ご近所の犬がうるさ過ぎて困っている時
同じ犬の飼育者として感じること
たとえば、犬の散歩で通る度に、庭先や室内から犬が激しく吠えてくる近所のお宅。
同じ、犬を飼う者として「飼い主さんはさぞ肩身が狭いだろうな」と気の毒な気がして、そそくさとその場を通り過ぎたり、できるだけそのお宅の前は通らないようにしていますが、たまたまそんなシチュエーションで顔をしかめて横を通り過ぎる人でもいれば、犬の存在そのものが冷ややかに見られている気がして、こちらも何となく肩身の狭い気持ちになるものです。
一方では、「よその犬が通る度にこれでは、ご近所から苦情は来ないのだろうか。毎日のことだろうに、どうして犬のお散歩時間帯は犬を室内に入れるとか、室内でも外の気配が伝わらない場所に移動させるとか手を打たないんだろうか?」と疑問にも思うわけです。
おそらく犬の吠えが常態化して、客観視できなくなっているか、あるいは1つ2つ手は打ってみたが、効果がなかったのでサジを投げたというケースが多いのではないでしょうか。
飼い主さんにとっては可愛い我が子なので我慢できるでしょうが、犬を飼っていない、または犬が嫌いな人達からしたら、それは騒音でしかなく・・・・。
そのうち、ペット飼育禁止のムードが広がったり、飼育上の規則がキツくなったりすれば、コトは「あそこの家のうるさい犬」の問題に留まらず、周辺で飼われている犬全体に波及するわけで・・・。
実際に過去、私の暮らすマンションでもそんなムードになりかけたことがあるのです。
なので、よそのお宅の犬が、毎度、激しく吠えていると、犬を飼っている身としては内心ヒヤヒヤするのです。
ご近所の犬がうるさい時の対処方法
実際にあったケース
以下は、身近なワン友さん達から聞いたケース。
ここから対処の仕方をちょっと考えてみたいと思います。
1.マンションの顔見知りの住人から「留守中に吠えてたよ」と言われた
2.マンションの管理人から「苦情があったので気をつけてください」と注意を受けた
3.夜中に犬が吠えていたら無言電話がかかってきた
4.早朝に隣人が訪れ、「犬の吠え声で遊びに来ていた孫が怖がって眠れなかった」と、いささか感情的に苦情を申し入れられた
5.帰宅したら「犬が吠えてうるさいです」とドアに張り紙がされていた
"1"で指摘してきた住民は、「自分も犬を飼っている」「飼ってはいないが犬は好き」「犬は好きじゃないが日頃から飼い主と良好なコミュニケーションが取れている」という人と様々かと思います。
基本的に苦情というより、飼い主を慮っての注意といった感じです。
"1"も"2"も比較的よく耳にするケースですが、あとの3つは少々穏やかならざるものがあります。
苦情を申し入れる側も当初は「飼い主もきっと気付いてくれるだろう」という、相手の良識を信じる気持ちが働くものです。
が、改善の様子が見られなければしだいにイライラするのは人情というもの。
ためこんだフラストレーションのために、いざ苦情を口にする時には感情的になりがち。
このパターンは、犬が好きではなかったり、日頃からコミュニケーションのない人であることが多いようです。
一方、犬を飼っている第三者は、自分も何かしら肩身の狭い思いをしていたりするので、よその犬がうるさくても注意を促すのは気が引けてしまうものですが、でも、だからこそ共有できる思いもあるわけで、言われる側も耳を傾ける気持ちにもなるのではないかと思います。
ということで、犬を飼っている私たちはどう対処したらいいのか、下記の通り、考えてみました。
庭先やゴミ捨てなどで顔を合わせた時に
日頃から、ある程度コミュニケーションをとっている間柄なら、立ち話のついでに「ところで、最近ワンちゃんよく吠えてるけど、どうしたの?」とか「この間はワンちゃんひとりでお留守番だったの? ずいぶん吠えてたけど」などと触れてみる。
良識のある飼い主さんなら、真意を察してハッとするのではないでしょうか。
あるいは「どうやって静かにさせておけばいいか分らない」と悩みを打ち明けてくるかもしれません。
しつけに困っているようなら、知っているトレーナーや方法を紹介してみましょう。
ただし上から目線は絶対にダメ。聞く耳を持ってもらうためにも、「うちも気付かないところで迷惑かけてたら教えてね。犬が嫌いな人もいるからお互いに気をつけようね」などとコトを共有する気持ちでひとこと添えて。
心の中では「うちの犬はちゃんとしつけてるけど、あそこんちの犬は全くしつけがなってない。お陰でこっちも肩身が狭い」と思っていたとしても、です。
管理人や自治会長を通して
日頃からあまりコミュニケーションのない相手の場合や、親しいだけに言いづらいような場合は、マンションの管理人や自治会長など、住民に注意を促す妥当な立場の人から伝えてもらうのが無難。
回覧板や掲示板に「最近、犬の鳴き声がうるさいと苦情が寄せられています。飼い主の人は気をつけましょう」などの一言を加えてもらう方法もあります。
しかるべき機関に相談する
過去には、近所同士の犬をめぐるトラブルが刃傷沙汰にまで発展した事件もあり、稀ではありますが個人での対応を避けたほうが良いケースもあります。
犬の吠えの程度がすさまじい、さらに飼育状況が健全とは言いがたい、飼い主に明らかに改善する気がなく、第三者の申し入れもハナから聞く耳を持たない、注意するとキレる・・・などなど、話し合いが不可能だったり、険悪なムードが漂い始めた場合は、保健所や警察に相談して指導してもらうしかないでしょう。
そこまでいかなくても、地域の活動熱心な動物愛護推進委員を紹介してもらい、相談するという手もあります。
ただ、しかるべき窓口に相談した後も、キレた飼い主が犬を保健所に持ち込んだり、遺棄したりすることのないよう見守ってほしいと思います。
まとめ
近所の犬がうるさくい時の対処法を下記の通り段階的に3つ挙げてみました。
1.直接話す
2.第三者に伝えてもらう
3.警察や保健所に相談する
とは言え、線引きは難しいのが現実。
結局は、苦情対象にならないよう個々が気をつけるべきですが、自分が注意を促すにせよ、逆に注意を受けたにせよ、カギになるのが飼い主どうしのコミュニケーション。
日頃から、近所のワン友さんたちと気楽に挨拶を交わしたり相談したりできる良好な関係を築いておくことが大切と言えそうですね。