犬の飼育放棄はなぜ起こる?犬を飼う前にもう一度考えたいモラル

犬の飼育放棄はなぜ起こる?犬を飼う前にもう一度考えたいモラル

最近ではテレビなどメディアでも取り上げられるようになっている犬の殺処分問題。この重大な問題の元にあるものとして飼い主による飼育放棄が考えられます。かわいがっていたはずの愛犬を飼育放棄してしまう理由とは何なのか?また、飼育放棄をなくすためにできることについて考えてみたいと思います。

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犬の飼育放棄が起こる原因とは?

金網越しの犬の顔

飼い主の環境変化

飼い主が飼育放棄をして、愛犬を手放す理由として最も多いのが、「引っ越し」だと言われています。
引っ越しが犬を飼育放棄する“理由”になるのか、愛犬家にとっては理解し難いと思いますが、これが現実です。
人には言いにくい家庭内の事情などがあり、愛犬を保健所に持ち込むときに引っ越しを表向きの理由とする人もいるようですが、実際に「転勤先で犬禁止のマンションにすむことになった」「新居には犬を入れられない」など、驚くべき“理由で”飼育放棄する飼い主が後を絶ちません。

その他にも「子供が生まれたから」「離婚・離別するから」「育てるお金がないから」「子供がアレルギーになったから」「高齢で犬の飼育が困難になった」など、家庭内での様々な事情、生活の変化から犬の飼育放棄が行われています。

飼い主の無知・認識不足

犬の飼育放棄の理由として、「思ったよりも大きくなった」「吠え声がうるさい」「出かけるのに邪魔になる」「散歩が大変」など、犬を飼う前の覚悟や考えが不足していることで起こる問題が挙げられることもあります。
それらの理由の多くは、犬という動物についてしっかりと知識を持ち、あらゆる事態を想定した上で飼育を始めれば、避けることのできることばかりです。
犬を飼うということは楽しいことばかりではなく、大変なことや面倒なこと、嫌になることもあるでしょう。
それでも犬を飼う、ひとつの命を育てるということは簡単に投げ出していいことではないのです。

犬の問題行動

犬の吠え癖や噛み癖、散歩の引っ張りなど、犬の問題行動に困った飼い主が飼育放棄という選択を取ることもあります。
確かに飼い主に対して、吠えたり噛んだりする攻撃行動をする犬と一緒に暮らすのは、苦労が多いことでしょう。
飼い主自身が身の危険を感じた場合は、犬を手放すことを考えても無理のないことだと思います。しかしながら、それら犬の問題行動というのは、多くの場合が飼育当初頃からのしつけやトレーニングで防ぐことのできるものばかりです。
家族だけでは難しいと感じた場合は、ドッグトレーナーなどの専門家に相談するなどの対応も検討しましょう。

犬を飼う前に考えるべきこと

床に伏せているフレブル

犬の飼育放棄をなくすためには、まず犬の飼育を始める前に、飼い主自身がよく考えることが必要です。
犬の平均寿命は小型犬であれば15年近く。
それだけの長い期間、本当に犬を飼い続けることができるのかということをしっかりと考えなければなりません。
「犬の尊厳を守り寿命を全うさせる」という漠然とした意志を持つことはもちろん、これから15~20年の間に飼い主家族に起こりうる生活や環境の変化を想定し、犬の飼育がその足かせになったり、負担になったりしてしまわないかをよく考えましょう。
反対にそうした変化が起きたときに、犬の飼育放棄をせずに対処するための方法、対策などを考えておくことも大切です。

具体的に愛犬との生活を想定して、飼育放棄をしなくて済むような対策を考えるためには、犬に関する知識をある程度身につけておくことも必要です。
犬を飼い始めてから「思っていたのと違った」などということにならないよう、飼おうと思っている犬の気質や特性、病気に関する基本的な知識などは知っておくべきです。

また、犬の楽しい生活を想定することもおすすめですが、犬との生活で大変に感じることや不便に感じることなどを、実際に犬を飼っている人に聞くこともいいでしょう。

犬の飼育放棄をなくすための取り組み

女性に顔を近づける犬

飼う前に読んでほしい!『犬を飼うってステキですーか?』

日本における犬の殺処分数の多さを重く見て、各自治体の行政でも様々な取り組みが行われています。
その一環として東京都福祉保健局から犬の飼育に関する動物愛護読本『犬を飼うってステキですーか?』が発行されています。
『犬を飼うってステキですーか?』は、犬との楽しい生活を夢見ていた子供が実際に犬と暮らすことで思ってもみなかった苦労や面倒を感じて、犬に対して負の感情を持つようになるストーリーです。
「犬を飼う」ということの先に待ち受けるものは何なのか、その本質を問う短くもすばらしい読本ですので、犬の飼育を考えている人はもちろん、犬に接するすべての人にぜひ一度目を通してもらいたいものです。

生体販売を廃止するペットショップ

犬の飼育放棄が多い原因として、犬に関する知識や覚悟がないまま犬を飼い始めてしまう人が多いということが考えられます。
そしてその要因のひとつとして、犬の飼育が簡単に始められてしまうことが考えられ、ペットショップでの生体販売が問題として取り上げられることも少なくありません。

ショッピングモールなどでも多く見られるペットショップでの生体販売は、犬のかわいさを多くの人に伝えることができますが、その反面“一目ぼれ”など気軽な気持ちで犬の飼育を始めてしまう人を増やす要因にもなっています。

また、生体販売はドイツやスウェーデンなど動物愛護先進国では禁止されており、イギリスでもモラルの問題からほとんど行われていません。
それにならって日本でも生体販売をやめるペットショップが少しずつ出てきました。
「生体販売=悪」という単純な問題ではありませんが、生体販売によって知識や覚悟なく犬の飼育を始めてしまう人を増やさないためには、ひとつの取り組みとして有効とも言えるでしょう。

<まとめ>犬の飼育放棄をしてしまう前に

人の手の上に置かれた犬の手

犬を飼い始めるときは、誰しも飼育放棄をするつもりなどないでしょう。
犬の楽しい生活を思い描いていたはずが、いつしか苦労ばかりが多くなったり、予定外の環境変化などがあったりして、飼育放棄という最悪の結果につながってしまうのだと思います。

様々な生活の変化があっても、飼育放棄という結末にたどり着かないためには、飼育前や飼育直後から犬に対する知識を持って理解を深めることが大切です。
そして愛犬とあらゆる形でコミュニケーションを取って、絆を深めていくことも必要。

「自分には犬の飼育放棄なんて無縁!」と思っている人も、これからの生活で起こりうる様々な事態を想定して、そのときの対応を家族で考えてみてはいかがでしょうか。

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