犬を不快にさせるダメな撫で方とは
犬を撫でることは、よいコミュニケーションになるだけでなく、体の異変に気づくことができ、病気の早期発見にも役立ちます。
犬は、基本的に撫でられることが好きです。中には撫でられるのが苦手な犬もいますが、撫でられるのが好きな犬は多いです。
でも撫でられるのが好きだからといって、どんな撫で方でもOKというわけではありません。撫でられ好きの犬であっても、NGな撫で方をされると不快に感じることもあるのです。
犬と仲良くなるためにも、犬に不快感やストレスを与えないためにも、NGな撫で方は避けたいものですが、どのような撫で方がNGなのでしょうか?
ここからは、犬にNGな撫で方をご紹介していきたいと思います。
犬にNGな撫で方①毛並みに逆らって撫でる
毛並みに逆らって犬を撫でていませんか?犬を撫でるときは、毛並みに沿って優しく撫でるのが基本です。毛並みに逆らって撫でると、犬が不快に感じたり、興奮しやすくなったりするのでやめましょう。
人差し指と中指と薬指の第一関節のお腹辺りで、犬をリラックスさせるように優しく撫でてあげるのがおすすめです。
犬にNGな撫で方②敏感な場所をいきなり撫でる
犬には、あまり触られたくない敏感な場所があります。それは、足先や尻尾の先など体の末端や、口周りなどです。
こうした場所も触られることに少しずつ慣らし、どこを触られても平気な犬にするのは重要なことです。そうしないと、日頃のお手入れや健康チェックが行えなくなってしまいます。
だからといって、敏感な場所をいきなり撫でるのはNGです。どこを触られても平気な犬だとしても、敏感な場所を急に触られたらびっくりするでしょう。
場合によっては、唸ったり噛んだりすることもあるかもしれません。では、どこから撫で始めたらいいかというと、比較的触られることに抵抗が少ない胸や背中です。
まずは胸や背中から撫で始めて、犬がリラックスしてきたら喜ぶ場所(首周り、あごの下、耳のつけ根など)を中心に撫でてあげるといいでしょう。
犬にNGな撫で方③タイミングを考えずに撫でる
撫でられるのが好きな犬であっても、撫でないほうがいいタイミングがあります。例えば、睡眠中や食事中に撫でるのはNGです。
犬がすやすやと寝ている姿はかわいくて、つい撫でたくなってしまいます。でもこのタイミングで撫でてしまうと、犬の大切な睡眠の妨げになるだけでなく、びっくりして反射的に噛みつく可能性もあります。
どんなに寝顔がかわいくても眠っている犬には触らずに、そっと寝かせておいてあげましょう。
また犬が食事しているときに撫でると、ごはんを取られると思って早食いをしたり、唸ったり、噛みついたりすることがあります。食事中は、犬が安心して食べられる環境を与えてあげることが大切です。
犬を撫でるときは、撫でても大丈夫なタイミングか考えてから撫でるようにしましょう。
犬にNGな撫で方④背中を向けているときに声をかけずに撫でる
犬がこちらに背中を向けているときに、無言のままいきなり撫でてしまうと、犬を驚かせてしまいます。私たち人間も、いきなり後ろからトントンと肩を叩かれたりするとびっくりしますよね。
犬が背中を向けているときは驚かさないように、名前を呼ぶなど声をかけて、こちらに気を引いてから撫でるようにしましょう。
犬が喜ぶ撫で方とは
前述の通り、犬は基本的に撫でられることを好みます。特に、大好きな飼い主さんに撫でられるのが大好きです。
愛犬が前足で飼い主さんの手をカリカリしてきたり、ゴローンと仰向けになってお腹を見せてきたりして「撫でて♡」とアピールしてくることもあるのではないでしょうか。
愛犬を撫でるときは、どうせなら愛犬が喜ぶ撫で方をしてあげたいですよね。ここからは、犬が必ず喜ぶ『撫で方』をご紹介したいと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。
犬が喜ぶ撫で方①顎の下から首にかけて撫でる
犬のあごの下には、緊張をほぐすためのツボがあります。上からかぶらないようにしゃがんで、正面からではなく、できるだけ横からゆっくりふんわり撫でるのがコツです。
家の中で愛犬が近寄ってきて座り込んだとき、あごの下をゆっくり撫で始めると、すぐにその場に寝転んで〝他の部分もやれー〟とせがまれす。
知らない犬や譲渡会などで、横向きにしゃがんで手の甲を差し出し、匂いを嗅がせてから、手の甲で顎を中心に小さな円を描くようにゆっくり優しく撫でると、かなりの確率でそのまま、腰を下ろして寝そべってくれます。
犬が喜ぶ撫で方②耳の後ろの付け根を撫でる
耳の後ろ側の付け根の部分は、たまに犬自身が後ろ足で掻いていますが、面白いのはその部分を軽く指先を曲げた状態で「カカカッ」と掻くような撫で方をしてあげると、後ろ足を自分で掻いているときのように動かして、顎を上げて目を細めて「ん~」という表情になることです。
ここは外耳炎などをおこしていたら触ると痛い場所なので、普段から心掛けているとチェックになりますね。
犬が喜ぶ撫で方③眉の間を撫でる
尻尾の付け根は自分では届かない場所ですし、尻尾に近い腰には腰百会という万病に効くと言われるツボがあります。そのため、腰から尻尾に向かって撫でてあげると喜ぶ犬が多いようです。
犬が喜ぶ撫で方④首から背中にかけて撫でる
犬は四つ足で歩き、常に頭を持ち上げているため、首の後ろに負担がかかっていることになります。その結果、犬は肩ではなく首がこると言われています。
そのため、頭から首、背中へと流れるように撫でると、犬はうっとりするのです。
犬が喜ぶ撫で方⑤毛並みに沿って優しく撫でる
毛並みに沿ってやさしくなでる。これが、犬を安心させる気持ちいい撫で方の基本です。このように愛情を込めて撫でてあげると、リラックスモード全開で、「スヤスヤ...」と音を立てて眠ってしまうこともありますよ。
犬が喜ぶ撫で方⑥優しく声をかけながら撫でる
飼い主の優しい声が、犬を安心させます。愛犬を優しく撫でながら、「気持ちいいね~」「いい子だね~」と優しく声をかけたり、名前を呼んであげたりしてください。
愛犬はとてもリラックスすることができて、うれしい気持ちになるでしょう。
まとめ
今回は犬にNGな撫で方と犬が喜ぶOKな撫で方をご紹介しましたが、いかがでしたか?飼い主さんが愛犬についやってしまいがちなこともあったかと思います。
犬を撫でることは、大切なコミュニケーションになります。だからこそ、NGな撫で方は避けて、犬が喜ぶ撫で方をするように心がけましょう。
最後に、犬の体をリンパの流れに沿ってなでる方法を紹介します。これは須崎恭彦さんの「体質改善手作りごはん」という本に載っていて、我が家でもやっていますが、愛犬がとても気持ちよさそうでリラックスしてくれます。
イラストの点線に沿って、ゆっくり流れるようにマッサージしてみてください。朝起きたときに、全身チェックのつもりでやってみてはいかがでしょうか?ただ、大前提として、犬が気持ちよく、リラックスしていることが大切です。撫でられているときの犬の表情をよく観察して、うっとりした表情を見せる場所をたくさん撫でてあげると喜びますよ。