犬に色は見えている?
愛犬が夢中になって遊ぶオモチャ、また寒い季節に着せたくなる洋服も、犬専用のグッズはポップでカラフルな色から、渋いダークカラーの物まで多くの商品が揃っていますよね。特にオモチャを選ぶときは愛犬は何色だと見えやすいのか気になりませんか?犬ははっきりと色が見えているのでしょうか?
生き物はなぜ色が識別できる?
私たち人間が色の識別をするときに役立っているのが、眼の網膜の奥にある錐体細胞。錐体細胞とは光を感じることが出来る視細胞のひとつで、明るい光にしか反応しませんが色を識別できる細胞になります。
人間の錐体細胞は赤錐体、緑錐体、青錐体の3種類の細胞があります。この3つの細胞が、眼に入ってくる光の刺激を視神経を通し脳におくり、脳は受け取った刺激の割合で何色なのかを判断します。人間が多くの色を識別できるのは、3つの細胞があることで、光の組み合わせが豊富になるからです。
犬が見る世界は3色?
いっぽう犬をはじめとした霊長類以外の哺乳類は錐体が2種類といわれて、人間ほど多くの色を識別する能力はないと言われています。犬の目に映る世界は「くすんだ黄色」「青っぽい色」「非常に暗いグレー」の3色。これはカリフォルニア大学で行われた、犬の色覚に対する実験結果になります。
犬の目には緑、オレンジ、黄色は「くすんだ黄色」に見えています。そして、紫と青は「青っぽい色」。その他の色は全て白黒のグレーです。犬の目に映る世界は黄色と青と白黒のグレーの3色の世界。愛犬に赤やピンクなど可愛らしいオモチャを与えても、犬にはグレーに見えているのです。
犬が好きな色は?
見やすいのは「青」と「黄」
犬が1番認識しやすく、はっきりと見やすい色は「青」です。続いて「黄」も見やすい色になります。犬が好きな色というよりは、認識しやすいため「安心感」を持つ色になるのではないかと思います。
例えば、犬は赤を認識することは出来ません。そして、緑も見分けることが苦手です。赤と緑を区別することがとても苦手なのです。いつも遊んでいるオモチャが赤や緑であれば、自宅内でも屋外でも、ボール遊びなどをしているときに、背景の色と同化してしまい、オモチャをはっきり見ることが出来ません。これでは集中して「遊び」を楽しむことはできませんよね。
犬にとって見分けがつきやすい、青や黄のオモチャであれば、モッテコイ遊びのときに見えづらくて見失ってしまうということはないはず。思いっきり遊ぶことが出来る色のオモチャは「青」と「黄」になります。
洋服やベッドは何色が良い?
寒さに弱い犬種には洋服を着せる機会も多いでしょうし、愛犬がくつろぐベッドも毎日使用するものですよね。犬がはっきりと認識できる色が「青」と「黄」、それ以外の色はほぼ同一のグレーに見えているはずです。
認識できている「青」と「黄」は、ちょっとした刺激になっている可能性も。犬自身の好みもあると思うので、一概には言えませんが、日々くつろぐものに関しては、色を認識できないもののほうが落ち着くかもしれません。
犬はあまり色が見えなくても平気?
犬と人間の眼の構造はとてもよく似ているのですが、人間と比べると色の識別は不得意です。そのうえ、視力も0.3未満と低く、焦点を合わせることも苦手。よって、愛犬と綺麗なお花畑をお散歩しても、紅葉を楽しんでも、愛犬にはボンヤリとくすんだ世界に見えています。
犬の「眼」が持つ優れた能力
犬は色を感じ取る錐体細胞が少ない代わりに、ほんのわずかな光でも感じることが出来る桿体細胞が多く存在しています。私たち人間が物を見ることができないくらい真っ暗な場所でも、物を見ることができているのです。
また犬の視野は非常に広く、人間の視野が180度に対し、犬の視野は270度ほど。広範囲を1度に見渡すことができています。そして、非常に優れた動体視力も持っています。人間の動体視力と比べると4倍以上の能力で、人間ではまったく見ることができない素早い動きのものまで見えているようです。
これらの人間には見ることができない暗闇の世界を見ることができる能力や、視野の広さ、また優れた動体視力に加え、人間の約2倍近くの音域を聞き取ることができる聴力や、犬の五感で1番優れた嗅覚などで、視力の低さや色を見分けることができないことを補っているようです。
まとめ
多くのカラフルな犬グッズや美味しそうな色のドッグフードも販売されていますが、犬は青と黄しか見えていないようですね。愛犬に与える物の色を意識するとき、オモチャに関しては見えやすい色がお勧めですが、美味しそうな色のドッグフードは着色料などの添加物を使用しているものが多いです。添加物は犬の身体に良くないものもあるので気を付けて選んでください。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 マカロンの母