愛犬にかかる食費はいくら?を考える前に
人間の家庭でも、家族を構成している人数が同じでも、年齢や体格、性別に違いがあれば、必要な食費が変わってきます。
例えば、高齢期に差し掛かった大人2人と、成長期の男性2人では、全く食べる量が違いますよね。犬にも、同じことがいえると思います。
そこで「犬にかかる食費」を算出するには、「愛犬には毎日どのくらいの量の食事を与えるべきか」を考慮する必要があります。
まずは、犬が食事として摂るべき必要な摂取カロリーを、算出する計算式をご紹介します。
必要カロリーを算出する計算式
安静時エネルギー要求量を算出
安静時エネルギー要求量とは、適度な温度下で、呼吸、食事、排泄をし、運動量がほとんどない状態でのエネルギー要求量のことです。
体重を3乗してから、平方根を2回求め、出てきた数値に70を掛けて算出します。あるいは、「犬 安静時エネルギー要求量早見表」と検索すると、計算しなくても体重ごとの「安静時エネルギー要求量」の数値がわかります。
まずは、愛犬の体重を正確に測って、「安静時エネルギー要求量」を算出してみましょう。
エネルギー係数を知る
次に「犬の活動係数」、あるいは「犬のエネルギー係数」を調べてみましょう。
ご自分の愛犬が、成長期なのか、授乳期なのか、妊娠しているか、肥満ぎみなのか、痩せ気味なのか、健康状態や年齢などによって係数の数値が変わります。
例えば、妊娠期であれば、係数は「1.8~3.0」となります。愛犬の「安静時エネルギー要求量」に「犬の活動係数」から愛犬の「係数」を掛けます。そうすると、あなたの愛犬が一日に必要なカロリー数が算出されます。
鈴木桂子
フードパッケージに大体の目安が書かれていますが、あれはあくまでも目安。その日の運動量などで調整しましょう。
おやつも1日に必要なカロリー数に含まれているので、あげ過ぎに注意しましょう。もし、おやつを多めにあげてしまったら、主食を少し減らすなど調整をします。
運動量の多い子には、少し量を足してあげるなどの微調整が必要です。また、年齢や体調によって必要なエネルギー係数も変化します。いきなりダイエットさせるのはストレスになるので、適正な量を管理する必要があります。
一日に必要なドライフードの量は?
ドライフードの表示には、犬の体格に応じて、一日、あるいは一度の食事で与えるべき量が表示されていると思います。
品質や価格によって、カロリーや栄養素が違うので、与えるフードの量はあくまで目安として考えて頂きたいと思います。
超大型犬
イングリッシュマスティフ、グレートデン、レオンベルガーなど、体重40キロを超す犬種です。
40キロの成長期の健康な犬として、必要なカロリーは1113㎉×3=3339㎉
大型犬用のドライタイプのドックフードの平均的なカロリーを100gあたり350㎉とすると、一日に必要なドックフードの量は、約950gになります。
大型犬の場合
ラブラドール、サモエドなど、体重が20キロ以上40キロ以下の犬種です。
25キロの成長期の健康な犬として必要なカロリーは、785㎉×3=2355㎉
大型犬用のドライタイプのドックフードの平均的なカロリーを100gあたり350㎉とすると、一日に必要なドックフードの量は、約670gとなります。
中型犬の場合
柴犬、アメリカンコッカースパニエル、ビーグルなど、10㎏以上20㎏以下の犬種です。
15キロの成長期の犬として必要カロリーは、534㎉×3=1602㎉
中型犬用ドライタイプのドックフードの平均的なカロリーを100gあたり350㎉とすると、一日に必要なドックフードの量は、約450gになります。
小型犬の場合
マルチーズ、ダックスフンド、プードルなど、体重5㎏以上10㎏以下の犬種です
8㎏の健康な成長期の犬として、333㎉×3=999㎉
小型犬用のドライタイプのドックフードの平均的なカロリーを100gあたり350㎉とすると、一日に必要なドックフードの量は、約290gになります。
超小型犬の場合
チワワ、ミニチュアピンシャー、ヨークシャーテリアなど、体重が5㎏以下の犬種です。
3㎏の成長期の犬として、160㎉×3=480㎉
小型犬用のドライタイプのドックフードの平均的なカロリーを100gあたり350㎉とすると、一日に必要なドックフードの量は、約140gになります。
一日に必要なウエットタイプのフードの量は?
超大型犬の場合
40キロの成長期の健康な犬として、必要なカロリーは1113㎉×3=3339㎉
100gあたり85㎉のウエットタイプのフードを与えた場合、一日に必要なドックフードの量は、約3900gになります。
大型犬の場合
25キロの成長期の健康な犬として必要なカロリーは、785㎉×3=2355㎉
100gあたり85㎉のウエットタイプのフードを与える場合、一日に必要なドックフードの量は、約2770gになります。
中型犬の場合
15キロの成長期の犬として必要カロリーは、534㎉×3=1602㎉
100gあたり85㎉のウエットタイプのフードを与える場合、一日に必要なドックフードの量は、約1890gになります。
小型犬の場合
8㎏の健康な成長期の犬として、333㎉×3=999㎉
100gあたり85㎉のウエットタイプのフードを与える場合、一日に必要なドックフードの量は、約1180gになります。
超小型犬の場合
3㎏の成長期の犬として、160㎉×3=480㎉
100gあたり85㎉のウエットタイプのフードを与える場合、一日に必要なドックフードの量は、約570gになります。
愛犬の食費にかかる月々、年間の食費
ドライフード 平均価格 1㎏200円
缶詰タイプ 平均価格 1㎏400円として計算しました。
超大型犬の場合
40キロの成長期の健康な犬として、必要なカロリーは1113㎉×3=3339㎉
一日に必要なドライタイプのドックフードの量は、約950gなので、ドライフード 1日190円×365日=69,350円
一日に必要なウエットタイプのフードの量は、約3900gになります。缶詰タイプ 1日1,560円×365日=569,400円
大型犬の場合
25キロの成長期の健康な犬として必要なカロリーは、785㎉×3=2355㎉
一日に必要なドックフードの量は、約670gなので、ドライフード 1日134円×365日=48,910円
一日に必要なウエットタイプのフードの量は、約2770gなので、缶詰タイプ 1日1,108円×365日=404,420円
小型犬の場合
3㎏の成長期の犬として、
160㎉×3=480㎉
一日に必要なドックフードの量は、約290gなので、ドライフード 1日96円×365日=35,040円
一日に必要なウエットタイプのフードの量は、約570gなので、缶詰タイプ 1日228円×365日=83,220円。
超小型犬の場合
3㎏の成長期の犬として、160㎉×3=480㎉
一日に必要なドックフードの量は、約140gなので、ドライフード 1日28円×365日=10,220円になります。
一日に必要なドックフードの量は、約140gになります。缶詰タイプ 1日56円×365日=20,440円。
まとめ
犬の年齢、健康状態、アレルギーなどの状況によって、与えるフードの値段や品質は変わります。また、通販などを利用し、買いだめをすることで、食費を抑えることも可能です。
ご自分の子どもさんや家族に食べさせる食事を選ぶのと同じ気持ちで、愛犬のフードを選んで頂けたらと思います。
鈴木桂子
犬の食事に関しては、それぞれ飼い主のこだわりが出やすい分野です。毛質、アレルギー、内臓疾患など、様々な要因がありますし、歯のことや簡便さを考えるとドライフードが便利ですが、充分に水分を与えてあげましょう。
大型化すればするほど食費がかかるのは当然のことです。食費を抑えたいからと質の悪いフードを長い期間与えると、健康上の問題が生じかえってお金がかかったりします。
また、多頭飼いでもないのに、安いからといって大きなドライフードの袋を買うのはお勧めしません。保存状態によって劣化は進むので、やはり1か月で食べきれるサイズのものをおすすめします。