ドッグフードがない!緊急事態を乗り切るには?
- あると思っていたストックのドッグフードがない
- 分量を間違えて明日の分のドッグフードがない
- ドッグフードを与えないでオヤツだけ与えるのには抵抗がある
などなど、緊急な状況を経験したことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?そんなときは、ご家庭にある食材で、「代用ドッグフード」を作ってあげましょう。
しかしドッグフードを食べ慣れている犬にとって、手作りフードは慎重になるものです。大喜びする子もいれば、「何だこれ?」と緊張して食べない子、食べたとしてもお腹を壊してしまう子もいるでしょう。
そうなることを避けるために、まずは少量ずつ与えましょう。大好きなオヤツもプラスするのもいいかもしれません。ドッグフードを手に入れる2~3日の間は、代用のフードで乗り切りましょう。
そもそもドッグフードとは?
ドッグフードは「総合栄養食」といわれ、そのドッグフードと水だけで、犬が必要とする栄養を補うことができる主食のことをいいます。しつけやトレーニングのご褒美として与えるジャーキーや、ガムなどの嗜好性の高い食べ物は、オヤツ、つまり「間食」となるので、主食とはいえません。
犬の年齢や犬種、体格、健康状態など、犬や飼い主のニーズに合わせたドッグフードが開発されています。例えば犬種別フードやライフステージ別フード、特別療法食など。それぞれ目的や栄養成分、味などが異なりますが、主に穀類、肉類、魚介類、豆類、油脂類の5種類の材料から作られています。
- 穀類:小麦、トウモロコシ、コーングルテンミールなど
- 肉類:鶏肉、豚肉、牛肉、ミートミール、チキンミールなど
- 魚介類:マグロやカツオなどの魚類、カニ、エビ、魚粉など
- 豆類:大豆、大豆ミール、小豆、きな粉など
- 油脂類:牛脂や豚脂などの動物性油脂、ごま油や大豆油などの植物性油、リノール酸などの脂肪酸
代用フードの作り方
代用フードは、「肉類・魚類50%、野菜類25%、ご飯類25%」を目安に作っていきましょう。肉類・魚類からはタンパク質や脂質、野菜類からはビタミンやミネラル、ご飯類からは炭水化物(糖質)を補うことができます。犬が食べやすいよう、これらの食材は細かく切ってあげましょう。
犬に与えると良い野菜は、キャベツ、サツマイモ、にんじん、大根、ジャガイモ、ブロッコリー、ごぼうなどが挙げられます。いずれにせよ野菜は食物繊維が多く含まれるので、茹でたり、茹でたものを擦ってあげたりすると良いでしょう。
ご飯類はお粥などのペースト状にすることで、食べやすいだけでなく水分も多く摂取することができます。調理することで食材から香りや味が出るので、嗅覚が優れている犬にとって味付けは必要なく、食欲増進も期待できます。
代用フードで気を付けること
前述で、代用フードには肉類・魚類、野菜類、ご飯類がオススメとご紹介しました。では、作る際にはどんなことに気を付けなければならないのでしょうか?
肉類
牛肉や鶏肉、豚肉などの肉類は、新鮮なものであっても、食中毒の危険性を考慮すると、しっかりと加熱した方が良いでしょう。骨付き肉は、食べたときに口内や食道・消化管などに刺さる恐れがあるため、必ず骨を取り除いてから与えます。ハムやベーコンなどの加工食品は、香辛料や塩分が多く含まれており、下痢をしたり内臓に負担をかけたりする危険性があるため、与えない方が良いでしょう。
魚類
人間が食べる魚類のほとんどは、犬にとっても安全といわれています。しかし食中毒の点を考えると、茹でるなどの加熱が必要となります。
野菜類
野菜類は食物繊維が多いため、生のまま与えると消化不良になる恐れがあります。犬に与えると良い野菜としてジャガイモを挙げましたが、ジャガイモの芽にはソラニンとよばれる有毒物質が含まれているため、与える際にはきちんと取ってあげましょう。
ご飯類
白米は良質なエネルギー源であるため、主食として毎日取り入れたい食材ですが、カロリーには気を付けなければなりません。
犬に食べさせてはいけない食べ物
人間にとって安全な食材でも、犬にとって中毒となるものがあります。ここではその代表的な食材をご紹介します。
- チョコレート:カカオに含まれる成分が有毒で、痙攣を引き起こす
- ネギ類:赤血球を破壊し、血尿や貧血を引き起こす
- アボカド:皮や種、果肉が有毒で、下痢や嘔吐を引き起こす
- 香辛料:こしょうやマスタード、唐辛子などは胃腸を刺激し、悪影響を及ぼす
まとめ
ドッグフードがなくなったときの代用フードをご紹介しました。代用フードのポイントは3つです。
- 食材は小さく切る
- 水分を多く含ませる
- 様々な食材を組み合わせる(犬にとって中毒となる食材は除く)
この3つのポイントを抑えれば、緊急事態でも乗り切ることができるでしょう。
愛犬の気分転換に、たまに手作りフードを与えるのも良いかもしれませんね。もし、「手作りフードを主食として毎日与えたい」とお考えの場合は、まず獣医師さんに相談してみましょう。犬の体質によって、必要とするエネルギー量や栄養バランスが異なるためです。体重の変化や、ウンチやオシッコの状態、被毛の変化などにも気を付けて、記録を付けるのも良いかもしれません。