大型犬1頭にかかる費用
大型犬を養うためには膨大な費用がかかります。食費や医療費だけではなく、消耗品やお手入れにも費用がかかり、1ヶ月に数万円から十数万円にもなる可能性があります。
食費
与えるドッグフードによって値段は変わりますが、食費は毎日かかる費用です。
私の愛犬は超小型犬と中型犬ですが、獣医師が推奨するドライフードを与えており、超小型犬にかかる1ヶ月の食費が1000円、中型犬にかかる1ヶ月の食費が6000円です。同じドライフードを大型犬(体重30kg)で計算してみると、12000円でした。
ドライフードだけではなく、ご褒美用のおやつや、健康を考えて野菜やお肉、時にはサプリメントを与える場合もあるでしょう。それらを合わせると1ヶ月に数万円の食費が必要になる可能性があります。
医療費
ケガや病気をしていなくても、毎月にかかる医療費があります。5月から12月には蚊が媒介するフィラリア症を予防するためのお薬が数千円。一生を通してノミやマダニが寄生することを予防するためのお薬が数千円。狂犬病を予防するための注射が年に一回法律で義務付けられており、3000円くらいが相場です。
任意ですが、年に一回の混合ワクチンによって犬ジステンパーウイルスなどの病気を予防する必要があり、9種混合の場合は10000円くらいが相場です。
一年で計算してみると、10万円以上の医療費がかかる可能性があります。
トリミング
サロンによって値段は変わりますが、シャンプーだけでも数千円、カットを合わせると数万円かかることがあります。
しかし、大型犬と暮らしている知人は、大型犬を受け入れてくれるサロンがあまりないと言い、夏は汗だくになりながらシャンプーとドライヤーをしてあげているそうです。
高齢になるとドライヤーの熱で熱中症になってしまうこともあり、自宅でのシャンプーが難しくなるため、大型犬のトリミングを行ってくれるサロンを必ず見つけておいた方が良さそうです。
大型犬の三大疾病
股関節形成不全
大型犬は成長期になると体重が一気に増加しますが、体重の増加に対して関節の成長が追い付けず、股関節や肘関節を痛めてしまうケースが多くあります。
最も深刻なのが「股関節形成不全」です。骨同士が上手く噛み合わず、歩行が困難になる可能性があります。成長すると共に悪化することもあり、外科手術を必要とする場合もあります。
生後半年くらいに発症し、股関節形成不全であると診断された場合には、激しい運動や体重制限が必要になります。
胃捻転
胃捻転には明確な原因がなく、食後すぐに激しい運動をした場合や、激しい運動をした後すぐに食事をしたことによって発症するケースが多くあります。
激しい運動でなくても、普段のお散歩などで、その前後に食事をした事が原因で胃捻転を発症したケースもあります。
胃にガスがたまる、お腹が異常に膨らむ、呼吸が苦しくなる、嘔吐しようとするなどの初期症状がみられますので、すぐに病院へ連れて行きましょう。
胃捻転は一刻を争う恐ろしい病気であり、命を落としてしまった大型犬が多くいます。
心筋症
心臓の収縮運動が低下することで発症する病気です。心臓から送り出される血液の量が減ってしまい、全身が酸素不足になってしまいます。心臓への負担はさらに大きくなり、食欲の低下や呼吸が早くなるなどの初期症状があります。
悪化すると咳が出たり心不全を引き起こしたりすることもあり、命を落としてしまう可能性もあります。残念ながら予防法がないため、定期的な検査を受けるようにしましょう。
まとめ
私も大型犬への憧れはありますが、とても大きな覚悟が必要だと思います。
- 経済力
- 時間
- 体力
どんなに深い愛情を持っていたとしても、この3つは欠かすことができないと思います。
大型犬が人や犬を噛み殺してしまう事件が多発していますが、3つのどれかが欠けてしまっていたことが原因として挙げられていました。
経済力がなく、栄養不足であったこと。時間がなく、コミュニケーション不足であったこと。体力がなく、運動不足であったことなどです。
大型犬は寿命が短いですが、必要な医療を受けることができなかったことで、もっと寿命を短くしてしまうことがあります。
必要最低限でも正しい知識を得てから大型犬を迎えるようにしましょう。