犬と猫の体のつくりの違い

犬と猫の体のつくりの違い

古くから人間と共に暮らしてきた動物といえば「犬」と「猫」。犬派か、猫派か、なんて比較対照されることが多い2つの種族ですが、彼らにはどんな違いがあるのでしょうか。体のつくりから考えてみましょう。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬と猫

見つめあう犬と猫

古くから人間と共に暮らしてきた動物といえば「犬」と「猫」ですよね。犬は1万5000年程、猫は6000年前程前から家畜化、つまり人間と共に暮らしてきたという説があります。その歴史は犬のほうが断然古いですが、現代では猫も犬と負けず劣らず、人間の家族として愛されています。

そんな犬と猫。犬派か、猫派か、なんて比較対照されることも多いですが、彼らにはどんな違いがあるのでしょうか。今回は犬と猫の違いを「からだのつくり」から考えてみましょう。

犬と猫の体のつくりの違い

じゃれあう犬と猫

骨格

犬よりも猫のほうがより柔軟性を持って動くことができますよね。これは骨格の違いが関係しているそうです。例えば肩にある肩甲骨ですが、犬の肩甲骨は筋肉で「体の側面」につながっています。そのため犬は足を前後にしか動かせません。一方、猫は肩甲骨が「首の後ろ」にあります。そのため、猫は肩甲骨を足の動きに従って柔軟に動かすことができます。また、犬には鎖骨がなく、猫には鎖骨があります。(猫にもないといわれることがありますが、実際には小さな鎖骨があるそうです)

この肩甲骨と鎖骨の有無の違いは柔軟性の違い以外にも、獲物を捕らえる際の動きにも影響しています。犬は肩甲骨が前後にしか動かないため、手を使って獲物を捕らえることはありません。しかし、猫は前足を上手に使って獲物を抱きかかえることができます。

歯の形

舌を出す犬と猫

歯の形にも違いがあります。犬の歯は奥歯が尖っていませんが、猫の歯は全てが鋭い形をしています。これは狩りの方法や獲物の大きさなどによって違いがつくられたそうです。猫の場合は「単独」「短時間」で獲物を捕らえます。獲物を捕らえる際には首元に噛みついて、一瞬で仕留めようとします。そのためより鋭い犬歯が発達しました。

犬も犬歯は発達していますが、猫ほど先端がとがっていません。犬の場合は「集団」「長時間」にかけて狩りをします。その際にも必ずしも首元を狙うわけではなく、お腹や脚を攻撃することで獲物の動きを鈍らせます。

また、猫は肉を「切る」歯以外必要ないため、犬歯以外の奥歯の数は最小限です。犬は「噛み砕く」ことがあるため、犬歯以外にも奥歯があるのだそう。

爪にも違いがあります。犬の爪は先が丸みを帯びていますが、猫の爪は鋭く尖っています。また、犬は爪を引っ込めることができませんが、猫は自由に出し入れすることができます。

体臭

寄り添って寝転がる犬と猫

体のニオイにも違いがあります。犬は本来の体臭がありますが、猫にはほとんど体臭がありません。これは猫が獲物を待ち伏せして捕らえる動物のため、自身の存在を消すために体臭がほとんどないといわれています。また、猫は自分で毛づくろいすることからも、ニオイが抑えられているのだそう。

嗅覚/聴覚/視覚

嗅覚についてはどうでしょうか。犬の嗅覚は人間の100万倍、猫の嗅覚は数万~数十万倍だといわれています。猫も人間よりも遥かに優れた嗅覚を持っていますが、それでも嗅覚については犬には叶いません。

聴覚については、猫のほうが優れています。犬の聴覚では約40キロヘルツの音の高さを感じることがきるのに対して、猫は約80キロヘルツまで捉えることができます。

視力については、犬の視力は犬種にもよりますが、大体0.2~0.3。猫の視力は0.3。犬も猫も近眼です。色についても、両者とも赤や緑はほとんど見えません。一方、暗いところでは犬は人間の1/3、猫は人間の1/6の光量で対象物を見ることができます。また、視力が悪い分、両社とも動体視力はとても優れています。

まとめ

寄り添って眠る犬と猫

我が家には犬も猫もいますが、それぞれ動き方に違いがあり、おもしろいなと思ってよく観察しています。また、犬と猫は性格が対照的だといわれることが多いですが、それは群れで生活してきた動物と、単独で生活してきた動物の違いなのかもしれません。

これらの性格の違いを表すフレーズとして、海外では次のように言われたりするのだそう。

犬「彼ら(ヒト)は餌をくれて、撫でてくれて、愛してくれる。”彼ら”は神に違いない。」
猫「彼ら(ヒト)は餌をくれて、撫でてくれて、愛してくれる。”私”は神に違いない。」

海外のジョークですが、何となく当てはまっていそうな気もして少しクスリとしました。日本でも「犬は人に付き猫は家に付く」なんて言ったりするので、似ているのかもしれませんね。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 匿名

    私は幼い時からずっと犬を飼っていますが、猫は一度も飼った事がありません。以前から、猫に関して様々な疑問点があったので、今回記事を拝見して少しわかったような気がします。
    まずは、猫は犬とは骨格の違いから身体の柔軟性が高いという事です。確かに、毛づくろいしている姿を見るとかなり足をあげて、首をグッと曲げているのでとても柔らかいと思います。
    また、前脚を上手く使って高い場所にピョンと乗るところも犬とは異なると思います。
    そして、体臭に関しても猫は犬のように臭うイメージがないです。犬は頻繁にトリミングに行き、シャンプーはもちろん、耳掃除や肛門絞りまでやってもらいますが、猫はほぼ自分で済ませてしまうんですよね。手がかかるという点では、犬を飼う場合はちゃんと覚悟を決めて何をするべきか学んでから飼った方が良いと思いました。
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