イングリッシュコッカースパニエルの性格
- 人懐っこい
- 甘えん坊
- 優しい
- 好奇心旺盛
- 陽気
- 賢い
- 従順
- 頑固
イングリッシュコッカースパニエルは基本的に甘えん坊で陽気な性格です。温厚でおとなしいので、子どもからお年寄りまで誰とでも仲良くすることができます。無駄吠えも比較的少なく、初心者でも飼いやすい犬種と言えるでしょう。賢く従順でしつけもしやすいですが、嫌なことや気にいらないことがあると飼い主の言うことを聞かないという頑固な一面も持ち合わせています。
イングリッシュコッカースパニエルの特徴
大きさ(体重/体高)
体高:オス 約39~41センチメートル、メス 約38~39センチメートル
体重:約13~15キログラム
分類:中型犬
成犬時の体高は約38~41センチメートル、体重は約13~15キログラムで、オスの方がメスよりもやや大きめです。イングリッシュコッカースパニエルは被毛が多いので実際よりも大きく見えますが、中型犬に分類されます。
体の特徴
長毛でふさふさな毛と、垂れ耳、長い鼻が特徴的です。体高が体長よりやや長く、がっしりとした骨太な体格をしています。同じくスパニエル系の犬種であるアメリカンコッカースパニエルと比べると、イングリッシュコッカースパニエルの方が顔の彫りが濃く鼻先が長めで、サイズもひとまわりほど大きいという違いがあります。
イングリッシュコッカースパニエルの毛色や毛質の種類
毛色
- ブラック
- ゴールド
- レッド
- チョコ
- ブラック&ホワイト
- レモン&ホワイト
- ブルーローン
- レバーローン
- オレンジローン
- ブラックタン
- レバー&ホワイト&タン
- セーブル
イングリッシュコッカースパニエルの毛色はたくさんあり、大きく「ソリッドカラー(単色)」と「パーティーカラー(混合色)」の2種類に分けられます。
ソリッドカラーには「ブラック」や「ゴールド」、「レッド」、「チョコ」などがあり、胸にホワイトが入っているケースは許容されています。
パーティーカラーは2色が混ざり合った「ブラック&ホワイト」や「レモン&ホワイト」などや、地の色に斑模様が入る「レバーローン」や「オレンジローン」などの「ローンカラー」、まゆのようなタン模様が入る「ブラックタン」、「レバー&ホワイト&タン」などの「タンカラー」があります。「セーブル」はブラウン系の毛色に所々黒みがかっている毛色を指します。
毛色による性格の違いは現在も研究中ではっきりしないことも多いですが、飼育数が一番多い「ブルーローン」はパーティーカラーの中でもおとなしく飼いやすいとされており、黒よりも色味があるカラーの方が攻撃性が強いと言われています。また、ソリッドカラーでは突発性激怒症候群(レイジシンドローム)が起きやすい傾向があるようですが、あくまで根拠がないものですので参考程度にしておきましょう。
毛質
毛質はダブルコートできめが細かく、少しウェーブがかかっているタイプとストレートタイプの2種類にわかれています。イングリッシュコッカースパニエルは全体的に毛の量が多めで、飾り毛が体部と前足、ホックの後脚にたくさんついています。
イングリッシュコッカースパニエルの子犬の値段
イングリッシュコッカースパニエルの子犬の価格相場はおよそ25万円ほどです。値段は販売されている場所や月齢、血統や毛色などによってさまざまで、安くて約12万円、高くて約32万円と振り幅があります。特に、遺伝性の病気の検査を済ませてある場合は30万円前後になるようです。
イングリッシュコッカースパニエルをブリーダーから迎えるには
ペットショップでの取り扱いが少ないため、イングリッシュコッカースパニエルはブリーダーから迎える場合がほとんどです。遺伝性の疾患が多い犬種なので、事前に見学をして親犬の健康状態などを聞いたり飼育環境を確認したりするとよいでしょう。ブリーダーから迎えると、病気の知識や対応法、飼い方のアドバイスを聞くことができ、アフターフォローが充実している場合も多いのでおすすめです。
イングリッシュコッカースパニエルの里親になるには
保護されたイングリッシュコッカースパニエルの里親になるには、保健所や保護団体から引き取る方法があります。成犬や老犬の場合は、それまでの飼育環境やしつけの程度によっては引き取り当初に苦労することがあるかもしれません。里親になる際は愛情を持って根気よく付き合っていく心構えが大切です。
イングリッシュコッカースパニエルの飼い方
環境
イングリッシュコッカースパニエルは冬の寒さや夏の暑さが苦手なので、外飼いではなく室内飼いが適しています。留守番をさせるときには長時間外出することを避け、必要に応じてエアコンを利用するなどして部屋の温度管理に努めましょう。フローリングの床は滑りやすく足の関節を痛める可能性があるため、カーペットやコルクマットを敷いておくと安全です。
運動
もともと狩猟犬として活躍していたイングリッシュコッカースパニエルは活発で体力があるので、多くの運動量が必要です。1時間程度の散歩の他に、ボール遊びやゲームなどを取り入れるとよいでしょう。広い庭やドッグランでの自由運動も喜びます。夏場は熱中症の危険があるため、屋外での運動は早朝や夕方などの涼しい時間に行ったり、1回あたりの散歩時間を減らして回数を増やしたりするなどの工夫をしましょう。
しつけ
イングリッシュコッカースパニエルは賢く学習能力が高いので、子犬の頃からきちんとしつけをすれば比較的飼いやすく苦労が少ない犬種と言えます。飼い主に従順なため、基本的には指示したことができたらその場で褒めるしつけで十分です。一方で噛み癖がある犬種ともされているので、犬が飼い主を頻繁に噛んでくる場合は、無視をする、コマンドを覚えさせる、遊びを中断するなどして噛むことをやめさせましょう。
ごはん
活発で運動量が多いイングリッシュコッカースパニエルのごはんには、体をしっかりサポートできる偏りのない栄養をとれるごはんがいいでしょう。グルコサミンなどの関節をサポートする成分が入っているものも良いかもしれませんね。食欲旺盛でごはんを与えすぎると肥満になる恐れがあるため、理想体重をもとに適切な量をあげるようにしてください。
お手入れ
被毛が長いイングリッシュコッカースパニエルは抜け毛が多く毛玉もできやすいので、日々の毛の手入れが欠かせません。皮膚病予防のためにも毎日のブラッシングと、月に2回程度シャンプーしてあげましょう。被毛が地面につかないように、定期的なトリミングをすることも大切です。さまざまなカットスタイルから犬にあったものを選ぶのも楽しいですよ。
また、耳が垂れているため、耳の中の通気性が悪くにおいや汚れが溜まりやすいので、2週間に1回は耳掃除をして清潔な状態を保つようにしましょう。
その他に月に1回程度の爪切りや定期的な肛門腺絞りも必要となりますが、これらは初心者には難しいので、初めのうちはトリミングサロンや動物病院に依頼するとよいでしょう。
イングリッシュコッカースパニエルの寿命
イングリッシュコッカースパニエルの平均寿命は約13~15年とされています。
しかし、イングリッシュコッカースパニエルは遺伝性の疾患が多く、血統によって寿命に差があるとも言われています。いずれにしても定期的な健診や日々の食生活と運動によって愛犬の健康を守ることが大切です。
イングリッシュコッカースパニエルのかかりやすい病気
白内障
通常白内障は高齢期に生じる事の多い病気ですが、イングリッシュコッカースパニエルは若い時期に発症しやすいと言われています。白内障は目のレンズである水晶体が白く濁ってしまう病気です。
治療には点眼薬で進行を遅らせる、手術をするなどの方法があります。糖尿病などの他の疾患が関連して白内障を併発している可能性もあるので、目が白く濁る、物にぶつかりやすくなるなどの症状が見られたら早急に動物病院を受診しましょう。
股関節形成不全
股関節形成不全は大型犬に多いとされていますが、中型犬であるイングリッシュコッカースパニエルでも起こりやすい病気と言われています。股関節形成不全は股関節が緩く不安定になる病気で、腰を振って歩いたり飛び跳ねるように歩いたりする症状が特徴です。
軽度であれば鎮痛剤や抗炎症剤などによる治療が可能ですが、股関節の状況や体格などによって手術が必要になることもあります。
原因の多くは先天的な要因によるものですが、肥満による股関節への負荷など、後天的要因から発症することもあるので、日頃の様子を観察するだけでなく適切な体重管理をすることが大切です。
耳の病気
イングリッシュコッカースパニエルは耳が垂れているので、外耳炎や耳の中にできものができたり、耳に関するトラブルを引き起こしやすい傾向があります。
軟口蓋伸長症
激しいいびきをかいたり呼吸をしづらそうにしたりしているときは、イングリッシュコッカースパニエルが軟口蓋伸長症である可能性があります。喉にあるひだが伸びて空気の通り道を塞いでしまう疾患で、大きないびきをし、重症化すると呼吸困難を引き起こします。伸びてしまったひだを元に戻すことはできないので、治療には切除をするための手術が必要になります。
激怒症候群(レイジシンドローム)
激怒症候群(レイジシンドローム)とは何の前触れもなく突発的に本気で噛む、急に怒り出すなどの症状が見られる病気で、イングリッシュコッカースパニエルでは遺伝的要素が強いとされています。
通常、犬が攻撃をするときには何かしらの理由がありますが、激怒症候群の場合は発作状態になっているため犬自身に怒っている意識はなく、発作が治まると何事もなかったかのようにぼんやりしていることもあるようです。
現在根本的な治療法が確立されておらず、激怒症候群の症状が見られる場合は、基本的に「抗てんかん薬」などの薬物療法を用いて様子を見ることになります。
皮膚病
アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚病にかかりやすいのもイングリッシュコッカースパニエルの特徴です。
特に皮脂が過剰に分泌される「脂漏性皮膚炎」では皮膚の炎症や赤み、フケ、べたつきなどが見られ、強いかゆみによって犬が自分で掻いたり傷をつけたりすることがあります。別の皮膚炎や外耳炎などを併発することもあるので注意しましょう。
イングリッシュコッカースパニエルの歴史
祖先は古くから狩猟犬として活躍していた「ランドスパニエル」であるとされています。鳥猟では体の大きさによって役割が異なっていたため、ランドスパニエルの中でも大きい犬を「イングリッシュスプリンガースパニエル」、小さい犬を「イングリッシュコッカースパニエル」として犬種を分けるようになったそうです。以前は狩猟に邪魔だという理由から尻尾が切られていましたが、現在は動物愛護の観点から多くの国で断尾が禁止されています。
その後アメリカに渡ったイングリッシュコッカースパニエルは、交配が進められて「アメリカンコッカースパニエル」としても独立します。イングリッシュコッカースパニエルに比べてアメリカンコッカースパニエルの方が小柄で鼻が短く、顔の彫りもそれほど深くないという違いがあります。ちなみに、映画「わんわん物語」に登場する主人公はアメリカンコッカースパニエルだと言われています。
また、現在も狩猟をしている犬を「フィールド系(ワーキングコッカースパニエル)」、品評会や展覧会などに出場させる犬を「ショードッグ系」と呼びます。フィールド系のイングリッシュコッカースパニエルは運動能力が高いので、フリスビーやアジリティの大会などでも活躍しています。
イングリッシュコッカースパニエルのおすすめブログ
メルの成長記録
イングリッシュコッカースパニエルのメルの成長を生後6カ月から記録したブログです。メルの他にミニチュアダックスフンドのチコとチョコが飼われており、メルの成長の過程だけでなく3匹それぞれの性格や生活の様子の違いも楽しむことができます。
コーダはEコッカー
ペットモデルをしているイングリッシュコッカースパニエルのコーダ君のブログです。飼い主は動物取扱業責任者と一級愛玩動物飼養管理士の資格を持った犬のスペシャリストで、コーダ君はスケートボード、サーフィン、キックボードができるタレント犬として人気が高まっています。日常の1コマだけでなく、タレント犬としてのさまざまな活動の様子も見られるところがこのブログの魅力です。
まとめ
イングリッシュコッカースパニエルは優しく陽気な性格で人に懐くため、飼いやすく愛すべき存在であると言えるでしょう。一方で手入れが大変な犬種でもあるので、ブラッシングやトリミング、耳掃除などをこまめに行うことが大切です。
また、他の犬種と比べると遺伝子疾患が多い犬種なので、定期的な検診を受けることで病気の早期発見に努めましょう。
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30代 男性 K.W