犬のオキシトシンとは?幸せホルモンについて
まずは近年注目されている、幸せホルモン「オキシトシン」についての基礎知識を。
もともとは女性の分娩や母乳分泌などに働きかけるホルモンとして知られてきましたが、男性でも分泌されることがわかっています。幸せホルモン「オキシトシン」はストレスを軽減し、幸福感を増し、良好な人間関係を築く上で重要な役割を果たすと言われています。
オキシトシンは犬と人間のアイコンタクトで分泌される
犬と飼い主の絆における重要なカギ
人と人の「良い関係づくり」に関与するオキシトシン。これが犬と飼い主の間でも同様の作用をしているそうです。2015年4月、学術雑誌 SCIENCEに、麻布大学獣医学部伴侶動物学研究室による「人と犬の絆、オキシトシンとの関係性」に関する実験結果が掲載され、愛犬家の間でも大きな注目を浴びました。
家庭犬30頭と飼い主を対象にした実験で、30分間の交流の後、採尿。その結果、犬と人とがよく見つめ合っていたグループでは、犬も人も幸せホルモン「オキシトシン」の尿中濃度が上昇していることが認められたのだとか。このことから、犬と人とが見つめ合うことが、「絆」という目に見えないつながりを作り上げる重要なカギとなっていることが分ってきました。
人と犬を幸せにするホルモン「オキシトシン」の効果
ストレスに対してはコルチゾールというホルモンが分泌されますが、オキシトシンはこれとは真逆の働き方をするそうで、心を落ち着けて親密感や愛情など温かな感情を誘発することが分っています。
オキシトシンが果たす効果としては下記のようなものが挙げられるます。
- 他者と関わりたい意欲を引き出す
- 良好な対人関係が築かれている時に分泌される
- 闘争心や恐怖心を和らげ、相手への信頼感を増す
- ストレスを和らげる
- 社交性を高める
- 良質な睡眠を促す
- 他者への思いやりを促す
これらは基本的に人対人における効果として知られている内容ですが、上記の研究結果を踏まえ、人と犬に置き換えるとこんなイメージが浮かび上がってきます。
飼い主
- 愛犬に見つめられる ↓
- 信頼されている♪幸せ♡ ↓
- 充足感、自信♪♪ ↓
- ますますの愛情♡ ↓
- 笑顔(^_^)♡♡ ↓
- さらに犬を見つめながら撫でる♪幸せ♡
犬
- 飼い主に笑顔で見つめられる、撫でられる ↓
- 注目されている、愛されている♪幸せ♡ ↓
- 安心感♪♪ ↓
- 信頼♡ ↓
- 飼い主の心をさらに理解したい♡♡ ↓
- ますます見つめる♡幸せ♡
このように見つめ合うことによって、ますます人と犬の両者を幸せにする良いサイクルが生まれ、強い絆がきずかれていく・・・幸せホルモン「オキシトシン」とは誠に興味深いホルモンです。
犬のオキシトシンは成績アップにも繋がる
犬の作業成績が上がる!幸せホルモン「オキシトシン」
犬とオキシトシンに関する別の研究では、オキシトシンを与えられた犬のほうがより飼い主の指示による作業成績が高いことが分っており、これは犬が人のそばで暮らしてきた長い歴史の中で、オキシトシンへの感受性を高めるべく進化してきたからではないか、と言われています。
信頼関係のファースト・ステップは「見つめ合う」こと
犬のしつけは、犬がちゃんと飼い主の目を見られるようにするアイコンタクトから始まります。これまでは、どちらかといえば次に続く指示(おすわり、待て、など)を教えるために「注目させる」という意図に基づき、アイコンタクトの重要性が言われてきました。しかし、犬とオキシトシンについての研究結果を踏まえてみれば、形だけのしつけにこだわるより、互いに見つめ合うことで飼い主と愛犬との間に見えない心の糸をつなぐ重要なファースト・ステップととらえたほうが、アイコンタクトもより深く有機的な意味合いを持ってくるのではないでしょうか。
犬のオキシトシンの社会的なメリット
犬からの幸せ効果・アニマルセラピーへの期待
犬と触れ合うことで分泌される幸せホルモン「オキシトシン」には鎮痛効果もあると言われており、アニマルセラピーとして、セラピードッグを積極的に受け入れる病院や施設も見られるようになりました。孤独な気持ちに陥りがちな癌治療中の人や、うつ病で引きこもりがちな人、または認知症の人々に対しても、定期的な交流によってメンタル面の充足度が上がり、身体機能の維持・向上にも効果があり、症状の軽減も期待されることが分っています。
犬のひたむきな目が引き出してくれる自信と幸せ
犬にじっと見つめられると、不思議と「動物に信頼されている」という自己肯定感、ひいては自信が生まれてきます。平常時においてさえそうした感覚を生み出す「犬との見つめ合い」。
病床にある人々にとっては、リハビリへの意欲向上や免疫力を高める精神状態など、より大きな作用を及ぼすことでしょう。今後、心や体の治療・リハビリの現場において、「犬との触れ合い」からさらに一歩進んだ「見つめ合い幸せ」効果を期待する、積極的な取り組みの増えていくことが望まれます。
犬のオキシトシンの効果!幸せを感じる時
皆さんから寄せられた、愛犬といて幸せを感じるときをご紹介します!
女性 30代
わが家の愛犬と旦那さんが仲良くラブラブしてるのをみて幸せだなぁ…と思います。男の人が苦手な、わが家のワンコと犬が嫌いだった旦那さんとが、お互い恐々しながら仲良くなって、今では私が恥ずかしくなるぐらいのラブラブっぷりですが(笑)。とても幸せだなぁ…と思います。
いつも全身で感情を表現してくれて、家族の事をとても大切に思ってくれている、愛犬の事を、とても愛しく思い毎日幸せに過ごしています。
女性 30代
女性 30代
普段はベタベタしたくないみたいで距離を置かれてるけど、夜寝るときは、一緒のベッドでそっと私の足元で寝てくれるのが幸せな気持ちになれます♪ 夫婦喧嘩も、大きい声を出すときなこが怖がるので昔に比べたらあまりしないようになりました(笑)
転勤族で新しい土地に来ても、ご近所散歩で犬友達ができその土地に早く馴染めることも、きなこがいてくれたからこそ。そして、ボールやおもちゃで遊んだりおでかけしたり旅行に行ったり色々なものを見たり、一緒に楽しいことや嬉しいことを共有できるのがなによりの幸せ!
女性 20代
寒い夜に愛犬が布団の中に入ってくるときに幸せを感じます。主人と2人で寝ていると、愛犬が枕元におすわりしてくるので掛け布団をめくってあげると、私たち2人の間に入ってきて丸くなります。湯たんぽいらずの幸せな暖かさに包まれ、愛犬が愛しくてたまらなくなります。わんこと一緒の布団で寝ることは良くないという説もありますが、この幸せはどうしてもやめられません。
女性 30代
祖父が他界した際、昼間はなんとか気力で笑顔になれていたのですが、夜一人になると寂しくて泣いてしまう事が多かったです。そんなとき、犬がいつも慰めてくれて、本当に幸せだと感じました。涙をなめてくれて、大丈夫だよって言ってくれている気がして、愛犬と出会えて幸せだと感じました。
最期に
幸せホルモン「オキシトシン」は良好な恋愛関係においても機能するのだとか。犬と人との関係は、時に親子(どちらが親か子か?)、兄弟、そして恋人にも匹敵するほど、たぐいまれな幸せな絆の可能性を秘めていると言えそうです。ここで忘れたくないのが、私たち飼い主だけが、彼ら犬の存在によって幸せホルモン「オキシトシン」の恩恵に浴しているのではなく、彼らもまた私たちの関わり方しだいで同様の恩恵に浴せるか否かが大きく左右されるということ。
犬と人との幸せは、あくまで相互の関わりによって生まれるものだということです。
長い年月ともに暮らす中で、つい居ることが当たり前になってしまい、子犬のときのような積極的な関わりを忘れてしまいがちですが、シニアになって眠っている時間が増えてきたとしても、ただ静かに寄り添い見つめ合う時間も大切にしていきたいものですね。
ユーザーのコメント
20代 女性 すず
わんちゃんと居ると、とっても幸せな気持ちになりますよね。
40代 女性 RIRIKA
30代 女性 MAI
私はボランティアで愛犬と共に高齢者施設に行くことがありますが、そこでお年寄りがワンコを撫ぜながら目を見つめて「いい子だね~。可愛いね~。」と笑顔で触れ合ってくれる姿を見て、愛犬が何か特別な事をするわけではないのですが、人を幸せにすることが出来るんだな~とつくづく思いました。
これからも日々アイコンタクトをしながら、お互いに幸せを感じたいと思いました。
40代 女性 匿名
見ているだけでほんと幸せ!
今はこの癒しなしでは暮らせなくなってます。
どこのワンコも素敵でかわいい。
世界中のワンコが幸せに生きていけますように。
女性 colo
幸せホルモンが出ているのは感じていましたが、「オキシトシン」という名称があるほどちゃんとした理由があったことに驚きました。
アニマルセラピーは高齢者だけではなく、これからも色々な分野で活躍していけますね。
精神的な病を持つ人や、引きこもりがちな人、日々不安を感じやすい人など、犬はその状態を読み心に語りかけてくれるので、沈んだ気持ちを浮上させてくれる効果が期待できます。
外国にあるように、会社にペット同伴ができると仕事の能力もアップできるのではないかと思います。
アイコンタクトをよく取れる犬は甘え方も上手だと思います。我が家の愛犬も甘えん坊ですが人の目をよく見ているので、人間と同じように愛犬も癒されてくれていれば嬉しいですね。
ちなみに私は愛犬のいびきですら癒しです。
女性 ココさん
20代 女性 さらえもん
男性 匿名
10代 女性 てとめる