているチワワであれば、普段から一緒に過ごしているため、ちょっとした違和感を感じ取る飼い主さんは少なくありません。その1つに鳴き声があります。
「いつもの鳴き声とはどこかが違う」「いつもより弱々しい気がする」「いつもこんなに鳴き声を出さないのに、今日はずっと鳴いている」など、小さな違和感ですが感じる事はあるでしょう。
鳴き声は気持ちを伝える一方で、病気や怪我を訴えていることもあります。そのため、少しでも違和感を感じたり、鳴き声から心配になるようであれば、すぐに病院へ連れて行ったり、かかりつけの獣医さんに電話で相談してみましょう。
もしかすると飼い主さんが気付いていないところで怪我をしてしまっていたり、呼吸が苦しくなっているなどの症状が現れており、チワワはそれを訴えているのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。チワワも鳴き声を出すことによって、自分の気持ちを飼い主さんに一生懸命伝えようとしています。しかし、頻繁に高い鳴き声を出され続けると、共生していく上で支障が生じてしまいます。
そのため、チワワが鳴き声を出した場合は、何が原因で鳴いているのかを見極め、それに合った対処法をとることが重要です。間違っても放置し続けたり、感情にまかせて怒鳴ったりすることはやめてください。逆効果となります。
また、いつもと鳴き声が違うなどの異変を感じたら、すぐに病院へ連れて行くなどの対応を取りましょう。もしかするとチワワは飼い主さんに体の異変を訴えているのかもしれません。病気や怪我は早めの治療が重要ですよ!