犬は狼のネオテニー!?
最近、雑誌やニュースで「ネオテニー(幼形成熟)」という言葉をよく見聞きします。
「ネオテニー」とは生物学で使われる言葉で、子どもの特徴を残したまま、成熟し子孫を残す状態を言いいます。
ネオトニーとしてよく知られているのが、数年前に日本のCM等で活躍し、水族館でも人気者のメキシコ生まれ「ウーパールーパー」。
愛くるしい表情とピンクの小さなエラが可愛く瞬く間にブームになりました。
ウーパールーパーは、変態(成長によって形態を変える)では無い両生類で、見た目は子どもでも実は大人、つまりカエルがオタマジャクシのまま大人になったと考えてください。
無邪気な子供の外見や性質を残しながら繁殖できる大人になったのが「ネオテニー」なのです。
犬は狼のネオテニー!
「犬は狼のネオテニーである」との学説があります。
狼の外見と、幼児性を残したまま大人になったのが現在の愛玩犬であるという説です。
では何故そう言われるのかまた、ネオテニーはなぜ可愛いのかを考えてみましょう。
無邪気さが残るネオテニー犬
狼と犬を比較すると、狼が幼児期のみに持つ特徴を犬は一生持ち続けます。その現象が最もよく現れるのが「遊び好き」であるという事。
ネオテニーは子どもらしい無邪気さを残した大人だと考えると、現在の愛玩犬はその魅力を最大限に発揮していますよね。
ボール遊び・水遊びに夢中になり、様々な物に対する好奇心を持つ、それら全てを持って大人になっています。
これが犬は狼のネオテニーと言われる所以です。
つまりネオテニーであるから幼い「愛くるしさ」を生涯持ち続けるのです。
なぜ犬が可愛いのかを科学的に証明してみる!
ネオテニーは生物の進化の過程で非常に重要な働きをします。
幼児期が長く続きゆっくりと成人するので、環境に適する柔軟性を持ち続けます。
つまり恐れを知らず、柔軟な性格で人間と関わり、私たちが求める愛玩犬へと変化してきたと考えられます。
このようにして、その場の環境に順応しやすいネオテニーはやがて家畜動物となり、さらには人間の人生のパートナーとなり得たのではないでしょうか。
初対面の相手とも無邪気に遊ぶ幼児性と社交性が、様々な変化を受け入れるネオテニーの重要なポントとなります。
もっと愛されたい、もっと認められたいと言う欲望を持ちながら人間と関わる事になります。
では一方で、人間から犬を見た場合はどうでしょうか?
人はサルのネオテニーであると言う学説がありますが、同じネオテニーという共感で犬と人は繋がってきたのでしょうか?
動物行動学者でノーベル医学生理学賞を受賞したローレンツ博士は、人が可愛いと思う外観を「ベビースキーマ」と呼んでいます。
柔らかく全体に丸みのある体・大きな目・短く太い足等これらの動物を目にすると、愛情が湧き守りたくなると言う人間の母性本能が働くと言う説です。
この説の中で言われる外見は、まさに犬そのものだと思われませんか?
つまり犬は人間の母性本能を刺激する外観も持ち合わせているのです。
このように狼のネオテニーである犬は、幼児性を維持しながら、人との関わりの中でより進化してきました。
そして人間は、母性本能を刺激され、ネオテニーである犬を身近に置くことで親としての愛情を感じているのでしょう。
まとめ・・科学的に証明された愛犬と人の愛情
幼児性を残したまま成人する「ネオトニー」は、環境に合わせて一生変化し続けます。
新しいものへの好奇心、学習能力等、生涯を通して人間と共存するために発揮される能力です。
また私達人間も、彼らの外観から母性本能を刺激され、愛おしい・守ってあげたいとの気持ちでパートナーを見つめます。
ですから「可愛がって」と言う彼らのアイコンタクトが、私達愛犬家の心に響くのですね。
つまり犬と人間は「ネオトニー」である事を共有し、自立する事のない子どもと、その子を見守る親として、素晴らしいパートナーになり得るのでしょう。
ユーザーのコメント
50代以上 男性 ten
しかし犬がなぜ人間のパートナーとなり得たかという研究は世界各国で行われているので、ニューストピックにあるとついのぞいてしまいます。歴史的にこれだけ長い時間を過ごしてきた動物なのに、これほど仲の良い関係性なのに意外と犬の実態については分かっていないのかもしれません。犬の知能や感情、人間とのコミュニケーションについて、新たな発見があることを楽しみにしてやみません。
女性 satomi
女性 シュナ
女性 べりーまふぃん
ネオトニーとは初めて聞きました。記事を読んでも、あまりピン!とは来なかったためネオトニーについて、犬とネオトニーについても調べてみました。
〝カエルのような両生類は、変態して、子供と大人がはっきり区別されます。
しかし哺乳類は、子供と大人の領域があいまいである〟
〝ネオテニーという「子供の体を持ったまま生殖活動をする」という定義は自己矛盾する。 だから「犬や猫はネオテニーだ」と断言することは難しい〟
なので、この記事の内容とは少し違うようです。犬とネオトニーについては中々難しくネオトニーだと断言出来るものではないんですね。かといって全く違うとも言えないのがふしぎなてんですね。
自立することのない子供とその子を見守る親としてのところは、なんとなく良いイメージを抱きません。
盲導犬や警察官など、人より役に立つ犬も(動物)もいますから、どの辺りを自立と考えるか人それぞれです。
科学的に証明は面白いですが、やはり本能じなないかと思います♪犬は好きですがすべての犬種が好きかと問われればそんな事はないですし、愛犬を選んだのも本能なのか縁なのか運命なのかは、分かりませんがそういうのがあったんだと思います。
女性 もふころ
犬は長く一緒にいると、自然と「ペット」から「家族」の一員になっていくものだと思います。うちではお互いを学んでいける存在ですね。