愛犬が牛乳を…勉強不足が故に起こった愛犬の悲劇
我が家の愛犬(ミニチュアダックス♀)のプシュケが1歳を迎えたばかりの頃の出来事です。
当時、まだ犬に関しての知識が基本的な躾の程度しかなかった私達家族は、ついつい油断した隙をつかれて、彼女に色々な物をつまみ食いされてしまっていました。
そして、その中でも一番多かったのが“飲みかけの牛乳”だったんです。
例えば、飲み終わったパックをそのままテーブルに放置していたら、手と鼻を上手く使って床にパックを落としてパッケージを食い破り、中身をペロペロ。
またある時は牛乳の入ったマグカップを手にしたままテレビに見入っていた隙をつかれ、ダックス特有の長い鼻を突っ込んで中身を器用に飲まれたりもしました(笑)
そんなある日、またいつもの様にプシュケは私の牛乳を飲んでしまったんですが、その日私が飲んでいたのは特濃タイプの物でした。
その後、彼女を連れて夕方の人気のいない公園を散歩させていたら、突然プシュケがグルグルとその場を回り、何とその場でブッシャー!と勢いよくウンチを噴射させてしまったんです!
「もしや牛乳にあたった?」とパニックになった私はダッシュで彼女を抱きかかえて帰宅し、すぐに病院に電話しました。すると先生から
「人用の牛乳は基本的に犬に飲ませてはいけません!もし明日になっても下痢を繰り返すようなら、すぐに連れてきなさい」と怒られてしまいました。
そして当時、犬の情報交換や交流の為に開設していたブログにその日の事を書き込んでみた所、案の定皆さんから、「こらこら、牛乳はダメだよー」「あちゃー、あげちゃったかぁ」というお返事が…
ここでようやく自分が今までどれだけ危険な事をしていたのか実感しました。
どうして犬に牛乳は危険なの?
まず牛乳には「乳糖(別名:ラクトース)」という自然界では母乳(人間や犬や牛等の)以外は摂取することのできないという甘み成分が含まれていて、この成分を体内で上手く消化できるのが体内にある“ラクターゼ”だと言われています。
そして生まれたばかりの子犬は、体内にたくさんラクターゼがあるため、母犬のお乳や、市販の牛乳などでも問題なく消化できるのですが、だんだんと成長すると共に少なくなってきてしまうんです。
そういった経緯から成犬の多くは、市販の牛乳を飲んでしまうとラクターゼ不足の為に、乳糖を上手く消化ができなくなってしまい、その結果として下痢を起こしやすくなる仕組みとなるんです。
だから基本的には、大人になった犬には市販の牛乳は与えない事をお勧めします。
犬に牛乳を飲ませるメリットとデメリットはある?
メリット
まず正直に言いますと、犬に市販の牛乳を飲ませる事によるメリットは殆どありません。
ただ、飼い主さんの中にはカルシウムとたんぱく質を手軽に且つ効率よく摂取させる為に、牛乳をお湯で割ってからフードに振りかけて食べさせる方や、また便秘を解消させる際に便秘薬代わりとして少量の牛乳を飲ませてあげる方もいます。
デメリット
一番のデメリットは冒頭でも話しましたが下痢をさせてしまう事なのですが、その他にも犬にとって深刻な問題があるんです。
スバリそれは“太る事”なんです!
実は牛乳は栄養分が高い分カロリーが高くて、およそ100ミリリットルあたり67キロカロリーにもなってしまいます。
だから牛乳を飲ませるなら、その日はオヤツを無くし、フードの量も減らさなくてはいけないので犬にとって軽いストレスになってしまいますね。
では他の乳製品もあげたらダメなの?
あまり積極的にオススメする訳ではないのですが、同じ乳製品の仲間でも、ヨーグルトやチーズといった乳製品は、食べさせても下痢になりにくいです。しかし、アレルギーを起こすことがあるので注意してください。
何故なら、これらの製品は製造の過程でほとんどの乳糖が分解されてしまうからなんです。
だから安心して食べれることができるんですね♪
ただし注意すべき事があるんですが、あくまでも犬のお腹の中に入れるので、ヨーグルトは無糖タイプの物を、そしてチーズは塩分の低い犬用の物を食べさせるようにして下さいね!
もし愛犬が誤って牛乳を飲んでトラブルを起こしたら?
犬が牛乳を飲んだ時に起こるトラブルの殆どが“酷い下痢”です。
まずこういった時は愛犬がどれだけ下痢を繰り返すか様子を見てみましょう。
幸い1度で済むようなら特に問題はありませんが、もし何度でも下痢が続いてしまう場合は犬には可愛そうですが、その日は1日フードもオヤツを抜きましょう。
それでもまだ治まらないなら脱水症状を避ける為にも早めに動物病院へ連れて行って処置をしてもらって下さい。
牛乳に代わる代用品てある?
では次に「牛乳に入っている身体に良い栄養分だけを残し、乳糖とカロリーをカットできる物がないかな?」という方の為に良い代用品を挙げていきますね。
カッテージチーズ
カッテージチーズは、牛乳の中に含まれるたんぱく質やカルシウムやビタミンAのほとんどが残っていて、製造の過程においてホエーと一緒に乳糖が除去されています。
更にカッテージチーズといえば人間でもダイエットに最適といわれるくらい低脂肪なので、下痢をしやすいだけではなくて、体重が気になる犬にも安心して食べる事ができるんですよ!
ここで飼い主さんと犬が一緒に食べる事のできるカッテージチーズのレシピを見つけたので載せておきますね♪
用意する物
- 鍋
- 牛乳
- レモン汁
- ペーパータオル
- 温度計
- ザル
作り方
- 鍋に牛乳を注いで火を入れて、牛乳が沸騰しないように気を付けながら50℃前後になるまで温めましょう。
- 温まった牛乳を火から下ろして、5分ほど待って冷ましたらレモン汁を入れていきます。
- ザルにキッチンペーパーを敷いて、②を入れてコシて水分を落としておきます。
- キッチンペーパーに残った水を、ギュッと巾着状に閉じて持ち上げて絞り落とします。ただし、パサつき防止の為に軽く水分は残しておきましょう。
- ペーパーの中に残った白い固形物がカッテージチーズです。
犬にはそのままで、飼い主さんはお好みでハチミツやフルーツジャムをかけたり、またパンやサラダにトッピングしても良いですね♪
犬用に作られた牛乳
どうしても犬に牛乳を飲ませたい飼い主さんの為に、犬専用の牛乳を紹介させていただきます。
ドギーマン わんちゃんの国産低脂肪牛乳
「♪ペットフードはドギーマン」でお馴染みの、ドキーマンから出ている『わんちゃんの国産低脂肪牛乳 全犬種用』は、新鮮な生乳を牛乳同様に加工しました。
モチロンこの製品は犬のおなかをこわす原因である「乳糖」を分解させ、それだけでなく犬に必要な栄養素をプラスされたパーフェクトな牛乳なんですよ♪
しかも国産品で、原料の生乳は、九州にある牧場で搾乳した生乳を、同じく九州の工場で加工しているので安全面や美味しさは保障できますね!
新鮮で風味も良いので、きっと犬も気に入ってくれるハズです!
主な原材料・成分
生乳、脱脂粉乳、乳糖分解酵素、酸化防止剤(亜硫酸塩)、タウリン
与え方
パッケージに記載されている目安給与量を参考に1日1~数回に分け、おやつとして与えてください。
気になる方は是非一度試してみて下さい!
ヤギミルク
ちょっとお値段が張りますが、山羊から絞ったヤギミルクというものあります。
牛乳より栄養価が高く、わんちゃんには週1~2回、おやつ程度の量が適量のようです。
犬のお腹に優しく、しかもアレルギーも起こしにくい優れた飲み物です。
最後に
私達人間でも、体内で乳糖を上手く分解できずに牛乳を飲み過ぎてお腹を壊してしまう場合があります。
そしてその際の痛さは相当なものです。
だからこそ、私達よりも身体が小さな犬には同じ苦しみを与えない為にも、なるべく人用の牛乳は飲ませないようにしましょう。
▼犬が食べてはいけないものについてもっと知りたい方はこちら
犬が食べてはいけないもの一覧
ユーザーのコメント
20代 女性 めろんぱん
今でこそネットで調べたり、いろんな情報が入って来たりしやすいですが、ほんの少し前までは外飼い、番犬、フードではなく猫まんまご飯をあげる、など飼い方も情報も今とは少し違っていましたから。
誤飲や盗み食いで危険な状態や手術になることもあるそうなので、お腹を壊してしまいましたが、プシュケちゃんに何もなくて良かったです。
牛乳の乳糖は犬には分解できないのでお腹をくだしてしまうんですよね。猫も牛乳が好きというイメージがありますが、人間用をあげるのは良くないですよね。
薄めてあげたりするよりは、あげないのが良いと思います。
我が家ではヤギミルクの粉末を水やお湯で溶かしたものをあげています。
ヤギミルクは栄養価も高く、アレルギーにも反応しずらいそうですし、粉末は普通タイプと低脂肪タイプがありますので、愛犬にあった方を選んであげると良いと思います。
粉末ですので日持ちもしますし、あげたい量だけ作ってあげる事が出来るので使い勝手はとても良いですよ♪
うちはシニアのわんことダイエット中のわんこがいるため低脂肪タイプを書かれている目安量より薄めて溶かしてあげています。
カッテージチーズはわんちゃんの手作りごはんでもよく使います。私は市販のものを使っていますが手作りならさらに安心安全で良いと思います。市販のカッテージチーズは結構高いですし。
ヨーグルトなら無糖タイプのものをあげても良いみたいですが、お腹を壊してしまう子もいるそうで量だけ注意ですね。
実は飼い主の私が乳アレルギーなので乳から作られたヨーグルトをあげることはないんですが、代わりに〝豆乳ヨーグルト〟をあげています。
豆乳から出来たヨーグルトで、乳のヨーグルトよりもわんちゃんにも良いとされています。大豆アレルギーの子は無理ですけどね。
栄養面から牛乳をあげているならば、牛乳よりも良いとされるものがたくさんありますよ♪
40代 女性 SUSU
よくお散歩で会うトイプードルの男の子は10歳オーバーのシニア犬ですが、牛乳が大好きで毎日お散歩から帰ってくると牛乳を飲むことが日課になっているようで、私が愛犬とお散歩帰りに遊びに行った際も飲んでいました。獣医さんには、お腹を壊さないのであれば少量ならばOKと言われたそうです。10年以上ほぼ毎日この習慣を続けていると伺ったので、おそらくワンコの体質によってもその許容量は違ってくるのかなと思われます。
我が家の愛犬も乳糖の分解酵素は持っているようで、たまに手作りご飯のスープに牛乳を混ぜることがありますが、お腹を壊したことはありません。記事にもあるように、牛乳は栄養分が高いだけでなく、それなりのカロリーもあります。愛犬はダックスですが与える量は1回に小匙1杯程度だと思います。
乳糖分解酵素を持っているか否かを確かめるには、小匙1/4程度の牛乳を舐めてもらって便が柔らかくなるかを見極めるしかありません。ワンコが体調を崩してしまうリスクもありますので、ご心配であれば牛乳以外の乳製品で良いのかなと思います。
記事にあるカッテージチーズは我が家もよく作ります。記事のレシピはレモン汁でしたが、酢でも同じ方法でカッテージチーズを作ることができます。チーズを絞った時にでる液体はホエーといってとても栄養価の高いものです。乳清成分を分解できないワンコはお腹を壊してしまうため与えないほうがよいのですが、高タンパク低脂肪でカルシウムやビタミンB群などの栄養価が高く消化も早いため問題のない子にはお薦めです。ヨーグルトを食べても問題のない場合には乳清が分解出来ているということになります。
なお、記事にあるペット用の牛乳についてですが、乳糖が入っていないため、お腹を壊しやすいワンコでも飲むことは出来ると思います。ただ、未開封であれば常温でも保存可能なように酸化防止剤として亜硫酸塩が配合されています。たまに飲むのであればさほど気にすることはないと思いますが、頻繁に飲むのであれば粉状のヤギミルク、無調整豆乳などの方が身体には優しいのかなと思います。
牛乳が好きなワンコは多いようです。乳糖不耐症の子はあげない方が良いと思いますが、問題のない子であれば、食欲がない時、病み上がりで食べてもらいたい時など、時と場合によって少しだけご飯に混ぜてあげることも1つの方法なのかなと思います。
40代 女性 こむぎ