バセンジーの特徴
大きさ
- 体高:40~45センチメートル
- 体重:9~11キログラム
バセンジーは中型犬に分類されます。大きさは体長と体高がほぼ同じくらいで、メスよりもオスの方が大きくなる傾向にあります。JKC(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)によると、オスは体高43センチメートル、体重11キログラム、メスは体高40センチメートル、体重9.5キログラムが理想とされています。足は長くしっかりとした骨格で、筋肉質なのが特徴です。
被毛
- ホワイト×レッド
- ホワイト×ブラック
- ホワイト×ブラックタン
- ホワイト×トリンドル
- トライカラー(ホワイト×ブラック×タン)
バセンジーの被毛は短く滑らかなシングルコートです。短毛なので抜け毛は少なめですが、換毛期には生え変わりがあります。カラーはホワイトと別のカラーが2~3色組み合わさっているのが基本です。
その他の特徴
顔は細長く、アーモンド形のダークな目、ピンとした大きな立ち耳、額のしわが特徴的です。しっぽはくるりと巻いていて、他の犬のようにしっぽで感情表現をすることはありません。嬉しいときでもしっぽをブンブン振ることはなく、付け根が少し動く程度です。
バセンジーの最大の特徴としてあげられるのは、吠えないことです。「ワンワン!」と吠えるというより、ヨーデルのように聞こえる独特の鳴き声をします。他犬種と比べ遠吠えをしないので、近所に迷惑をかけてしまうという心配は少ないでしょう。静かに飼えることが安定的な人気を誇っている理由の1つです。
バセンジーの性格
- 賢い
- 好奇心旺盛
- 忠実で愛情深い
- 独立心がある
- おとなしい
バセンジーは狩猟犬だった名残からか、野生的で好奇心旺盛です。とても賢い犬ですが、気が散りやすいので、しつけをする際は根気強さが必要です。また、独立心がありマイペースなので、猫のような犬ともいわれています。
ベタベタ甘えることは少ないですが、飼い主や家族には従順で愛情深い一面もあります。見知らぬ人に警戒心を示す場合がありますが、おとなしい性格なので吠え立てるということはしません。
バセンジーの飼い方
環境
バセンジーは暑い国が原産の犬なので、暑さに強く寒さに弱い傾向があります。寒さから守るためにも室内飼育が望ましいでしょう。
秋冬の時期の外出は服を着せたり腹巻をしてあげたりして、身体を冷やさない対策も必要です。体が冷えると下痢を発症することもあるので、しっかりと温度管理をしてあげましょう。暑さには強いですが、他の犬種と同様に真夏の暑い時間帯の散歩は避けてください。
運動
活発な性格の犬種なので、大型犬並みの運動量が必要です。30分以上の散歩を1日2回は行い、十分に体を動かしてあげましょう。動くものに敏感に反応する性質があるので、散歩中はリードをしっかり持って離さないようにします。バセンジーはとても足が速いため、オフリードにすると人間が追いつけないくらい遠くへ走り出してしまいます。
身体能力が高いので、時間内に障害物をクリアするアジリティなどのドッグスポーツを楽しむのも良いでしょう。警戒心から他の犬や動物に攻撃してしまう可能性もあるので注意してください。
お手入れ
バセンジーは清潔好きで、自分で毛づくろいもするので体臭は少ない方です。短毛でもともと抜け毛が少ないので、お手入れも簡単です。お風呂は体が特別汚れたときのみの月1回程度にし、普段のお手入れは週に1、2回程度のブラッシングで十分でしょう。
抜け毛が多くなる換毛期はあらかじめブラッシングしておくことで毛が部屋中に落ちるのを防ぎます。ブラッシングには、ノミやダニの予防、血行の促進、皮膚の健康チェック、スキンシップなどのメリットもたくさんあります。
バセンジーのしつけ
バセンジーはマイペースで好奇心旺盛な性格なので、しつけはスムーズにいかないかもしれません。何度もしつけを重ねる必要がありますが、バセンジーの賢さを生かして楽しみながら教えていくとよいでしょう。
しつけのコツとして、家族の間で「褒める」と「叱る」ときの基準を決めておき、伝える際は短くわかりやすい言葉に統一しておくとよいでしょう。また、独立心が強いので積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。十分なふれあいから信頼を得ることができ、良好な関係が築けます。
バセンジーの値段
バセンジーは日本での繁殖頭数が少なく、明確な価格が特に定まっていません。そのため、価格の相場に幅があり約10~30万円の間で販売されています。一般的に価格は子犬ほど高く、月齢が上がっていくについれて安くなります。また、血統や容姿なども価格に影響します。
バセンジーはペットショップでの取り扱いは少なく、ブリーダーからの購入が一般的です。販売元によっても価格に差が出るので、事前に確認しておきましょう。
バセンジーがかかりやすい病気
ファンコニー症候群
他の犬種では発症例が少なく珍しい病気ですが、バセンジーは遺伝的にかかりやすい傾向にあります。これは腎不全の一種で、腎臓の近位尿細管が機能不全に陥りさまざまな症状が現れる病気です。初期段階では多飲多尿の症状がみられ、それ以外には目立った症状はありません。
定期的な尿検査や血液検査といった健康診断を受けることで、早期の発見につながります。遺伝的にかかりやすいということを念頭に置き、積極的に定期的な健康診断を受けましょう。
鼠径ヘルニア
鼠径(そけい)ヘルニアは、足の付け根にある隙間からお腹の臓器が飛び出てしまう病気です。バセンジーは、遺伝的に鼠径ヘルニアを起こしやすいとされています。
予防が難しいため、早期発見と早期の治療が大切です。早期発見のために足の付け根付近に異常なしこりや膨らみがないかを、定期的にチェックしてあげてください。何か異常があれば、病院を受診し検査を受けさせるようにしましょう。
臍ヘルニア
臍(さい)ヘルニアも、バセンジーで多く見られる遺伝的な病気の1つです。へそ部分の腹壁が出生後何らかの理由で完全に閉じないまま、そこから内臓の一部が外側へ飛び出してしまう病気をいいます。
いわゆる「出べそ」の状態が臍ヘルニアです。先天性のため予防法はありませんが、小さいものであれば子犬が成長するに従って自然に閉じることもあります。生後半年ほど経過観察し、閉じない場合には外科手術を受けることがすすめられます。
バセンジーの平均寿命
バセンジーの寿命は約12年です。純血種の中型犬の中でも、平均的な寿命といえるでしょう。しかし、寿命はあくまでも目安です。日々一緒に過ごしていく中で、ストレスをためさせないことが大切です。バランスの取れた適度な食事や十分な運動、また家族とのふれあいを大事にして、一緒に長生きすることを目指しましょう。
バセンジーの歴史
バセンジーは世界最古の犬種とされ、一説によると紀元前5000~7000年も前から存在していたとされています。古代エジプトから出土した壁画や美術品からはバセンジーによく似た犬の姿が発見されており、原産国であるアフリカのコンゴ共和国からエジプトのファラオへ贈られたと考えられています。
19世紀後半まではアフリカの限られた場所で飼育され、他の地域との交流も少なかったことから純血が保たれてきました。その後バセンジーは国外で繁殖されましたが、極めて濃い近親交配から生まれたために遺伝的な疾患が起きやすいのが問題でした。この問題を解決しようと、アメリカの繁殖者がアフリカに渡り、子犬を入手することで新たな系統での繁殖が始まりました。
バセンジーのブリーダー
バセンジーは世界的に人気がありますが、日本ではまだ繁殖頭数も少なく認知度が低い犬種です。そのため国内でバセンジーを扱っているブリーダーは僅かですが、広島に「トップスターライト」というブリーダーがバセンジーを飼育しています。出張取引はされていませんが、犬舎の見学ができます。見学の際は事前に連絡を取りましょう。
国内のブリーダーが見つからないときは、海外のブリーダーから輸入する方法もあります。海外のブリーダーに依頼する場合は、海外ブリーダーに詳しい国内のブリーダーから確かな情報を得ることが大事です。子犬にこだわらなければ、ブリーダーからの購入ではなく里親になることも1つの手です。
バセンジー ブログ
トップスターライトは毎日大騒ぎ
広島でバセンジーのブリーダーをされている「トップスターライト」さんのブログです。ブログ内ではバセンジーの子犬の出産情報や、現在の募集状況、飼育されている犬の写真などが掲載されています。これからバセンジーを家族にしたいと考えている方にとって、嬉しい情報がたくさん得られます。
最古の犬種バセンジー
実際にバセンジーを家族に迎えてからのリアルな体験談が綴られています。他のバセンジーとのやりとりも書かれているので、バセンジーの中でもそれぞれ違った個性があることがわかります。バセンジーの歴史も深く紹介されており、バセンジーのルーツを知ることができます。
バセンジーアデルと大佐のホラ吹きブログ
バセンジーのアデルちゃんの生活やお出かけ先での様子が、アデルちゃん目線で描かれてます。キャンプやドッグラン、旅行などの様子が多く紹介されているため、犬とお出かけする行き先の参考にもなりそうです。バセンジーの魅力がたっぷり伝わってくる素敵な写真もたくさん載っているブログです。
まとめ
バセンジーは、吠えないことや自分で毛づくろいをすることなど、他の犬にはない特徴があります。また、身体能力が高く運動量も必要なので、アウトドアやスポーツが好きな方におすすめです。
日本国内ではまだ取扱いが少ないですが、ブリーダーから購入したり、里親として引き取ったりして、バセンジーを家族として迎え入れることができます。共に生活することで、紀元前より人々に愛されてきたバセンジーの魅力を感じてみてはいかがでしょうか。