短足犬の足はどうして短いの?
シュッとしていてスタイルの良い犬もかっこ良いですが、短足犬はその短い足で一生懸命走る姿が愛らしく、人気の高い犬種も少なくありません。
特にコーギーはその可愛らしい顔つきと、プリッとしたお尻や歩く姿に心を奪われる方が多く、中型犬の中でも絶大な人気を誇っています。
ここで、ふと疑問に思うことがあります。それは「なぜ短足犬の足は短いのだろうか?」ということです。何となく、そういう犬種だからと思っている方が多いのではないでしょうか。しかし、これには遺伝子レベルの深い理由かあったのです。
短足になるのは”動く遺伝子”が原因だった?
短足犬が短足である理由として、それぞれの役割に適するために、短足になったという説を良く耳にします。
例えばダックスフンドの場合は、アナグマやウサギを追いかける狩猟犬のため、細い穴の中を素早く動き回れるため。コーギーの場合は、牧羊犬として牛や羊を追いかける際に、体高が高いと後ろ足で蹴られてしまうため。それぞれ働きやすくするため、足が短くなっていったということです。
しかし、自然に足が短くなっていくというのは不自然ですよね。断尾のように人間が品種改良のために行った類のものとも考えにくいです。
ここで、さらに一歩踏み込んで調べてみると、実は遺伝子が原因だったことが判明しました。
同じように短足犬がなぜ短足なのか疑問に思った研究者たちがチームを編成し、研究を重ねた結果FGF4という細胞増殖因子タンパク質の遺伝子を、他の犬種よりも多く持っていることが分かりました。
この過剰なFGF4遺伝子が、より濃く働いており、骨が成長するより前にその動きを止めてしまうため、骨化が進み足が短いままになってしまうと考えられています。
この短足変異が、それぞれ異なった犬種の系統で起こったことから、多種に渡り短足犬が使役されたといえます。
現在も、短足犬の犬種が数多く残っているのは、人間が短足犬の特徴をいかして狩りや放牧を成立させたことで、さらに短足犬同士の掛け合わせなどが行われ多くの短足犬が生まれたからだといえるでしょう。
短足の犬種を飼うときに注意すべきこと
短足犬が短足である理由をお伝えしてきましたが、次に実際に飼う場合どのような点に注意すべきなのか見ていきましょう。
肥満に注意
短足の犬種の場合、他の犬種と比べると胴が長い傾向があります。胴が長いと主に腰や関節に負荷がかかり、過剰な脂肪がついてしまうと椎間板ヘルニアや糖尿病などを発症するリスクが高く、注意が必要です。
食生活の管理はもちろん、日頃の散歩で運動不足を解消してあげましょう。ちなみに、急な全力疾走や高いところから飛び降りる行為も体への負担が大きいので、ふだんから愛犬の様子を見ておくことが大切ですね。
熱中症対策
足が短いと地面とお腹がの距離が近くなり、暑い夏場では地面の温度の影響を受けやすくなります。連日の猛暑で、なかなか涼しい時間帯を見つけるのが難しいかもしれませんが、せめて早朝や夜など気温が少しでも下がっている時間帯に散歩に行ってあげると良いでしょう。
夜の散歩は明るい服装や反射板を身に着けることも忘れずに。また、途中日陰で休憩したり、こまめに水分補給を心がけたりするだけでも違うので、ぜひ試してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。短足犬の短足である理由が実は遺伝子レベルの話だったことには驚きですね。他の犬種にはない魅力がたくさんある短足犬は、今でも多くの人気を得ています。
まだ飼ったことがないという方も、一度一緒に生活をしてみるとその魅力の虜になるかもしれませんね。