1.複数のニオイの中から特定されたニオイを識別することができる
犬にはその鋭い嗅覚を活かした、“ニオイを嗅ぎ分ける”という能力があります。その能力を活かし、活躍するのが、災害救助犬・警察犬・麻薬探知犬です。
犬の周りには、たくさんのニオイが漂っています。しかし、そのニオイの中にある特定のニオイを識別することができます。特定のニオイを頭の中でイメージすることができるため、他のニオイに惑わされることがないのだそうです。
遠くにある特定のニオイも嗅ぎ取ることができる?
犬は何kmも先にあるニオイも嗅ぎ取り、識別することができるのでしょうか。実は、特定のニオイがある場所までに残ったそのニオイを追跡しているのであって、遠くにあるニオイを嗅ぎ取っているわけではありません。
ですので途中でニオイが途切れてしまうと、その場所にまでたどり着くことができない可能性があります。
ニオイを嗅ぎ取れる範囲はどれくらいまで?
どんなに鋭く優れた嗅覚を持つ犬であっても、遠くにあるニオイでは、風向きなどにもよりますが最大でも3mくらいの範囲にあるニオイしか嗅ぎ取ることはできないとされています。
それでも、自分の周りに漂うたくさんのニオイの中から、特定されたニオイを識別することができるわけですから、人間にはできない驚きの特技であると言えるのではないでしょうか。
2.ニオイから年齢や性別などの情報を得ることができる
犬は、犬同士で挨拶をするとき、お互いのお尻のニオイを嗅ぎ合いますよね。これは、肛門腺のニオイを嗅ぐことで、相手の犬の年齢や性別などの情報を得るための行為です。肛門腺のニオイを嗅ぐだけで、相手の犬の年齢や性別がわかると考えられていますので、これこそが犬の鼻が持つ特殊な能力であり、人間にはできない驚きの特技でもあると言えるのではないでしょうか。
ニオイを嗅ぐだけで、相手の健康状態もわかっちゃう
肛門腺のニオイを嗅ぐことで、相手の犬の健康状態を知ることができます。多頭飼いをしているのであれば、同居する犬の肛門腺のニオイを嗅ぎ、「この子、今日はちょっと体調が悪いみたいだ。」と感じ取り、カラダを舐めてあげるなどし、労わっている様子が見られるかもしれません。
ニオイを嗅ぐだけで、相手の気分もわかっちゃう
公園やドッグランで、仲良しのワンちゃんと会ったとき、いつもなら大興奮で遊び始めるのに、今日は挨拶だけ交わしておしまい。一緒に遊ぶ様子が全くない。お互いに近づこうともしない。もしかして…喧嘩しちゃったのかな?遊ぶ気分ではないのかな?なんて思う時があるかもしれません。
実は、肛門腺のニオイを嗅ぐことで、相手の気分を知ることができると考えられているため、「あいつ、今日は機嫌が悪いみたいだから、そっとしておいた方が良さそうだ。」と判断したのかもしれません。
3.鼻の湿りで風向きを感知することができる
犬の鼻って、少しだけ湿っていたり、雫が出るほど濡れていることがありますよね。鼻が濡れていると健康だ、鼻が乾いていると体調が悪い、なんて言われることもあり、愛犬の健康状態を判断するために利用することがあるのではないでしょうか。
犬の鼻が濡れているのは、ニオイを嗅ぎ取りやすくするため、そして、風向きを感知するためであるとされています。特定のニオイまでたどり着きたいとき、風向きまで感知することができると、よりニオイがする方向を定めやすくなり、ニオイの発信源までたどり着きやすくなるのだそうです。
犬の鼻は人間の汗のニオイを感知する能力に優れている
行方不明者の捜索や救助を行うとき、犬の鼻は、人間の汗に含まれている揮発性脂肪酸を嗅ぎ取り、感知することができる特殊な能力があるとされています。
揮発性脂肪酸のニオイによって、特定の人物を探し出すことができるのですから、人間にはできない驚きの特技であると言えるのではないでしょうか。私たち人間には、汗臭いな、皮脂臭いな、という程度しか分からないですものね。
まとめ
犬には、鼻の特殊な能力によって、
- 複数のニオイの中から特定のニオイを識別することができる
- ニオイから年齢や性別などの情報を得ることができる
- 鼻の湿りで風向きを感知することができる
など、犬には人間にはできない驚きの特技があります。その能力や特技を活かし、活躍する犬もいますよね。私たち人間には、決して真似することのできないものばかりです。