飼い主のNG行動①社会化をしない
犬の警戒心の強さは、元々持っている性格や気質も影響しますが、それと同じくらいに育ち方にも影響を受けるとされています。警戒心というのは、未知のものや慣れていないものに対して感じる不安や恐怖から生まれます。そのため、たくさんの経験を積み、あらゆる人や物に慣れている犬は警戒心を抱きにくいとされているのです。
犬を育てる中で、あらゆるものに慣らして社会性を身につけさせることを「社会化」と呼びます。特に生後3~4か月頃は「社会期」と呼ばれ、好奇心が強く恐怖心を持ちにくい時期だといわれているため、社会化に最適な時期だと考えられています。
この時期に、様々な場所に出かけていろいろなタイプの人や犬を含めた動物に出会い、触れ合うことでそれらに対する社会性が身につき、今後警戒心や恐怖心を抱きにくくなると言われているのです。
反対に社会化が十分に行われていないと、未知のものにどのように接すればいいかわからなかったり、恐怖を感じてしまいやすくなったりします。
社会化は子犬の時期ほど効果的ですが、成犬になってからでも決して遅くはありません。いろいろな場所に連れていき、音や物、人、動物などに触れ合わせることでどんな状況でも自信を持って過ごすことができるように社会性を育ててあげてください。
飼い主のNG行動②怖がっていることを肯定する
犬が警戒心を抱くときは、そのものに対して多少の恐怖心を持っていることが多いと考えられます。そうした場合に注意したいのが、犬が何かに対して怖がっている様子や不安を感じている様子が見られたときに、それを肯定したり、より怖がるように促したりする行動を飼い主がとらないことです。
飼い主自身は肯定しているつもりはなくても、犬が怖がっているときに「怖いね~」「大丈夫よ」などと大げさに声をかけたり、抱き上げて離れたり、なぐさめるように撫でたりすることはNG!飼い主も大げさな反応を示すことで、犬は「これは怖がって当然のことなんだ」と思い込んでしまいます。
そのため、見知らぬものを警戒し、恐怖を感じるということが強化されてしまうことがあるので注意が必要。犬が何かを警戒しているときは、何事もないかのようにいつも通りの冷静な対応をするか、あまりにも恐怖心が強い場合はそっとその場を離れるように促してあげましょう。
飼い主のNG行動③いたずらをする、驚かせる
家の中に犬が心から休める居場所がないと、警戒心を持ってしまいがちです。寝ているときや体を休めているときに、突然抱き着いたり激しいスキンシップをとろうとしたりすると犬は驚いてしまうでしょう。また、わざとびっくりさせるようないたずらをすることも犬に警戒心を抱かせやすいので注意が必要。
家の中や飼い主とのコミュニケーションの中で、ビクビクしたり「だまされるかもしれない」という疑いの目を持たなくてはならないようになってしまったりしては、ゆっくりと安らぐことはできないでしょう。気質上、飼い主や親しい仲間以外には警戒心を持ちやすい犬種でも、家の中だけは心身ともにリラックスできるような環境作りをしてあげましょう。外で出会うものに対しての警戒心だけでなく、家の中でも警戒心を持ってしまいがちな
まとめ
犬が見知らぬものや慣れていないものに対して警戒心を持つことは、動物として自然なことだと思います。警戒心の強さは犬種や性格によって異なりますが、過度な警戒心は周囲とのコミュニケーションをうまくいかなくさせたり、犬自身を疲れさせたりしてしまうでしょう。
犬が必要以上に警戒心を持たないようにするためには、小さな頃から社会性を身につけさせるようたくさんの経験をさせて自信をつけることが大切です。その上で、警戒心や恐怖心を感じたときに飼い主が過剰反応せず、どっしりと構えていてあげることも必要でしょう。
落ち着いている飼い主の様子を見ることで、犬も安心することができるからです。また、家の中では警戒心を解いてリラックスできるように、接し方や生活環境を見直してあげることも大切だと思います。