①なぜ犬にイライラするか分析する
犬にイライラしてしまう理由は、犬のいたずらやトイレトレーニングの失敗、吠え癖など「思ったようにしつけられない」「言うことを聞いてくれない」というものが多いのではないかと思います。しかし、そうしたことに困ったり叱ったりしているうちに、犬のやることなすこと目について、イライラしてしまうようになる飼い主さんも珍しくありません。
ちょっとした失敗や悪癖に対して過剰にイライラしてしまい、犬に対してきつく当たってしまうときには、実は犬以外に原因があることが多いとされています。家事や育児で忙しい、仕事で疲れている、家族や友人と喧嘩をした、ストレスが溜まっているなど、気持ちや時間に余裕がないときに人はイライラしやすくなると言われています。
そうした精神状態のときに犬がちょっとしたいたずらをしたり、思ったように行動してくれなかったりすると過度にイライラしてしまうのです。イライラの根本的な原因を知ることで冷静さを取り戻すことができ、犬のいたずらや問題行動に対しても適切な対応を取ることができるようになります。
②犬へのイライラを発散する手段をつくる
犬にどうしてもイライラしてしまうとき、そのイライラをむやみに抑え込むのではなく発散する方法を考えるのもひとつの手です。イライラとした感情を犬にそのままぶつけてしまうことは決していいこととは言えません。しつけの中で叱ることは必要ですが、イライラしているときの感情的な怒りをぶつけることはしつけではありません。
そのため、犬に対してイライラが抑えられないときやどうしても怒りをぶつけてしまいそうになるときは、一度冷静になれる自分なりの方法を考え、意識的に行うようにしましょう。
おすすめの方法
最近ではイライラや怒りの感情とうまく付き合っていくための「アンガーコントロール」「アンガーマネージメント」という心理トレーニングに注目が集まっています。その中でも怒りを相手に向けないための手段として、怒りのピークとされる6秒間を深呼吸などしてやり過ごし、衝動的な怒りの爆発を抑えるという方法などが挙げられています。
また、手を強く握る、紙をびりびりに破く、クッションを殴るなどして、イライラを解消・発散するというのもおすすめです。ただし、怒りの発散をする際は別部屋に行くなどして犬から見えない場所でやるようにしてください。直接犬に怒りをぶつけなくても、イライラした態度や物への八つ当たりを見せることで犬を委縮させ、飼い主さんとの関係性を悪くしてしまう可能性があるので注意しましょう。
③犬のことを話せる相手をつくる
日常的に犬に対してイライラしたり、愛情を持ちにくくなってしまったりしたときは、犬のことについて愚痴をこぼしたり話し合ったりできる相手を見つけられるといいと思います。深い話をするような親友をつくるというわけではなく、散歩の途中で軽い立ち話ができるような関係で十分。
慢性的にイライラしてしまうときは、犬自身の行動だけに問題があるのではなく、うまく育てられないことへの焦りや不安から、飼い主さんの気持ちに余裕がなくなっているケースが多く見られます。
話すことで気持ちが和らぐ
そうしたときは愛犬のことで困っている話やついイライラしてしまう話を口に出してすることで、少し気持ちが軽くなることがあるのです。話してみると、どんな家庭でも犬のことで困っていることや悩んでいることがあるということがわかりますし、それによって追いつめられていた気持ちが和らぐこともあると思います。
犬の散歩中に話をできる人や、犬を飼っている友人などがいないという場合には、獣医師やドッグトレーナーといったプロに相談するというのもおすすめです。ドッグトレーナーの場合はカウンセリングを受け付けていることも多いので、犬の問題行動自体の解決も含めた対処法として一度検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
犬との生活に行き詰まり、どうしても悪いところが目について、ついイライラしてしまうことはあると思います。むしろ、どんなときでもニコニコしていられる飼い主さんの方が少ないのではないでしょうか。
そのためイライラしてしまうことに罪悪感を抱いたり、「ダメな飼い主だ」と自己嫌悪に陥ったりする必要もありません。愛犬にイライラしてしまうとき、その裏には「うまくしつけられない」「どうしたらいいかわからない」といった責任感や不安、そして愛犬に対する期待や愛情があるはず。
イライラしてしまうときには、犬以外に気持ちの余裕を奪う原因はないかを考え、命に直結するいたずらなどでない限りは多少目をつぶってみてください。
そしてイライラとした感情を犬の目の届かない場所で発散し、犬とはにっこり笑って向き合い、穏やかな気持ちでゆっくりとスキンシップを取ってみてください。「ただ無性にかわいい」と感じていた愛犬と出会った頃の気持ちをきっと思い出すのではないかと思います。