犬がポテトチップスを少量であれば食べても大丈夫
犬のサイズにもよりますが、ポテチが少量なら命の危険に関わることはありません。ポテチは、メーカーにもよりますが主原料が植物油とジャガイモと塩です。
このポテチの中で犬にとって体によくないものが、植物油と塩になります。ポテチ1袋(90グラム)の塩分は、0.9~1.1グラムほどです。
犬の場合、塩分補給は必要ですが、人間ほど必要とはしません。ドッグフードを日常的に食べている犬は、それ以上の塩分は必要ありません。
犬の体重別塩分量だと、
- 犬の体重が5㎏で適切な塩分量は0.3~0.6グラム
- 犬の体重が10㎏で塩分量は0.6~1.2グラム
- 犬の体重が15㎏で塩分量は0.9~1.8グラム
- 犬の体重が20㎏で塩分量は1.2~2.4グラム
- 犬の体重が25㎏で塩分量は1.5~3グラム
- 犬の体重が30㎏で塩分量は1.8~3.6グラム
です。
ティースプーン1杯分が約18グラムなので、そう考えるととても少ない量ですよね。特に超小型犬のチワワなどは、ほんの少しの塩分量で十分なのです。
上記を踏まえると、ポテチはほんの少しでしたら、犬に問題ないことが多いですが、誤って1袋を10㎏未満の犬が食べてしまったら、犬が必要とする塩分量を超えてしまいます。
また、ポテチには様々な種類の味がありますが、ここでは「オニオン味」について考えてみましょう。犬にタマネギを含むネギ類が絶対に駄目なのは有名ですよね。では、ポテチの場合はどうなのか。
オニオン味には、タマネギそのものは含まれてはいませんが、オニオンパウダーやオニオンエキスが含まれています。これらは、元をたどればタマネギです。なので、犬にはオニオン味のポテチを絶対にあげないようにしましょう。
犬がポテチを食べた時の注意点
まずは犬がどのくらい、どの種類のポテチを食べてしまったか確認しましょう。そのうえで、現在の犬の状況を確認しましょう。
塩分の過剰摂取
愛犬がポテチを食べてしまった場合には、まずどれくらい食べたのかを確認しましょう。塩味のポテチでなくてもポテチには塩分がたくさん含まれており、適正量以上を食べると塩分過多になります。
塩分過多になると血圧が上がり、喉が渇いて大量に水を飲むようになります。摂取量によっては「塩分中毒」を引き起こす可能性があります。塩分中毒は数十分から数時間で体調が悪化し、嘔吐・下痢・ふらつきなどの症状が表れます。
ひどい場合は、意識障害などの脳疾患や肺水腫などの呼吸器障害の症状まで表れ、ショック状態になることもあります。もし愛犬がポテチを食べたとしても、数枚程度の少量なら様子を見てください。
嘔吐や下痢などの塩分中毒の症状が出ていたら、すぐにかかりつけの動物病院に連れて行きましょう。また、塩分中毒になると塩水を使って強制的に吐かせるという行為はとても危険です。
さらに深刻な中毒症状になり、命を落としかねないので絶対にやめてください。
アレルギー症状
ポテチを食べた時に心配なのがアレルギー症状です。ポテチを大量に食べていなくても、アレルギー症状が出ることがあり、皮膚の痒み・目の充血・下痢・嘔吐などを引き起こします。
愛犬がポテチの主成分でもある「じゃがいも」や「さつまいも」などに対してアレルギーを引き起こさないからといって安心はできません。ポテチ自体にさまざまな原材料が使用されているため、何がアレルギーの原因となるかは特定が困難なのです。
またアレルギー反応はすぐ出る場合もありますが、1ヶ月程経ってから突然出る場合があります。少量でもポテチを食べた場合は、成分がわかるようにパッケージを残しておいて、「いつ」「どれくらい」食べたのか記録しておきましょう。
後々にアレルギー反応が出た場合、動物病院での診察がスムーズになります。
玉ねぎなどで起こる中毒症状
ポテチの中でも人気の「オニオン味」は、その名の通り玉ねぎが入っています。玉ねぎは犬にとってとても危険な食べ物です。
犬は玉ねぎに含まれる「有機チオ硫酸化合物」という成分を消化する酵素を持っていないため、少量摂取しただけでも中毒症状が表れます。
玉ねぎ中毒による症状としては、嘔吐・発熱・けいれん・貧血があります。貧血が起こると口の中の粘膜が白みを帯びたり、尿が茶褐色といった濃い色になります。重度の貧血になると、呼吸困難・意識障害となり最悪の場合、死亡することがあります。症状は食べて数時間後から数日後までの間に出やすいといわれています。
また、愛犬がポテチを食べた際に、コンソメ味の場合も注意が必要です。実はコンソメ味には、オニオンパウダーを使用していることがあります。そのため、コンソメ味のポテチを食べると玉ねぎ中毒を発症することがあるのです。
オニオン味・コンソメ味のポテチを食べた場合は、アレルギー症状の対処法と同様にパッケージを残し「いつ」「どれくらい」食べたかを記録して動物病院に連れていきましょう。
犬がポテチを誤食してしまうのを防ぐ方法
犬がポテチなどの誤食事故を起こす半数は、0~1歳の子犬です。何に対しても興味があり好奇心旺盛なこの時期は、特に気をつけてあげましょう。
また動物病院で、犬がポテチなどを誤食したときには何らかの消化器症状や全身症状が出ていない限り、経過観察になります。しかし、大量に食べている場合や袋をかじってしまっている場合には血液検査やレントゲンで確認が必要になります。大量に食べている場合には催吐処置を行う場合もあります。
食べた量によりますので、少量の場合は無理に吐かせず様子を見てください。
犬にとっては負担になりますので、日頃から手の届かないところに置くのはもちろん、「ちょうだい」と「くわえて」の躾をすることも大切かもしれませんね。実際に、犬がポテチなどの何かを誤食しそうにしているとき、犬に「ちょうだい」のコマンド(指示)を教えておくと防ぐことができます。
まとめ
犬にとって食べてはいけない食べ物の一つにポテチは含まれます。ポテチの中には、犬にとって摂取すべきでない香辛料や油、オニオンエキスなど様々なものが入っております。
人間にとっては美味しいお菓子ですが、犬を病気にさせないためにもあげないようにしましょう。また、誤食できないようにポテチの袋は犬の届かないところに置くようにしましょう。