愛犬がご飯をあげてもあげても欲しがる。体重に合った適切な量を与えているはずなのに。。とお悩みの飼い主さんはいませんか。また、欲しがるだけ食べさせていたら、いつの間にか肥満になっていた。。という方も少なくありません。
今回はそんな「犬と満腹感」についてのお話です。
満腹感とは?
「満腹感」とは「満腹中枢」と呼ばれる脳内の視床下部にある器官が作用することで感じるものです。本来、食事をすると満腹中枢が血糖値などから刺激を受けることで満腹感を感じます。つまり満腹感というのは胃袋で感じるものではなく、脳で感じるものです。
犬の満腹中枢は鈍い?
満腹感は満腹中枢が感知するものです。犬も人間と同じように満腹中枢が存在するといわれています。しかし、それでも常に食べ物を欲しがっているように見えるのはなぜなのでしょうか。
①満腹中枢の鈍さ
一つ目の考えられる理由は犬の満腹中枢の精度が関係します。人間と同様に犬にも満腹中枢は存在しますが、その感度には人間と差があり、犬の満腹中枢の感覚は鈍いといわれています。そもそも食事をしてから満腹中枢がそれを感知するまでには少し時間がかかりますので、人間より満腹中枢が鈍い犬は更に脳が満腹感を感じるまでに時間がかかるのだそうです。
②ドッグフードの食べやすさ
二つ目の理由として考えられるのが「ドッグフードの食べやすさ」です。本来、野生で暮らす場合、獲物を捕まえてから食べるまでの間にはそれなりに時間がかかります。満腹中枢が鈍くとも、野生で暮らしている場合は必然的に時間がかかるのです。
しかし、家庭で飼われている場合、与えられるドッグフードは食べやすいため、一気に食べることになります。また、犬は集団で狩りをして獲物を分け合って生活をしてきました。そのため餌が目の前にあると、我先にと食べるといった習性があります。
こういったドッグフードの食べやすさと、元来の早食いという習性が掛け合わさることで、満腹中枢が働く前に食べ終えてしまい、更に欲しがるということになります。
③食いだめの習性
三つ目の理由が「食いだめ」の習性です。犬は習性として食いだめをします。犬の祖先であるオオカミは集団で大きな獲物を獲ります。大きな獲物の狩りは成功率が低いことで、成功した際に大量に胃袋に保存できるように進化をしたといわれています。胃袋を常に満たそうとするため、常にお腹を空かせているとも考えられます。こういった感覚を「飢餓感」と呼びますが、犬は本能上、常に飢餓感を感じている動物だといえます。
一方、例えば猫の場合は自分のお腹が空いたタイミングに単独で小動物を獲ります。小動物は比較的簡単に狩ることができるため、猫は自分のタイミングで食事をするといわれています。そのため猫は犬に比べて飢餓感が低く、目の前にエサがあっても満腹であれば食べ続けるといったことはありません。
満腹感を感じさせる方法
どんなに愛犬が食べ物を欲しがったとしても、愛犬の健康管理のためには「愛犬の体重」に合わせて「適正な量」を与えることが大事です。食べるからといって与え続けてしまうと病気や肥満に繋がってしまいます。そうはいっても常にお腹を空かせている様子を見ると可哀想になる気持ちも分かります。どうしたら満腹感を感じさせてあげられるのでしょうか。
①食事の回数を増やす
食事の量は変えずに、回数を増やすことも満腹感を高める一つの方法です。1日2回の食事の場合、量を変えずに3回に分けて与えてみてください。1回あたりの量が減ることになりますが、食べる回数が増えることのほうが満腹感を感じやすいのだそうです。
②フードに工夫を
ドライフードの場合、一気に食べることができ、身体が吸収するまでにも時間を要します。満腹感を感じるには、時間をかけて食事をすることが大切ですので、ドライフードをお湯でふやかしたり、野菜や肉のトッピングしたりすることで、食べる時間をできるだけ遅くするように工夫をしてみましょう。
③食べる以外の楽しみ
あまりに食べ物のみに執着する場合、食べ物以外にも楽しみを与えてあげましょう。お散歩やおもちゃでの遊びなど、食事以外でのストレスの発散方法を与えることも大切です。
まとめ
野生動物だった名残で満腹感を感じづらい身体である犬。実際、愛玩犬として飼育され、限りなく野生の感覚が0に近い犬の場合、食が細いといったこともあるそうです。
体重や運動量に合わせた適切な量を与えていれば、栄養が足りないといったことはないため、犬の習性を理解したうえで、与えすぎには注意しましょう。
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50代以上 女性 丸ちゃん