肉球クリームとは?
肉球クリームとは?
『肉球クリーム』とは、文字通り、犬や猫の肉球に塗るクリームのことです。肉球は、歩行の際の衝撃を吸収し、触覚を司る足裏の組織を保護する大切な器官です。加齢とともに乾燥したり、床材の化学物質などの影響で角質が硬化して、若い犬でも肉球にダメージを受けることもあります。
犬の肉球には、たくさんの神経が通っているため、ダメージを受ければ痛みを感じやすく、また、一度ぱっくりと割れるような傷ができると歩行にも支障が出ます。そう言ったトラブルを防ぐために、日ごろの肉球ケアはとても有効なお手入れと言えます。
肉球クリームの効果
肉球クリームの主な効果は「保湿」です。乾燥している肉球を保護したり、肉球が乾燥するのを予防する効果があります。
肉球クリームの選び方
まず、最も大切なのは犬が舐めても体に害のない素材を使っていることです。アルコールや香料、着色料などが含まれていると、内臓や体内の粘膜に悪影響が出たり、アレルギーが出る恐れがあるので、しっかりと成分表を確認しましょう。
また、なるべく早く浸透性が高いものを選ぶと早く肉球の中にしみこむので、犬が舐めるリスクも少なく、効果も期待出来ます。
肉球クリームの塗り方
まず、足の裏をぬるま湯で湿らせたタオルなどできれいに抜きます。肉球の表面の汚れだけでなく、指の間の汚れも拭き取りましょう。そして、蒸しタオルで肉球を柔らかくほぐし、その後に肉球クリームを薄く塗ります。
犬が『肉球クリーム』を舐める理由
味が気に入ったから
上質な『肉球クリーム』の中には、蜜蝋(みつろう)シアバター、ひまわり油など犬にとって「美味しい味」と感じる成分が含まれているものもあります。
足の裏に違和感があるから
犬の肉球は、固く頑丈に出来ていますが、実は非常に鋭敏な感覚器官でもあります。そこに、ぬるぬるしたクリームを塗られたことによって違和感を覚えてその違和感の元であるクリームを取り去るために、足裏を舐めてしまうことがあります。
犬に「肉球クリーム」を舐めさせない方法
靴下をはかせる
クリームを塗る以上に違和感があり、利用し始めて最初のうちは脱いでしまったりすると思いますので、飼い主さんが側にいる間に少しづつ慣れさせましょう。
エリザベスカラーを装着する
『肉球クリーム』が浸透するまでの間、エリザベスカラーを装着します。エリザベスカラーの大きさによっては、足裏が舐められることもあるので、クリアファイルなどで大きさを調整してみましょう。
クリームが浸透する間だけ装着し、『肉球クリーム』が浸透したら外します。
もし、肉球の裏に塗った『肉球クリーム』を一度も舐めなかったら、ご褒美をあげ、「クリームを舐めなかったらご褒美をもらえる」という経験を愛犬に覚えてもらいます。そうすると、やがてエリザベスカラーを装着しなくても『肉球クリーム」を舐めなくなるはずです。
退屈しのぎになるおもちゃを与える
『肉球クリーム』を塗られたことで足裏に違和感を感じたり、『肉球クリーム』が美味しいから舐めたがったりしていたら、愛犬にお気に入りのおもちゃを与えます。おやつなどが入るコングを与えて、気を反らすのも効果的です。
『肉球クリーム』を塗った後は、しばらく見守る
犬の知能は3~4歳の子どもと同じと言われています。
もし、人間の3~4歳の子どもの手に、はちみつのニオイや口に入れるとほのかに美味しい味のするクリームを塗った後、大人が放置するでしょうか?
もし、愛犬の肉球に塗った『肉球クリーム』を舐めて欲しくないのであれば、クリームを塗った後、しばらくは愛犬の行動を見守りましょう。
まとめ
『肉球クリームを塗る』ということは、飼い主さんが、愛犬の肉球までしっかりとケアするという意識を持つ、ということです。
その結果、肉球だけでなく、口臭、毛並み、目の輝き、食欲などの愛犬の体のすみずみにまで気を配るようになり、その結果、愛犬の体になにか異常があればすぐに気が付くことが出来るようになります。
けれども、もし、『肉球クリーム』を利用する以前から愛犬が足の裏を執拗舐めていたら、なにかストレスを抱えていたり、足の裏に傷が出来ていたりと言ったトラブルが起きているかも知れません。
『肉球クリーム』は、あくまで肉球を加湿し、保護するためのものですので、もし、傷が出来ていたり、肉球付近の皮膚が赤くなっているなどの症状があればかかりつけの獣医さんを受診しましょう。