キツネと犬の違い①「分類」
狐:ネコ目イヌ科イヌ亜科
犬:ネコ目イヌ科イヌ属
分類の違いは、狐が「イヌ亜科」であるのに対して、犬が「イヌ属」であることにあります。
イヌ亜科である狐は、「イヌ属」や「キツネ属」や「タヌキ属」など、細かく分類されることもあるようです。
キツネと犬の違い②「飼育としつけ」
犬を飼育していても驚く人はいませんが、狐を飼育していると驚く人がほとんどでしょう。
犬は人間社会に適応することができ、人間とともに暮らすことができますが、狐を家族の一員として飼育することはとても難しいとされています。
狐は犬のように、人間に媚びることがなく、人間に服従するという認識がないそうです。狐にとって人間はリーダーとしての認識ではなく、友達のような存在であるようなのです。
キツネの飼育方法
特定動物への指定はありませんので、特別な手続や届出の必要はありません。食事はドッグフードやキャットフードで対応することができ、キャットフードを好む個体が多いようです。
海外では犬のようにハーネスとリードを着けてお散歩を楽しむ狐もおり、犬と一緒に暮らす狐の写真をアップされている飼い主さんもいます。
狐と犬の飼育方法には特に違いはないように思いますが、狐に対して決められた場所やペットシートへの糞尿をしつけるのは難しいとされています。
また、狐の糞尿は独特で強烈なニオイがあるようなので、すぐに掃除をするようにし、お留守番の間は部屋の換気を常にしておくと良いでしょう。
キツネと犬の違い③「伝染病」
狐と犬それぞれの伝染病をあげてみましょう。
狐の伝染病「エキノコックス」
エキノコックスは日本でも拡大しており、主に北海道で拡大しています。野生のキタキツネや犬が、エキノコックスに感染した野ネズミを捕食したり、感染したキタキツネや犬の糞を食べてしまったりすることで寄生します。
感染したキタキツネや犬の糞と一緒に虫卵が排泄され、その糞を食べてしまったことによる飼い犬の感染もみられるようです。虫卵のみ感染し、幼虫では感染しないという特徴があります。
犬の伝染病
- ジステンパー
- 犬伝染性肝炎
- アデノウイルス2型感染症
- 犬パラインフルエンザ
- パラボウイルス感染症
- レプトスピラ病(3タイプ)
- コロナウイルス感染症
これらの伝染病は命にもかかわる恐ろしい病気です。年1回の混合ワクチンの接種で予防することができます。
共通する伝染病にも注意
狐にも犬にも共通するのが「狂犬病」です。狐や犬に噛まれたことで狂犬病に感染してしまい、亡くなった人も多くいます。エキノコックスや狂犬病への感染を予防するため、野生の狐に近づいたり触ったりしてはなりません。
キツネと犬の違い④「瞳孔」
犬と猫では瞳孔の開き方に違いがあることはみなさんもご存じかと思います。犬の瞳孔が丸く開くのに対して、猫の瞳孔は明るい場所では縦に開きます。
では、狐の瞳孔の開き方はどうでしょう。狐の瞳孔は明るい場所では猫と同じように縦に開きます。
瞳孔の開き方は狐と犬の大きな違いなのではないでしょうか。
キツネと犬の違い⑤「病院での受入れ」
犬がケガや病気をしてしまったとき、すぐに動物病院へ連れて行くと思います。
しかし、狐の場合は受け入れてくれる病院がとても少ないようです。「専門ではないので」「犬猫のみです」と診察さえ断られてしまうケースがほとんどです。
ペットショップやブリーダーから購入しやすく、ペットして飼育されることの多い狐には「フェネック」がいますが、飼育する以前に受け入れてくれる病院が近場にあるかどうか探しておく必要があるでしょう。
うちの近所には動物園に勤めていた獣医さんが経営している動物病院があり、珍しい動物たちが訪れます。そういった病院を見つけておくと安心して飼育できるのではないでしょうか。
キツネと犬の違い⑥「鳴き声」
鳴き声をあらわすとき、狐はコンコン、犬はワンワンとあらわしますよね。
犬は言葉の通りワンワンと鳴きますが、狐はどうでしょう…本当にコンコンと鳴くのでしょうか。犬が甘えるときに出す「ク~ン」という鳴き声は、狐にもみられます。
また、犬が「ワンッ!」と吠えるときと似たような声で、狐も「ワンッ!」と高い声で鳴くことがあります。
鳴き声をあらわす言葉にはコンコンとワンワンの違いがありますが、実際の鳴き声はとても似ているんです。
まとめ
狐と犬の大きな違いだと感じたのは瞳孔の開き方くらいです。
狐と犬を見間違えることはほとんどないと思いますが、見た目もとてもよく似ていますし、鳴き声もとてもよく似ています。
狐と犬には共通した点が多く存在し、違いを見つけることの方が難しいように感じました。