犬の骨格の基本的な知識
人・犬の骨格の違い
- 人間:骨の数206個
- 犬:骨の数約320個
人間の骨は成人で206個あるとされていますが、犬の骨はそれより多く約320個あります。しっぽの骨(尾椎)の数が人間と犬で最も大きく違います。また、犬と人、頚椎(背骨のうち首の部分の骨)の数は7個でこれは人間の他、首の長いキリンなどでも同じです。人や犬、キリンと骨格の大きさや形はバラバラでも頚椎の数が同じなのは骨のとても不思議なところです。
犬の骨格(頭蓋骨)
まずは犬の頭部の骨格ですが、頭の骨である頭蓋骨の役割は脳や感覚器官を守り保護することです。
犬は頭蓋骨が大きい
犬は頭蓋骨が体の割に人間よりも大きくなっています。食肉目である犬は、獲物を食べるための筋肉である咬筋と側頭筋が人間よりも発達しています。
品種ごとの骨格の違い
ちなみに犬の頭の骨格ですがこれは品種ごとに長い、短いなど形が異なるようです。
例えば
- グレイハウンド
- ボルゾイ
- コリーなど
といった犬種は長頭種と呼ばれ、細長い骨格を持っています
- ブルドッグ
- ペキニーズ
- パグ
- ボストンテリア
などは、短頭種と呼ばれ、頭が丸くて非常に短い形をしています。
- ビーグル
- ダックスフンド
などは中間の中頭種となります。
犬の骨格(歯)
次は犬の骨格と深い関わりを持つ犬の歯ですが、犬の歯は全部で42本(21対)あり、元々あごが長くて歯がたくさんある骨格です。上下左右に切歯は3本、犬歯は1本、前臼歯は4本、後臼歯は上あごに2本、下あごに3本ずつあります。
また、肉食動物(犬は雑食性の強い肉食動物)には裂肉歯と呼ばれる山型のギザギザが大きい歯があります。これで肉を飲み込める大きさに切って食べるわけです。犬の一番奥の前臼歯が裂肉歯です。また犬は、肉はあまり噛まないで飲み込む食べ方をします。
犬の骨格(脚)
ハンターである犬の骨格で気になるのはやはり獲物を追いかける肢です。犬の骨格には前足と後ろ足である前肢(ぜんし)と後肢(こうし)がありますが、前肢(ぜんし)は人間でいうと腕にあたる部分になります。後肢(こうし)については犬の骨格には元々親指にあたる部分がないのですが、時に親指(狼爪)がある状態で生まれてくることもあります。またグレート・ピレニーズとブリアードには、後肢に2本ずつの狼爪があります。
犬の骨格(脚の動き)
- 犬の骨格は走ることに適した作り
- 犬の脚は横に開く動きは苦手
- 犬の四肢骨格は縦方向に非常によく動く
- 犬の骨格には鎖骨がない
犬の前肢の骨格は上腕骨と呼ばれる骨が胴体に沿って位置しているので、横に開く動きはできません。逆に縦には非常によく動くのでまっすぐに獲物を追いかけるハンターならではの骨格と言えるでしょう。
また、犬の骨格には鎖骨がありません。そのため、前肢を人間の腕ほどに自由な角度に動かすことができません。
犬種によって肢の指の骨格が異なる
犬の骨格の中でも肢は品種ごとに微妙に骨の形態が異なっていたりします。
猫足と呼ばれる骨格を持つ犬種
- ブルテリア
- 秋田犬
- ドーベルマン
- ジャイアントシュナウザー
- エアーデールテリアなど
などの犬種は「猫足」と呼ばれる指の骨格を持っています。第3指の一番先端の骨が短く、肢の地面に接する部分が猫の足のような形に見えることからそう呼ばれます。
うさぎ足と呼ばれる骨格を持つ犬種
- サモエド
- ベドリンテリア
- スカイテリア
- ボルゾイ
- グレイハウンドなど
「うさぎ足」と呼ばれる骨格を持っており、これは親指以外の4本の指の内、真ん中の2本が他よりも長いという特徴を持っています。
指の間に水かきのようなものがある犬種
- ニューファンドランド
- チェサピーク/ベイレトリバー
- ポーチューギーズ・ウォーター・ドッグ
- フィールド・スパニエル
- ジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインターなど
指の間に水かきを思わせる皮膜があります。この犬達は水中での作業に従事してきた歴史を持っています。
犬の骨格に関するまとめ
このように犬の骨格は祖先である狼と同じように、走って獲物を捕まえるハンターに適した作りをしていることがよく分かります。犬の骨格の構造や特徴を知ると、どうやったら犬をより楽しく過ごさせてあげられるかなどがより分かるようになるかもしれません。愛犬の骨格を意識して体の動きを観察するのもなかなかおもしろいものですよ。
ユーザーのコメント
女性 匿名
改めて観察してみました。
20代 女性 ゆき
それと犬の指にも水かきがあるなんて知りませんでした。泳ぐのが上手なわんちゃんがいるのは産まれ持った骨格も関係しているという事なんでしょうか。あいにくうちの子には水かきが無かったので水遊びは苦手な犬種のようです(^_^;)
女性 青のり
女性 鶴
女性 ぽぽ