アメリカンスタッフォードシャーテリアってどんな犬?
アメリカンスタッフォードシャーテリアの歴史
アメリカンスタッフォードシャーテリアは、当時闘犬が盛んなイギリスで活躍していた小型の闘犬、「スタッフォードシャーブルテリア」が、アメリカに持ち込まれたことが始まりとされています。
アメリカでも闘犬の人気は高く、このスタッフォードシャーブルテリアをより強い闘犬にする為、何度も交配を行い大型化されていきました。
この大型化された犬種こそがアメリカンスタッフォードシャーテリアなのです。
大型化されたことアゴの力や体つきがたくましくなり、さらに闘犬として人気を博していったアメリカンスタッフォードシャーテリアは、1989年にアメリカのUKCという犬種団体で「アメリカンピットブルテリア」という犬種名で登録されることになります。
しかし、時代は徐々に変わっていき闘犬=動物虐待という思考が強くなり、少しずつ公の場から闘犬の姿が消えていきました。
この状況を知ったアメリカンスタッフォードシャーテリアの愛好家やブリーダーたちは、闘犬としてではなく家庭犬やショードッグとしてアメリカンスタッフォードシャーテリアを残していこうと行動に移していきます。
こうした努力が実を結び、1936年にはアメリカの代表的な犬種団体AKCにスタッフォードシャーテリアという犬種名で公認されることになりました。
アメリカンスタッフォードシャーテリアの特徴と性格
体型は筋肉質でがっしりしており、アゴの力がとても強くパワー溢れる犬種ですが、実は動きも俊敏で相手の動きをかわすことも得意としています。
被毛は短毛で固く光沢があり、単色やパーティーカラー、斑のタイプもいます。
飼い主に対しては服従訓練をしっかり行っていれば、とても従順で小さな子供にも良くなつきます。
しかし、他の犬や動物に対しての闘争心と自分の縄張りなど敷地に対する防衛新がとても強く、多くの犬が行き交う場所などでは、絶対にリードを離さないよう細心の注意を払う必要があります。
そのため、しっかりとしたしつけが出来ない方や、犬を初めて飼う方にはオススメできない犬種です。
ピットブルってどんな犬?
ピットブルの歴史
正式名称は「アメリカンピットブルテリア」といい、日本の有名な闘犬である「土佐犬」よりも強いと言われるほどの、闘争心と闘争能力を持った犬種です。
1989年にアメリカンスタッフォードシャーテリアを、アメリカのUKCという犬種団体へ「アメリカンピットブルテリア」という犬種名で登録されたことが始まりです。
動物虐待という思考から闘犬をなくしていこうという時代の中で、ピットブルの闘犬としての血を絶やさず残そうとする団体も出てきました。
闘犬だけでなく、番犬やボディーガード犬としても使役されるようになりその攻撃性はさらに高くなっていったといわれています。
しかし、時代の波には逆らえずピットブルのブリーダーたちも闘犬の攻撃的な気質を取り除き家庭犬としても使役できるよう試行錯誤していきます。
こうした背景から、現在では闘犬タイプとは別に、ショータイプ、そして家庭犬タイプと言われるブリータイプのビットブルが存在するようになったのです。
健全な犬の育成を目的としたAKCでは、闘犬によるギャンブル目的で作り出された犬種の為、長い間その名前を公認されることはありませんでした。
しかし、50年の時を経て攻撃性を抑えた性格に改良された「アメリカンスタッフォードシャーブルテリア」として1936年に公認されました。
ピットブルの特徴と性格
体高46cm~56cm、体重14kg~36kgで中型犬に分類されるピットブルは、胸部が幅広い筋肉質体型でとてもたくましい姿をしています。
日本で販売されているのは家庭犬タイプのペット用に改良されている品種です。
しかし、ペット用とはいえ闘犬としての攻撃的な一面もあり、世界中で最も人の死亡事故が多く、飼育難易度が最高ランクとされている犬種です。
国や地域によっては、飼育自体に厳しい規制がかかっている場合もあり、その点も十分に理解する必要があるでしょう。
攻撃的な部分に注目してしまいがちですが、とても賢く適切な訓練を行っていれば飼い主にも従順で愛情深い一面もあります。
アメリカンスタッフォードシャーテリアとピットブルの違いは?
「アメリカンスタッフォードシャーテリア」と「ピットブル」は、どちらの犬種も見た目のかっこよさや、飼い主への服従心が高いことから海外でも人気の犬種です。
両者とも筋骨隆々の体つきで、短毛の中型犬という見た目の共通点が多いこともあり、素人には見分けることが難しいほど似ています。
また、どちらか一方の名前を検索するともう一方の犬種を関連付けて説明しているところが多いことから、深い繋がりがあることが分かります。
それぞれの歴史と特徴を見ていきましたが、この2つの犬種の違いは「闘犬の血を取り除かれた犬種(アメリカンスタッフォードシャーテリア)」と「闘犬の血を残された犬種(ピットブル)」といえるのではないでしょうか。
現在は、お互いに家庭犬として飼育することが出来るようになりましたが、アメリカンスタッフォードシャーテリアが闘犬の気質を取り除く為、改良されている最中、ピットブルは闘犬や番犬など攻撃性を持ち続け生きてきました。
その為、ペット用であっても闘犬の血が残っている個体もいるので、一度興奮したりスイッチが入ると相手に大きなケガを負わせる程の闘争心を持ち合わせています。
しかし、両者とも適切な飼育環境と適切なしつけがされれば、頼もしく最高のパートナーとなってくれるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。2つの犬種それぞれの違いは闘犬の血が深く関係していることがわかりました。
近年、こうした闘争心の強い犬種は「凶暴な犬」としてニュースになる事もありました。しかし、実際は育てた人間が原因で事故を起こしている事が多いように見受けられます。人間の娯楽の為に作り出され、勝手に危険な犬とレッテルを張られてしまっているのが現実なのだと思います。
犬達には責任が無い事を、一人でも多くの方に理解していただければ幸いです。