なぜ犬の毛は色が変わるのか?
子犬から成犬にかけて、愛犬の毛の色が変わったなと感じることはありませんか?体全体の色が変わったり、模様が出てきたり、一部だけ変化するなど犬種によって様々です。また、同じ犬種でも模様の出方が異なることも多いです。では、なぜ犬の毛は色が変わるのでしょうか?
毛の色が変わる理由とタイミング
犬の毛の色が変わる理由やタイミングはいくつかあります。成長の過程によるものや、ストレスによるものなど様々です。では、一つずつ見ていきましょう。
老化
人間が加齢に伴い髪の毛が白くなるのと同じように、犬も老化していくにつれて毛の色が薄くなっていきます。子犬の頃は真っ黒だったのに、10年近く経つとグレーになるなど、時間の経過とともに愛犬の毛が薄くなったと感じる場合は、老化によるものと捉えて良いでしょう。
トリミング
愛犬の身だしなみを整えるためにトリミングをする飼い主さんがほとんどだと思いますが、バリカンなどでトリミングを行うと、毛の色が薄くなることがあります。
栄養不足
毛の色が薄くなるというのは、メラニン色素が大きく関わっています。メラニン色素を体内で作るために必要な栄養素が、チロシンやフェニルアラニンなどのアミノ酸です。体の主が栄養不足になると比例してこのアミノ酸も不足してしまい、メラニン色素を十分に作ることができません。その結果、毛の色素も薄くなっていくといわれています。
病気
通常毛色が変化する際は、顔周りから白に近い色に変わり、その後に体にも同じような変化が現れるのが一般的です。万が一、体の一部だけが白くなったり薄くなったりして、下記のような症状が見られる場合は皮膚病の可能性が考えられます。
- フケがよく出るようになった
- 吹き出物がある
- 肌にハリがない
- 毛の伸びる速度が遅くなった
もし心当たりがある場合は、一度獣医師へ診てもらうことをオススメします。 ただし、中には一部だけの変化が見られる犬種もいて、特にマルチーズは尻尾や背中だけというように一部分の変化が多く見られる犬種です。
ストレス
犬も人間と同じようにストレスを感じます。引っ越しや旅行、新しくペットを迎えたなど、いつもと環境が異なると大きなストレスとなることもあります。ストレスのサインとして毛の色が薄くなるのです。この場合はストレスの原因となっているものを取り除いたり、対策をしたりしていく必要がありますね。
毛の色が変わる犬種は?
先ほど述べた理由やタイミングの他にも、犬種によって毛の色が変わる特徴を持つことがあります。
主に毛の色に変化が見られる犬種は以下の通りです。
- トイプードル
- チワワ
- 柴犬
- ヨークシャーテリア
- マルチーズ
- シーズー
- パピヨン
特にトイプードルやヨークシャーテリアは、成長とともに毛の色の変化が著しい犬種です。
トイプードルの場合
トイプードルの中でもレッド、アプリコット、クリームの毛色はその後色が変化する傾向が高いといわれています。理由としては、トイプードルの犬種本来の毛色はブラック、シルバー、ホワイトです。それ以外の毛色は、品種改良によって新しく産まれ、その数を増やしていきました。
しかし、この新しい毛色は色素が不安定なことが多く、成長に伴い色が変わりやすい傾向があります。なぜ色素が不安定なのか明確な原因はわかっていません。
ペットショップやブリーダーから迎えたときと毛色が変わってしまい戸惑うかもしれませんが、成長による変化であれば心配は不要です。その犬の個性として受け止めて、一緒に変化を楽しんであげてくださいね。またダブルコートの犬種も、季節によって毛の生え変わりがありますが、この生え変わりが毛が薄くなったように感じることの一つの要因です。
まとめ
今回は犬の毛の色が変わる理由やそのタイミングについてご紹介しました。老化によるものや犬種特有の成長によるもの、ストレスや病気など様々な要因が考えられます。成長に伴うものであれば特に気にする必要はありません。毛の変化もこの子の個性だと一緒に楽しみましょう。