犬にかいわれ大根を与えても大丈夫?

犬にかいわれ大根を与えても大丈夫?

梅雨の時期や、天候が不順になると野菜が高騰して、ふだん食べている野菜が高級食材並みのお値段になって困ってしまうことがありますよね。そんな時には、常に新鮮な状態で購入でき、値段の変動もほとんどない「かいわれ大根」がオススメ!今回は、犬にかいわれ大根を与えても大丈夫なのか、かいわれ大根にはどんな栄養素が含まれているのかをご紹介したいと思います!

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬にかいわれ大根を与えても大丈夫?

ざるに入ったかいわれ大根

野菜の値段は、ハウス栽培や露地栽培に限らず、天候不順や台風、梅雨などの影響で、大きく変動します。
けれども、「かいわれ大根」は、一年を通してずっと価格が安定し、いつでも新鮮な状態で食べられるので、非常に便利で優秀な野菜と言えます。

とはいえ、いくら犬が雑食性だと言っても、人間とは消化器官も体の構造も違います。
人間が食べて問題がなくても、犬が食べれば命を落としかねないほど危険な食材もありますから、「かいわれ大根」も、「犬に与えても大丈夫なのかな…?」と不安になる方もいらっしゃると思います。
「犬に与えても大丈夫!」という根拠がないと、安心して与えられない、と言う方に、「かいわれ大根」を犬に与えても問題がない根拠と、かいわれ大根の栄養素についてご説明させて頂きたいと思います。

かいわれ大根についての豆知識

なんと、かいわれ大根は平安時代から食べられていたという記録が残っているほど、歴史のある野菜です。
そして、かいわれ大根は、土に植えて育てれば、小さいながらも立派な大根になります。

大根とかいわれ大根の栄養素の違い

引き抜かれている大根

名前が示す通り、かいわれ大根は大根の種から発芽した芽で、こう言った新芽野菜のことを「スプラウト」と言います。
つまり、有名な「ブロッコリースプラウト」は「ブロッコリーの新芽」、かいわれ大根は「大根」の「スプラウト」、「豆苗」は「大豆」のスプラウトという事になります。

かいわれ大根に含まれる主な栄養素5つ

  • イソチオシアネート
  • ジアスターゼ
  • βカロテン
  • ビタミンⅭ
  • ビタミンK

大根にはほとんど含まれていないβカロテンが含まれています。
食欲増進、消化促進、疲労回復に効果的な栄養素が豊富です。

大根に含まれる主な栄養素5つ

大根おろし

  • 食物繊維
  • ジアスターゼ
  • アミラーゼ
  • フラボノイド
  • ビタミンA 

消化不良・胃酸過多の改善、便秘解消などに効果的な栄養素が豊富です。

かいわれ大根に含まれている犬にとって有効な栄養素3つ

野菜を食べているジャックラッセルテリア

イソチオシアネート

大根の中に含まれる辛み成分です。
ガンになる原因となる傷ついた細胞が増殖するのを抑えたり、体内に入った細菌の力を弱めると言った働きがあります。
ただし、イソチオシアネートは、大根ならすりおろしたり、かいわれ大根であれば細かく切ったりすることで化学反応が起きることで発生する物質です。
ですから、大根やかいわれ大根を生で食べる時は、まるかじりするよりも、すり下ろしたり、みじん切りにすることをオススメします。

ジアスターゼ

胃腸の働きを助ける消化酵素で、生食で食べることで摂取出来ます。
食欲増進、消化不良の改善に効果を発揮します。
ただし、加熱すると消えてしまうので、ジアスターゼの効果を期待するのであれば、加熱せず、生のまま与える必要があります。

βカロテン

犬の体内では、ビタミンAに変化します。
ビタミンAには、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあります。

かいわれ大根を犬に与える時の注意点3つ

生野菜とゴールデンリトリバー

甲状腺機能の疾患がある場合は、生食で与えない

大根は、アブラナ科の植物です。
アブラナ科の植物には、ミロシナーゼとグルコシノレートという物質が含まれています。
この二つの物質は、生のまま、噛んだり、切ったりすると合成されて、イソチルアネートと呼ばれる物質に変化します。
そして、イソチルアネートという物質は甲状腺がヨウ素を吸収するのを妨害します。
ただし、ミロシナーゼは火を通すと活動しなくなるので、グルコシノレートと合成しなくなります。そうなると、イソチルアネートは造られません。
つまり、生のまま、カイワレ大根を与えると、ヨウ素の吸収が阻害される。
けれども、火を通してから与えると、ヨウ素の吸収を阻害する物質が発生しない。
ですから、ヨウ素の欠乏から来る甲状腺機能低下などの疾患がある場合は、カイワレ大根を与える際は、生で与えずに必ず茹でるなどして、火を通してから与えましょう。

カルシウム豊富な食材と一緒に与える

カイワレ大根に限ったことではありませんが、ほとんどの野菜には「シュウ酸」という物質が含まれています。この「シュウ酸」は、体の中に結石を作る原因となる物質です。
結石は尿中で形成されると血尿の原因になったり、尿路詰まると排尿できなくなり命にかかわることもあります。
ですが、「シュウ酸」は、カルシウムと結合すると大便の中に混ざって体外へ排出されるので、結石になるリスクが低くなります。
また、野菜をゆでることで、野菜の中に含まれる「シュウ酸」が抜けるので、結石ができやすい体質の犬にカイワレ大根を与える場合は、蒸すよりも「ゆでこぼす」ことをオススメします。

食べやすく切ってから与える

かいわれ大根は、生で食べることで、栄養価が発揮されますが、その効果は細かく切ることで生成される栄養素によるものです。
また、ゆがいたりして与える場合も、長いままだと喉に引っかかってしまい、むせて嘔吐してしまう恐れもあります。
かいわれ大根を犬に与える時、生食でも火を通して与える時も、細かく刻んで与えましょう。

まとめ

農夫の格好をしている犬

かいわれ大根は、安価で下ごしらえもいらず、愛犬に手軽に安心して与えられる食材です。
あまり食べ慣れない食材を口にするのを警戒する愛犬なら、ゆがいて細かく刻み、食べ慣れた食事の上にトッピングしたり、ウエットタイプのフードであれば、かいわれ大根を混ぜて与えることも出来ます。すぐにでも手に入る食材なので、手作りご飯に挑戦するのはハードルが高い…と思われている飼い主さんは、まず、かいわれ大根を、いつも愛犬に与えている食事にプラスすることから始めてみてはいかがでしょうか?

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