なぜ、犬の目は暗闇で光るのか
暗い時間にお散歩をしていたとき、暗闇で犬や猫の目がキラリと光るのを目撃したことがあるという方は多いのではないでしょうか。
イルミネーションと一緒に愛犬の写真を撮ったとき、撮れた写真を見てみたら、愛犬の目が宇宙人かのように光っていた、なんてこともありますよね。
私も暗い時間にお散歩をしていたら、野良猫の目がキラリと光るのを良く見かけるので、愛犬が野良猫を追いかけてしまわないように注意することができます。
でも、犬なのか猫なのか上手く判断ができないときは、ちょっと怖いですよね。
犬は夜行性なんです!
うちの愛犬たちは、私のライフスタイルに合わせて過ごしてくれているため、朝起きて、夜寝る、という生活をしています。
みなさんの愛犬も飼い主さんと同じライフスタイルを送っているのではないでしょうか。
人と暮らしている犬の中にはあまり夜行性を感じる犬はいないのではないかと思うのですが、もともと犬は夜行性です。
オオカミとして野生で暮らしていた頃は、暗い時間にも獲物を追い、狩りをしていました。
そのため、犬の目はほんの少しの光でも上手く取りこむことができるような作りになっているんです。
タペタム(輝膜)という反射板があるからなんです!
犬の目がほんの少しの光でも上手く取りこむことができるのは、網膜の下にある「タペタム輝膜」という光の反射板があるからです。
犬の目の網膜はタペタム輝膜が半分を占めており、暗闇の中でもモノを見ることができます。
暗闇の中で愛犬の写真を撮ったとき、目が光って写ってしまうことがありますが、フラッシュを使って撮影した場合、タペタム輝膜という反射板にフラッシュの光が反射します。
フラッシュ撮影をしたとき、緑色や青色に光っていたら、それはタペタム輝膜が写ったからです。
フラッシュ撮影をしたとき、赤色に光っていたら、それは網膜が写ったからです。
暗闇でもしっかりモノを見ることができるんです!
暗い時間にお散歩をするとき、私は懐中電灯ナシでは足元が上手く見えませんし、怖くて上手く歩くこともできません。
それなのに、愛犬は早歩きでスイスイと歩いて行きます。
「見えてるのかな?」「感なのかな?」と不思議に思うことがありますが、もともと夜行性だった犬の目は、暗闇でもしっかりとモノを見ることができるようになっています。
見えていないかもと思い、自分ではなく愛犬の足元を懐中電灯で照らしながら歩いたことがありますが、その必要はないようです。
それよりも、ちゃんと自分の足元や周囲を照らして、危険がないか確認しながらお散歩することが大事ですよね。
犬の目の構造について
暗闇の中で光る犬や猫の目と私たち人間の目の構造にはそれほど大きな違いはありません。
眼球は、前方を角膜で被われており、後方を強膜で被われています。
眼球の中には硝子体と呼ばれる、透明なゼリー状の物質が充填されていますが、これは眼球の形を維持するための物質です。
角膜を通った光が角膜や水晶体で屈折され、眼球の奥にある網膜で像を結び、それを網膜上の神経が感じ、信号を発し、視神経へと伝達されます。
そして、その信号が脳へと送られることによって映像処理が行われます。
◎犬と人間の目の違い
犬と人間の水晶体を比べると、犬の水晶体はとても厚く、網膜よりも手前の方で像が結ばれてしまうことが多く、そのため、犬は近視である(目が悪い)と言われることがあります。
しかし、犬のまぶたと角膜の間には「瞬膜」が存在し、目の中に入ってしまった異物を取り除く働きをしています。
私たち人間の瞬膜は退化してしまい、今は存在しません。
また、人間には色に反応する「錐状体」が3つあり、赤・青・緑に反応することができるのですが、犬の錐状体は2つしかなく、緑と青にしか反応することができません。
犬の目はカラーで見えていない、などと言われる理由でもあります。
視神経の数を比べても、犬の視神経は人間の10分の1ほどしかありません。
まとめ
犬の目が暗闇で光る理由は、光を反射する「タペタム輝膜」の存在にあります。
人間とあまり変わらない目の構造でありながらも、タペタム輝膜の存在は最も異なるものです。
人間の目とは違い、赤に反応することができない犬の目ですが、人間にはない瞬膜やタペタム輝膜を持つ犬の目は、野生だった頃の名残りによって暗闇でも獲物を捕らえることができるような構造になっているのです。
ユーザーのコメント
女性 マカロニ
夜散歩なんかをしていると、向こうからくる犬の目が、車のライトなどに反射して光って見えるのもこれだったんですね。写真を撮ると目が光るのもこれかな。