満月と言えばオオカミでは?
満月に向かって遠吠えすると言えば、最初に浮かぶイメージはオオカミですね。しかし、意外なことにオオカミの遠吠えと月には関連がないのだそうです。オオカミは夜行性の動物なので、夜になれば毎日活動を開始し、仲間とのコミュニケーションのために遠吠えをします。
オオカミが住んでいるような街から離れた場所では、満月の夜には彼らの姿が人間の目にも良く見えます。そのため実際には、他の日にも同じように行動しているのにも関わらず、満月の夜の遠吠えのイメージが強く印象付けられるのだろうと言われています。
満月の夜の犬の行動
では犬の場合はどうでしょうか?
これも意外なことにオオカミとは反対に、明るい満月の夜にはふだんよりも吠える行動が増える犬は多いのだそうです。それは、月の明るい夜には犬と散歩に出かける人が多く、月の明るさで犬が夜行性のネズミやアライグマなどを目にする率が高くなるため、動物に向かって吠えるからというのが主な理由だと考えられます。
散歩に出なくても、明るい月夜はカーテンの隙間からも外の様子が見えるため、犬にとっては吠える機会が増えるということです。言われてみれば納得ですが、ちょっと夢がないと言うか現実的な関連ですね。
夜は昼間よりも他の生活音が少なくなるため、犬は外からの音を聞き取りやすくなります。そこに視覚の刺激が加わると、吠える行動につながりやすいので、月の明るい夜は注意が必要ですね。
また、犬の中には風船や街頭など頭の上に浮かぶものを怖がる子もいます。特に明るい満月には、怖さを感じて吠えるという場合も少なくないそうです。
あなたの愛犬に満月を見て吠えるという行動が見られたら、もしかしたら月を怖がっている可能性もあるので、そのときは速やかに屋内に入れてあげてくださいね。
さらに、月と犬の意外な関係
さて「意外なことに」ばかり続いていますが、満月と犬の間には興味深い統計もあります。
コロラド州立大学獣医学病院の研究によると、満月の夜は夜間救急にやって来る動物の数が猫で23%、犬では28%も増えるのだそうです。ふだんより3割近くも怪我や急病の割合が増えるというのは、心に留めておいて、気をつけたい関連ですね。
また、イギリスのブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌によると、満月の時期は犬などの動物に咬まれて救急病院を訪れる人の数が、ふだんの約2倍になるというリサーチ結果もあります。
満月が動物の行動に影響を与えるか?その場合どんな影響があるか?については、多くの研究がなされています。これらの研究では、統計上の関連は確認されているものの、因果関係についてはまだはっきりと分かっていません。
愛犬の気質なども考慮して、満月の夜には犬と外出しない、または細心の注意を払って出かけるのが良さそうですね。
まとめ
満月の夜と犬の行動の関連についてご紹介しました。満月の明るさが犬の行動に影響を及ぼすことがあるのは確かなようです。夜間救急の受診数や、咬傷事故が増えるなどは、とりわけ気になる数字ですね。
暑い時期などは夜に散歩に出ることも多いので、ちょっと心に留めておかれると役にたつかもしれないですね。
《参考》
https://www.livescience.com/7899-moon-myths-truth-lunar-effects.html