犬に『鼻くそ』ができない理由
愛犬の鼻くそを見たことがある飼い主さんはいないはず。犬に鼻くそができない理由の答えは簡単で「鼻毛が生えていないから」。私たち人間に生えている鼻毛の役割は、大きく分けて二つあります。一つは呼吸をする際に体内に異物を取り込まないためのフィルターとしての役割。埃やゴミ、病原体などを体内に侵入するのを防ぐために働いてくれています。もう一つは鼻の穴の中の乾燥を防ぐため。鼻毛が温度や湿度を保ち、鼻の穴の中の乾燥を防いでいます。
私たち人間にできる鼻くそは空気中のゴミや埃です。鼻毛により体内に入ることが出来なかった空気中のゴミや埃を分泌物である鼻水がからめとり、それが乾燥したものが鼻くそとなるようです
犬は鼻毛がなくて大丈夫?
体内への異物侵入、また乾燥を防ぐなど、身体にとって大事な役割をは果たしている鼻毛ですが、犬には一切生えていないよう。実は人間以外の生き物にはほとんど鼻毛が生えていません。ゴリラやサルなど類人猿は鼻毛らしきものが生えているようですが、産毛程度だそうです。
犬の鼻の穴は人間と比べると、とても小さいですよね。そして、鼻の穴を閉じることも出来るので、鼻毛が生えていなくても大丈夫なようです。犬が埃などの異物を吸い込んでしまったときは、くしゃみをして鼻からしっかり出しています。
犬の鼻の機能は?
ニオイを感じる機能
犬が優れた嗅覚を持っているのは、皆さんご存じかと思います。犬の嗅覚は犬が持つ五感の中でもっとも優れた感覚。人間と比較すると、1000倍~1憶倍とも言われるほど鋭い嗅覚を持っています。鋭い嗅覚を持つ犬ですが、ニオイを嗅ぎ分けることに得意なニオイと不得意なニオイがあるようで、動物が発する有機物のニオイには敏感ですが、自然界に存在しない、化学的なニオイには鈍感なようです。
犬にとっての嗅覚は、人間にとっての視覚のようなもの。犬はニオイを敏感に感じ取ることで、多くの情報を得ています。
体温調節のため
犬の体には汗腺が少なく、汗をかくことが苦手。ごくわずかな汗腺は肉球と鼻の頭と言われています。犬は鼻が濡れていることが多いですよね。これは汗と涙が混ざったもの。犬の鼻は人間と同じく涙腺と繋がっています。目の中の異物を流すため、また、目の表面を保護するために涙を分泌しています。分泌された涙と、体温調節に必要な粘液を鼻の奥から分泌させ(人間でいえば汗のようなもの)その二つが混ざったもので鼻を濡らしているのです。
犬は涙や汗など分泌物で鼻を濡らし気化熱を使い体の熱を下げています。濡れた鼻がいつもひんやりと感じるのは気化しているためです。
犬に鼻くそはできないが鼻水は出る?
上記にも書いた通り、犬は鼻が濡れていることが多いので、気づきずらいかもしれませんが、鼻水は出ます。鼻が濡れていることと、鼻水が出てもすぐに舐めてしまうことが多いのであまり目にする機会はないかもしれません。
犬が鼻水を垂らす原因
犬が鼻水を垂らす原因はいくつかかるのですが、人間と同じく生理現象も原因の一つにります。
- 生理現象
- アレルギー
- 病気
犬の鼻水の原因のひとつは生理現象。人間と同じく寒いときや、、鼻から埃を吸い込んでしまったときなど、鼻の中に刺激を感じたときに起こる生理現象です。生理現象で出ている鼻水はサラサラとした水状のもの。特に問題のない鼻水です。
花粉などのアレルギーにより、鼻水が出てくるワンちゃんもいます。アレルギーによる鼻水は、鼻の奥が炎症し敏感になっているため量も増えます。アレルギー症状がひどくない場合は、サラサラとした鼻水ですが、炎症が悪化してきた場合、ネバネバとした鼻水に変化してきます。更に症状が悪化してしまうと、鼻の奥の粘膜から出血してしまい、血液が混ざることもあります。細菌などが鼻の中にある時には膿が混じった鼻水になることもあります。
犬の鼻水の量が増える病気もあります。犬風邪とも呼ばれるケンネルフや、鼻腔内腫瘍、また歯周病など。ケンネルコフは人間の風邪のような症状で、咳や鼻水などが主な症状。重症化すると肺炎を引き起こす危険性があります。
また、それほど多い病気ではありませんが鼻腔内に腫瘍ができてしまうこともあります。初期症状として鼻水が見らえることも。重度の歯周病の場合は、炎症により口と鼻の間の骨に穴が開き、鼻の中まで炎症が広がってしまい鼻水が出ることがあります。
まとめ
犬に鼻くそはできないので、鼻くそっぽいものができていたら、要注意かもしれません。サラサラではなく、粘度の高い鼻水が固まった物かも。鼻水の量が多かったり、鼻くそっぽいものを見かける頻度が多い時は獣医さんに相談してみましょう。
ユーザーのコメント
40代 女性 匿名
鼻水が固まって鼻くそになることもあるそうです。
老犬に多いらしいですが。