老犬介護は恩返し?愛犬が老いるまで一緒にいられるのは嬉しいこと

老犬介護は恩返し?愛犬が老いるまで一緒にいられるのは嬉しいこと

「老犬介護」と聞くと「かなり大変」「我慢、忍耐が必要」など、どうしてもネガティブなイメージが先行してしまいませんか?実際に愛犬の介護が始まってしまうと悲観的になってしまったり、先が見えなくて「いつまで続くんだろう」と思いがちです。愛犬の老いの始まりを見逃さないことで事前にいくつかの心構えもできます。

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老犬介護の始まり

ソファーで眠っている老犬

老犬、またはシニア犬と呼ばれる年齢は小、中型犬だと10歳、大型犬だと7歳からです。老化の原因は「加齢」と「病気」が挙げられます。

加齢による心身の老化は生活習慣の工夫で進行を緩やかにできることもあります。人間でいうなら、いつまでもチャレンジし続けるお年寄りはお若く見えますよね。

病気が原因の老化は治療で改善する場合もありますが、どちらも進行は止めることはできないので、老いを受け入れ介護に備えることが大切です。健康な場合でも、いつもと違うと思った時には既に老いは始まっています。

目に見える主な変化

  • 被毛が乾燥、脱毛したり白い毛が増えてくる
  • 聴覚が衰えて反応が鈍くなったり、耳垢が増えやすい
  • 視覚が衰えてものにぶつかりやすくなる
  • 肉球や爪が乾燥し、ひび割れが起きる
  • 関節が痛み歩行中よろけたり、足を引きずる
  • 口臭が強くなり歯周病などの病気になりやすい

人間は症状を口に出し、医者に診てもらえますが、愛犬の場合は言葉をしゃべることができないので、上記のような変化に早く気づいてあげることが大切です。また、年をとった愛犬のために部屋の段差や家具の角を減らしたり、滑りにくい床材(カーペットなど)に替えるなどのケアも必要になってきます。

目に見えにくい性格の変化

  • 甘えん坊になる
  • 頑固になる
  • 無気力になる

甘えん坊になる

体力や感覚器の低下により、些細な物事に恐怖を感じたり漠然とした不安を感じるようになります。恐怖や不安により人に寄り添ってくる傾向がありますので、愛犬が安心できる環境を作ってあげると良いでしょう。

頑固になる

今まで受け入れていたことを嫌がるようになる場合もあります。体の痛みなどが原因で動作が鈍く、耳が遠くなったり飼い主さんの指示や呼びかけに無反応だったりすることもあります。

無気力になる

視覚と聴覚が衰えた老犬は周りを確認しながら慎重に行動するようになるため、動作や反応が鈍くなります。また、認知症の初期症状は無気力に見えます。愛犬の老いを受け入れることは大事ですが、積極的にコミュニケーションを取ったり適度に刺激のある生活を送りましょう。

仔犬のときと同じように接する

犬を撫でている人の手

老犬になったからと言って、「そっとしておこう」と愛犬に話しかけることが少なくなったり、一緒に遊んだりすることが無くなっていませんか?老犬は出来ないことをそのままにしておくとどんどん老化が進んでしまいます。

また、年をとっても新しいことを覚えることはできますので、できたら仔犬の頃のようにたくさん褒めてあげることで脳の活性化にもなり、愛犬はとても喜びます。

飼い主も愛犬に育てられている

家族を育ててくれる

時には兄弟として一緒に遊んだり、子供みたいに甘えてきたり、おどけた表情をみせたり、家族には笑いが絶えないことと思います。犬と暮らすということは子育てと一緒で愛情やしつけなどの忍耐、努力、その他にもお金や環境も整っていなければなりません。ですが愛犬は裏切ることなく死ぬまで家族を愛し癒してくれます。これはお金では買えないかけがえのないものです。

介護は恩返し

動物介護を仕事とする中で、愛犬の介護をなさっている飼い主さんが「まだまだこの子は可愛がらせてくれてちゃんと私に恩返しをさせてくれてるんだね」とおっしゃっていました。

介護は「する」ものではなく「させてもらう」ことで人間は学びます。時に愛犬に対してイライラしても家族だから許せます。それに愛犬のことを誰よりも理解し思っているのは飼い主さん自身です。愛犬は生きることを教えてくれ、最期にはその身で命の大切さを教えてくれます。

後悔しないようにしたいけど・・・

愛犬と一緒に居られる時間は限られています。ですが、愛犬への献身的な介護の末に飼い主さんが体調を崩してしまったら大変です。老犬の介護は頑張りすぎないことも必要です。時には飼い主さんの地域のペットシッターや老犬介護士にお世話を依頼してみてはいかがでしょうか。1日数時間でもリフレッシュすることを愛犬に対して後ろめたく思う必要はありません。

まとめ

犬にキスをしている女性

私自身も、9年前に亡くなった先代犬を介護できなかったことに対して後悔があります。ですから先代犬には何もお返しができなかったなぁ、と日々心の隅に思いがあります。

老犬の介護において、マニュアルは無いようなものです。昨日は同じご飯を食べたのに今日は食べない、夜中に吠えている、歩くのが遅くお散歩に時間がかかる、愛犬が若かった時には悩まなかったことで悩み、ご飯を工夫してみたり、ご近所の迷惑がかからない所で吠えさせたり、など飼い主さんは先の見えない道に迷います。

ですが、飼い主さんが愛犬に対して悲観せず、一番後悔しないであろう介護を探すことが良いのです。何故なら愛犬が亡くなった後に「もっとああしてあげれば良かった」「もっと側にいてあげればよかった」という後悔が飼い主さんにとても多いからです。

「愛犬の介護は恩返し」という言葉はとても心に刺さりました。老犬を介護中の飼い主さんは簡単には思えないかも知れませんが、その気持ちを頭に置いておくと接し方も変わるのではないでしょうか。

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