犬の平均寿命と“犬時間”について
犬の平均寿命はおおよそ12~15年と言われており、小型犬や雑種の犬ほど長く、体が大きい犬種ほど短くなる傾向にあります。体の大きさだけでなく、犬種によって遺伝性の高い疾患や体の構造などが影響して平均寿命は異なります。
犬の年齢を人間に当てはめて考えると最初の1年は15~20年、その後は1年が4年分に相当すると考えられています。これに則って考えると私たち人間にとっての1時間は犬にとっては3~4時間に当たると言われています。
犬の寿命は鼓動の回数で決まる!?
犬を含め動物にはそれぞれ平均寿命がありますが、生物学的に考えると寿命と心臓の鼓動回数には深い関係があると言われています。特に哺乳類に当てはまる考え方のようですが、それぞれの動物が一生に打つ鼓動の回数は決まっているため、そのスピードが速いほど寿命が短くなると考えられているのです。その考え方で言うと犬の心拍数は人間よりも早いため、寿命も人間よりも短くなるということになります。また、鼓動や心拍数は体の代謝とも深く関わっているため、代謝の速度が速いほど寿命も短くなりやすいという考え方もあります。
ただし、これはあくまで生物学として考えた場合で人間が持つさまざまな医療技術や健康に関する取り組みなどを合わせて考えると必ずしも当てはまるというわけではありません。しかし、さまざまな研究を見ている限りあながち間違いというわけでもないので鼓動数と寿命には多少なりとも関係があるということだと思います。
愛犬の寿命は延ばすために出来ること
犬の寿命が人間よりも短い理由は、鼓動の回数を含め遺伝や性質によるものとしか言えませんが、その寿命を延ばす努力はまだまだ出来るはずです。実際にこの20~30年で犬の平均寿命は大きく変化し1.5~2倍ほどになっているとされています。これは元々の平均寿命が10年にも及ばなかったことを考えると飛躍的な数字と言えるでしょう。
犬の平均寿命が延びた理由としては、ワクチン接種を含め医療の技術が進んだことや飼育環境の変化、食と健康に関する研究が進んだことなどが考えられます。また、日本でも「犬は家族」という考えが広まり、犬に多くの時間や手間、お金をかけるようになってきたことや適切な飼育に関する知識が普及してきたことも影響していると思います。愛犬の健康を守り、寿命を全うさせるためには飼い主の努力も必要。それぞれの犬に合わせた適度な運動と健康的な食事、日々のスキンシップや健康管理を心がけ、適切な医療を受けさせることは基本的なことでありながら非常に重要なことなのです。
犬の寿命に関するまとめ
犬の平均寿命は犬種によって異なりますが12~15年程度とされています。その寿命の長さを決めているのは生物学的には鼓動回数(心拍数)が大きく影響しているとされていますが、食生活や運動、飼育環境など飼い主が与えることの出来る影響も大いにあると思います。適度に運動をさせて体力を発散させたり、体調や体質に合わせた健康的な食事を与えること。そして精神的ストレスを出来るだけ減らせるよう、スキンシップやコミュニケーションをしっかりと取り日々を充実させることもとても大切です。犬の寿命は一緒に暮らしている人間よりも圧倒的に短く、私たちは愛犬の一生に責任を持ち最期を見送らなくてはなりません。それはとても切なくつらいことですが短い時間だからこそ、その時間を大切にして出来る限りのことをしてあげたいですね。